新たに事業を開始する際には、利用した方が良いとされている「経営革新計画」ですが、具体的な内容をご存知でしょうか?
今回の記事では、新規事業を開始する際に覚えておいてほしい「経営革新計画」について詳しく解説します。
「経営革新計画」とは
「経営革新計画」とは、現在、中小企業が行っている事業があるとして、その事業とは別に新しく事業を開始する為に作成される、「中期的な計画」の事を指します。
これを作成することにより、会社全体での経営の向上を目指す目的があります。
作成した計画を管轄の都道府県へ提出し、都道府県側は提出された計画を見て、実行していくかどうかの審査を行います。
提出した計画の審査が通り、承認を受けると、中小企業側はいくつかの事業支援を受けることができるため、積極的に計画を作成し、申請を行った方が良いということが分かります。
受けられる事業支援とは?
都道府県からの承認を受けた計画は、以下のような支援を受けることができます。
各都道府県で、受けられる支援が変わってくるため、利用する際は、前もって受けられる支援を調べておくと良いでしょう。
「経営革新計画」の承認率
「東京都産業労働局」のHPから、申請を行うことができる中小企業の条件として次の内容が示されています。
- 中小企業等経営強化法第2条に規定する中小企業者であること
- 直近1年以上の営業実績があり、この期間に決算を行っていること
- 登記上の本所在地が東京都内であること。個人事業主の場合は、住民登録が都内であること
この条件に値する企業というのが、各都道府県で数多く存在し、「経営革新計画」を知っている企業ももちろん多く存在します。
申請をしたからと言って、必ず承認されるわけではありません。
申請があった「経営革新計画」の中から、審査が行われ、対象となる企業が決定されていきますが、その承認率がどのくらいなのか、気になるところかと思います。
明確な数字があるわけではありませんが、だいたい、10%の確率で承認されていると言われています。
東京都を例にお話しすると、2017年の月々の承認件数は、最低で22件、最高で42件、平均約30件という数字が出ています。
これは、承認をされた企業数になる為、実際に申請を行っている企業というのは、月々約300社以上もの企業が申請を行っているということになります。
承認を得るためのポイント
承認を得るためには、どうしたらいいのか、ポイントを押さえておきましょう。
そもそも「経営革新計画」の意味というのは、既に行っている事業とは別に、新しい事業を発展させるために作られる計画である為、事業内容に新規性・革新性がなければいけません。
事業内容を見た審査担当者に、”新しい“”今まで見たことのない“というような気持ちを思ってもらえる計画を作ることが大切です。
また、申請をするからには、その事業を実現できる可能性も示すことが大切です。
承認後に事業を進めていく計画が曖昧では、どんなに新規性のある事業でも承認が下りることは難しいでしょう。
事業を進めていく計画を、明確に提示できることで、より承認を得られる可能性も高くなるということが言えるでしょう。
まとめ
「経営革新計画」の申請を行うことによって、承認を受けることができれば、企業にとっても有益な支援を受けることが可能となり、もしも審査に落ちてしまっても、新たに新事業を見直すきっかけになることにも繋がります。
今後の経営向上に向けて、利用できる計画や制度をしっかりと理解することは、企業の将来にも関わる大切なことと言えるでしょう。