近年、ネット上で買い物をすることが当たり前のようになってきました。当社にいただく問い合わせでも、ネット物販を開始したいという方が増えています。
今回の記事で紹介するOさんは、ネット物販の副業を開始するための資金として日本政策金融公庫から300万円の融資を受けました。その要因として考えられるポイントをみていきましょう。
借入申し込み時のOさんの状況
Amazonを中心としたwebサイトで物販をしていたOさんは、平日は会社員として勤務し、土日や帰宅後に副業としてネット物販をしていました。そこで、さらに売上を上げるために、日本政策金融公庫からの融資を受けることができるかを当社に問い合わせたという経緯です。
ネット物販はAmazon以外にもメルカリや楽天、Yahoo!ショッピングなどのサイトを利用して比較的手軽に開始することができますが、弱点として、原価率が高く利益が出にくく、在庫を多く抱えてしまうケースがあります。
Oさんが日本政策金融公庫の融資審査に通過した要因を考察していきましょう。
融資審査通過の要因1:事業として売上を上げていた
Oさんのように、まず副業として開業した後に売上が安定したら本業にしたい場合、融資を申し込む時に副業であったとしても融資を受けることができます。
しかし、金融機関によって、副業に対する融資を全般的に実施していない可能性もあるので、申し込み前に確認しておきましょう。
日本政策金融公庫では、本業である会社員として副業よりも多く年収があれば、万が一副業に失敗した場合であっても本業の収入で返済してくれると判断して、融資を実施してくれるケースもあります。
しかし、副業だから事業として成立しなくてよいわけではありません。事業としてきちんと成立しているかどうかが重要なので、本業の収入の多寡が融資審査の可否を決めるわけではない点に注意してください。
また、副業のための融資を申し込む際に、本業の会社が副業を禁止していると、融資審査に落ちてしまう可能性があります。日本政策金融公庫から本業の企業の就業規則を提出してほしいと言われる可能性もあるので、事前に確認しておくことが大切です。
融資審査通過の要因2:確定申告していた
すでに副業としてネット物販を開始していたOさんは、きちんと確定申告をしていました。
副業を開始して売上を確保できている場合、必ず確定申告をしておくようにしましょう。
万が一確定申告をし忘れていた場合、融資審査であまり良い印象は与えませんが、時期が遅れても手続きをしておくようにしましょう。
融資審査通過の要因3:分かりやすい資料を作成した
ネット物販事業のための融資を成功させるためには、手元の在庫、月別の仕入れ、月別の売上などをリスト化しておくことが大切です。
どのような商品を取扱い、どれくらいの在庫があるかの資料を作成することで、今後どれくらいの仕入れが必要なのかを日本政策金融公庫の担当者に説明することが可能になるでしょう。
特に、ネット物販ではどのような商品を販売しているかが重要で、他社との差別化要素を説明できれば、評価される傾向です。また、「アパレルで勤務していた方がアパレル商品のネット物販を展開している」ような、これまでの経歴に沿ったジャンルであればなお良い評価に繋がるでしょう。
手元の在庫が、何がどれくらいあるかをまとめた上で、どれくらいの融資を受けてどの商品をどれくらい仕入れる予定なのかのリストを作成しておくのも良いです。
まとめ
今回は副業としてネット物販をしている方の事例を紹介しました。
日本政策金融公庫の借入に申し込むにあたり、準備するべき資料などについて不安な点がある場合は、一度お近くの認定支援機関にご相談ください。
融資に強い認定支援機関に相談することで、資料作成のサポートを受けることができます。