多くの起業者は、開業前に資金調達を行い、開業を目指すかと思います。
しかし中には、自己資金で開業を目指す方もいます。自己資金で開業を行ったのはいいものの、創業してから半年ほど経ち、自己資金が底をつき、経営に頭を抱えるという目に遭った方もいるのではないでしょうか?
今回ご紹介するのは、自己資金で開業をしたが、半年後には経営難に苦しみ、日本政策金融公庫で融資を申込んだAさんの事例をご紹介します。
Aさんの状況とは?
Aさんは電気工事業に長年勤めていました。その長年の経験を活かし、自己資金で独立開業を行いました。
開業後、何か月かは売上も思った以上に上がらず、自己資金で何とか経営と生活を行う日々でした。
半年が経ち、当初に比べて売上も右肩上がりとなるところまでいきましたが、それでも一ヵ月にかかる経営・生活費には及ばず、資金は出ていく一方となってしまい、今後の事に関しても不安を感じるようになっていました。
このままではいけないと感じたAさんは、日本政策金融公庫の融資を申込むことにしたのです。
創業半年にもかかわらず、融資が成功した理由について見ていきましょう!
1.融資成功の理由①事業計画が現実的かつ収益性のあるものだった
今回Aさんは、専門家を通して融資の申込を行いましたが、専門家との打ち合わせの際に、資料を自身でまとめて持参されました。
資料の保管、まとめ方に関しては全く問題がありませんでしたが、月ごとの収益がどのくらいなのか、ということまではまとめられていませんでした。
そこで専門家は、持参された資料を細かく確認しながら、今後の業績を予測し、事業計画を作成していきました。
専門家とAさんによる分かりやすく細かい事業計画は、収益性も十分にあり、尚且つ実現の可能性も高いという内容であったこともあり、融資成功に近づけました。
2.融資成功の理由②受注が安定していた
Aさんの独立は、以前働いていた会社の下請けとして独立をしたものでした。
Aさんの以前の職場での立ち位置は職長ということもあり、取引先の現場に入ることはしょっちゅうで、以前働いていた会社からしたら、取引先との関係を考えた以上、Aさんは必要な存在であったのです。
その為、独立後も以前の勤め先から受注がある可能性が非常に高い状態でした。
この受注は、Aさんの技術、人脈、職長としての指導経験などから見て信頼できるものであったと同時に、これらの長所を専門家と相談しながら創業計画書にまとめられたことも、融資成功の理由と言えます。
3.融資成功の理由③専門家に相談を行った
Aさんは、今回の融資申込を行う前に、専門家へ相談を行いました。
専門家へ相談したことにより、細かく安定性のある事業計画を作成することができたと、おっしゃっていました。そして今回の事を機に、確定申告や決算申告も専門家へ依頼するということの必要性を感じていました。
融資申込には、創業計画書のみではなく、帳簿の付け方、決算書の内容等も非常に重要なものとなります。
節税ばかりに気を取られてしまうのではなく、融資の事も理解し、融資申込時に困らないよう助けてくれる税理士の存在も大切です。
また、確定申告・決算申告を税理士にお願いすることで、融資の審査で、確定申告書の信頼性にも繋がるメリットとなります。
まとめ
今回の融資成功の理由として、「実現の可能性が高くより細かな業績予測」「Aさんのこれまでの実績による受注状況」「専門家との打ち合わせによる事業計画」が挙げられます。
事業者の強みとなる部分をどのように書類にまとめアピールをするか、ということがどれだけ重要なことかをお分かりいただけたかと思います。
より細かく信頼性のある業績予測を作成する為にも、実績のある専門家へ依頼するのも融資成功への鍵となるかもしれまん。