既に事業を開始していたOさんが、大型の案件を受注するための運転資金として日本政策金融公庫から300万円の資金調達に成功したい事例をご紹介しています。
ゲーム制作事業を実施すOさんが資金調達に成功したポイントやコツを知っておきましょう。
目次
Oさんについて
Oさんはゲーム制作会社を経営しており、2期目の終了まであと2か月、という状況でした。
1期目は販売実績が2件で、赤字です。
しかし、前職で販売総指揮官として日本1位の成績を残した経験を活かし、今回大型案件を受注しました。
受注した大型案件を逃さないためにも、制作のための費用を確保するために、今回融資を申し込む決断をされ、認定支援機関である弊社に相談して頂きました。
1.融資成功のポイント1:利用しやすい融資制度を選択した。
事業のための運転資金を調達する方法として
・日本政策金融公庫の融資制度を利用する
・金融機関の保証協会付き融資を利用する
・フリーローンを利用する
などいくつかの方法が挙げられます。
いくつかの資金調達方法の中から、ご自身の状況にあったものを選択して利用することが大切です。
ではいくつかの資金調達方法とそれぞれのメリットデメリットをCheckしてみましょう。
①日本政策金融公庫
【メリット】
・低金利
・審査期間が短く着金が早い
【デメリット】
・初回審査が比較的厳しめ
・不動産賃貸業を開始する場合は返済期間が短くなってしまう
②金融機関の保証協会付き融資
【メリット】
・利用する地方自治体によって、大きな金利優遇を受けることができる
【デメリット】
・保証協会と金融機関の両方の審査が必要なので、融資実行までに時間がかかってしまう
・何度か面談を受ける必要があるので、時間を割く必要がある
③フリーローン
【メリット】
・何にお金を使用しても良い
・融資実行が早い
【デメリット】
・高金利
・一度に高額融資を受けることが難しい
上記いくつかの資金調達方法を比較した場合、
・融資実行までの期間が短い
・低金利
の日本政策金融公庫の融資制度を利用して資金調達をする方法が、Oさんが最も利用しやすい方法であると判断しました。
今回、Oさんは事業安定のために出来るだけ多くの金額を調達したいと考えていましたが、現在受注している案件を逃さないようにするためにはなるべく早く融資を受ける必要がありました。
しかし、Oさんが事業安定のために必要であると言った金額を日本政策金融公庫から借りることは難しいと判断したため、最初に受注案件に取りかかるための融資を日本政策金融公庫からうけ、その後事業安定のための資金調達を保証協会付きの融資を利用して行う、という方法を提案しました。
2.融資成功のポイント2:赤字でも融資を受けやすいタイミングでの申し込み!
Oさんは事業を開始して1期目が終了していましたが、業績はあまりよくなく、赤字となっていました。
しかし、赤字にも関わらず融資に成功した理由として、融資申込みのタイミングが良かった、という点があげられるでしょう。
融資を利用しやすいタイミングは、大きく3回挙げることができます。
《1》創業前
創業前はもっとも融資を受けやすいタイミングと言えます。
きちんとした事業計画を作成し、開業のための準備をしっかりして融資を申し込むことで、開業後の業績推移をこれまでの実数でなく予想を含めて作成することができます。
現実的な数字を利用した事業計画や業績推移を作成することで、融資の担当者からの印象が良くなるでしょう。
《2》創業直後
事業を開始してすぐも融資を受けやすいタイミングです。
創業前と同様、融資を受けた後の業績推移を、予想を含めて作成しやすいためです。
《3》確定申告・決算後
事業を開始して確定申告や決算が終了した後も融資を受けやすいタイミングと言えるでしょう。
前期の業績がどのようなものであったかを実際の数字で融資担当者に伝えることができます。
もちろん、業績が良い場合に限りますが、きちんと売上がある事業を実施している場合は確定申告や決算が終了した後に融資を申込むことをオススメします。
また、今回のOさんのように、業績が下がっている場合であっても受注が決まっている大型の案件がある、というケースも融資を受けやすいタイミングの一つです。
3.融資成功のポイント3:大型の案件の受注が決まっている!
これまで、ゲーム制作会社を采井していたOさんの業績が下がってしまった理由として、利用できる広告宣伝費が無く、受注数を確保することができなかった、という原因があります。
しかし今回契約が内々定している案件の内容は
「大手企業であるA社と業務提携し、広告宣伝をA社が実施する」というものでした。
A社が実際に広告宣伝をしているゲームの販売数は、Oさんがこれまでご自身で広告宣伝をしていた作品の売上と比較すると1桁も違うものであったため、今回A社と業務提携することで業績が上がるということを、数値を出して融資担当者にアピールすることができました。
今回、契約の内々定があったことが融資審査にとても良い影響を与えていましたが、実際の契約書などを準備することが難しい状況でした。
融資を申し込む際に取引先との契約などが決まっている場合、書面で契約書や請求書を準備して融資審査の際に提出することでさらに信ぴょう性を高めることができるので、できるだけ準備しておいた方が効果的と言えます。
4.融資成功のポイント4:親族からの協力!
Oさんは融資を受けるために自己資金を準備していました。
しかし、自己資金とは別にご両親からの協力があり、余剰資金として融資の際に提出することができました。
融資を受ける際には、返済能力があるかどうかが融資の可否に影響します。
自己資金が十分にあることで返済能力があると判断されますが、ご両親の協力を受けた余剰資金あることで尚信頼してもらえるでしょう。
融資成功の可能性をできるだけあげるためにも、親族などからの協力を得られる場合には一度相談してみてはいかがでしょうか?
まとめ
Oさんは業績が下がっているにもかかわらず融資を成功させることができました。
融資が成功した理由として
①利用しやすい融資制度を申し込んだ
②融資を申し込むタイミングがよかった
③大型案件の受注が決まっていた
④ご両親からの協力があった
と言う点が挙げられます。
赤字の場合でも、融資を受けた後に売上が向上する見込みがある場合や、自己資金や余剰資金が十分にあり返済能力があると認められる場合には融資を受けて事業資金を調達することができます。
ご自身で融資を申し込む際に不安がある場合は、融資の専門家であるお近くの認定支援機関に一度ご相談してみてはいかがでしょうか?
認定支援機関に相談することで、融資などの資金調達や事業のアドバイス、融資資料作成のサポートなどをしてくれるので、安心して融資を申し込むことができます。