運転資金や設備資金など、事業資金を借り入れた人の中には、借入先となる日本政策金融公庫に返済中の人もいますよね。その際、まとまった資金を用意できたことにより、一括返済を希望している人もいるのではないでしょうか。
当記事では、日本政策金融公庫の一括返済の方法を解説します。融資残高を確認する方法から一括返済するときの流れを解説するため、まとまった資金が用意できたことにより、一括返済を希望している人は参考にしてみてください。
一括返済を希望する人は融資残高を確認する
一括返済を希望する場合、まずは融資残高を確認することになります。手元資金と融資残高を照らし合わせることにより、一括返済の可否を判断することができるため、一括返済を希望する人は融資残高を確認するところから始めてみましょう。
【融資残高の確認方法】
- 取引支店
- 支払明細書
- 専用サービス
融資残高の確認方法として挙げられるのは「取引支店」です。日本政策金融公庫の場合、取引支店の担当者から融資残高を聞くことができるため、日本政策金融公庫の取引支店に問い合わせることにより、融資残高を確認することができます。
また、融資残高の確認方法として挙げられるのは「専用サービス」です。日本政策金融公庫の場合、専用サービスの「日本公庫ダイレクト」から融資残高を確認することができるため、日本公庫ダイレクトにログインすることにより、融資残高を確認することができます。
なお、融資残高は日本政策金融公庫から定期的に郵送される支払明細書から確認することもできますが、最新の融資残高が記載されているとは限りません。最新の融資残高を確認したい人は取引支店や専用サービスから確認することを検討してみましょう。
手元資金が不足している人は一部繰り上げ返済が選択肢になる
融資残高を確認した結果、手元資金が不足していることも考えられます。その場合は一部繰り上げ返済が選択肢となるため、手元資金が不足している人は一括返済と一部繰り上げ返済の特徴を比較しつつ、一部繰り上げ返済に切り替えるかどうかを検討してみましょう。
【一括返済と一部繰り上げ返済の比較】
項目 | 一括返済 | 一部繰り上げ返済 |
---|---|---|
手元資金の減少額 | 一部繰り上げ返済よりも多い | 一括返済よりも少ない |
利息負担の軽減効果 | 一部繰り上げ返済よりも高い | 一括返済よりも低い |
たとえば、利息負担の軽減効果は一部繰り上げ返済よりも一括返済のほうが高くなります。一括返済は利息負担がなくなりますが、一部繰り上げ返済は利息負担が継続することになるため、一部繰り上げ返済に切り替える場合は利息負担の軽減効果が低くなります。
一方、手元資金の減少額は一括返済よりも一部繰り上げ返済のほうが少なくなります。一括返済はその分の手元資金が減少しますが、一部繰り上げ返済は返済額を調整することができるため、一部繰り上げ返済に切り替える場合は手元資金の減少額を少なくできます。
一括返済と一部繰り上げ返済を比較した場合、それぞれに特徴があります。一長一短の側面があるため、手元資金が不足している人はその前提を踏まえつつ、返済後の資金繰りを考えながら一部繰り上げ返済に切り替えるかどうかを検討してみましょう。
なお、日本政策金融公庫の繰り上げ返済に関する情報が知りたい人は「日本政策金融公庫の繰り上げ返済の方法を解説」を参考にしてみてください。
返済資金を用意した人は取引支店に連絡する
返済資金を用意した人は日本政策金融公庫の取引支店に連絡することになります。日本政策金融公庫の取引支店に連絡することにより、一括返済の手続きに関する指示を受けられるため、返済資金を用意した人は日本政策金融公庫の取引支店に連絡してみましょう。
【一括返済の流れ】
- 取引支店に連絡する
- 担当者の指示を受ける
- 振込先口座に振り込む
取引支店に連絡した後は担当者から指示を受けることになります。「希望返済額」や「希望返済日」など、必要となる情報を伝えつつ、手続きに関する指示を受けることになるため、取引支店に連絡した後は手続きに関する内容を確認することになります。
また、担当者の指示を受けた後は振込先口座に振り込むことになります。「口座種別」や「口座番号」など、必要となる情報を確認しつつ、振込先口座に振り込むことになるため、担当者の指示を受けた後は振込先口座に関する内容を確認することになります。
なお、中小企業事業の融資制度を利用した人は原則として一括返済できません。国民生活事業の融資制度を利用した人は一括返済できますが、中小企業事業の融資制度を利用した人は原則として一括返済できないため、気になる人は取引支店に確認してみましょう。
一括返済する場合は送金手数料が必要となる
一括返済する場合は送金手数料が必要になります。必要となる送金手数料は送金方法次第ですが、振込先口座に振り込むときは送金手数料を負担することになるため、一括返済を希望する人は送金手数料の目安を確認しておきましょう。
【送金手数料の目安】
送金方法 | 送金手数料の目安 |
---|---|
窓口 | 800円~1,000円 |
ATM | 300円~600円 |
インターネットバンキング | 150円~400円 |
窓口における送金手数料の目安は800円~1,000円です。その他の送金方法と比較した場合、窓口の送金手数料は高めですが、一度に送金できる限度額の設定も高めとなるため、振込金額が高額の人ならば、窓口から送金することを検討する余地があります。
また、ATMにおける送金手数料の目安は300円~600円です。その他の送金方法と比較した場合、ATMの送金手数料は低めですが、一度に送金できる限度額の設定も低めとなるため、振込金額が低額の人ならば、ATMから送金することを検討する余地があります。
なお、窓口から送金する場合、本人確認書類の提示を求められる可能性があります。「運転免許証」や「マイナンバーカード」など、本人確認書類の提示を求められる可能性があるため、窓口から送金予定の人は本人確認書類を用意しておきましょう。
団体信用生命保険の加入者は一括返済後に自動解約となる
団体信用生命保険に加入している場合、一括返済後は自動解約となります。団体信用生命保険は債務が弁済される保険となる関係上、完済と同時に自動解約されることになるため、一括返済を検討している団体信用生命保険の加入者は留意しておきましょう。
保障期間中に一括返済を実施した場合、未経過期間分の掛金は返金されます。団体信用生命保険の掛金は原則として年払いとなるため、一括返済を実施したことにより、未経過期間分の掛金があるときは未経過期間分の掛金が後日返金されることになります。
また、一括返済後に翌年分の掛金の口座振替が行われた場合も同様、翌年分の掛金は返金されます。返済日と振替日が近接しているときは口座振替が行われることがあるため、一括返済後に口座振替が行われたときは翌年分の掛金が後日返金されることになります。
団体信用生命保険の加入者は一括返済することにより、団体信用生命保険の掛金における支払負担がなくなります。完済と同時に自動解約されることになるため、一括返済を検討している団体信用生命保険の加入者は留意しておきましょう。
まとめ
一括返済を希望する場合、まずは融資残高を確認することになります。手元資金と融資残高を照らし合わせることにより、一括返済の可否を判断することができるため、一括返済を希望する人は融資残高を確認するところから始めてみましょう。
また、返済資金を用意した人は日本政策金融公庫の取引支店に連絡することになります。日本政策金融公庫の取引支店に連絡することにより、一括返済の手続きに関する指示を受けられるため、返済資金を用意した人は日本政策金融公庫の取引支店に連絡してみましょう。
なお、団体信用生命保険に加入している場合、一括返済後は自動解約となります。団体信用生命保険は債務が弁済される保険となる関係上、完済と同時に自動解約されることになるため、一括返済を検討している団体信用生命保険の加入者は留意しておきましょう。