創業時に無担保・無保証人、低金利で融資を受けられる制度が「中小企業経営力強化資金」です。
中小企業経営力強化資金は、日本政策金融公庫(以下、『公庫』と呼びます。)の制度ですが、他の制度とは大きく異なる点があります。
それは、利用時に認定支援機関という事業サポートの専門家を通して公庫に申し込む必要があるという点です。
今回は、中小企業経営力強化資金制度の利用方法、メリット・デメリットについて詳しく説明していきます。
1.中小企業経営力強化資金とは?
(1)中小企業経営力強化資金制度概要
中小企業経営力強化資金は認定支援機関の指導及び助言を受けることではじめて利用できる日本政策金融公庫の融資制度です。
そのため、事業者単独では利用することができません。
(2)経営課題を抱える事業者をサポートする認定支援機関
認定支援機関とは、中小企業のサポートを行うために国から認められた専門機関です。
認定支援機関には個人、法人を問わず一定以上のレベルの実務経験や専門知識を持つ中小企業支援機関が認定されます。
中小企業経営力強化資金制度を利用するには、金融関連の専門知識を持った認定支援機関の協力が必要です。
ただ、事業計画書などの書類作成を行う際にアドバイスを受けたり、作成を依頼したりといった通常の業務を依頼すればいいので、中小企業経営力強化資金制度を利用するために特別な作業や追加料金が発生するなどと行ったことはありません。
(3)中小企業経営力強化資金制度のメリット
メリット1 融資限度額が高くなる
中小企業経営力強化資金制度を使う最大のメリットは融資限度額が高くなることです。
創業時に利用できる新創業融資制度は、融資限度額が3,000万円(運転資金は1,500万円)となっていますが、中小企業経営力強化資金制度は7,200万円(うち運転資金4,800万円)と倍以上です。
そのため高額の融資が必要な場合は中小企業経営力強化資金制度の方が向いています。
メリット2 特別利率が適用できる
- 経営革新または異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む)を行おうとする方
- 自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方
- 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用している方または適用する予定である方
- 「当面6ヵ月程度の資金繰り予定表」及び「部門別収支状況表」を含んだ事業計画書を策定している方
の4つの条件を満たす場合は特別利率の適用をすることができます。
令和3年2月現在、基準利率は年利1.26~1.75%、特別利率は0.86~1.35と大きく下がるため、こちらも大きなメリットとなります。
(4)中小企業経営力強化資金制度のデメリット・注意点
中小企業経営力強化資金制度のデメリットとして、最も大きいのが報告義務です。
「策定した事業計画期間内において、年1回以上、事業計画進捗状況を公庫に報告すること」と定められているので、年一回は必ず報告をしなければなりません。
忘れてしまうと繰上償還となってしまう可能性もあるので注意しましょう。
また、認定支援機関の利用には多少なりとも手数料がかかる点も軽微ではあるもののデメリットといえます。
制度の詳細に関しては、こちらから直接お問い合わせください(相談無料)。

2.中小企業経営力強化資金制度の利用方法
1 | 認定支援機関に相談 |
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2 | 必要資料準備 |
3 | 資料を専門家に郵送 |
4 | 面談 |
5 | 日本政策金融公庫の担当者が現地調査 |
6 | 融資決定 |
7 | 公庫から送られてきた必要書類に記載して返信 |
8 | 借入額が着金 |
(1)認定支援機関に相談
認定支援機関に融資についての相談を行います。
この際、中小企業経営力強化資金制度を利用したいという意思を伝えておくとスムーズに話が進みやすくなります。
創業融資ガイドを運営する株式会社SoLaboも認定支援機関です。相談はWEB・電話どちらも無料です。中小企業経営力強化資金の利用を検討中の方や疑問がある方はSoLaboにご相談ください。
(2)必要書類作成
事業計画書、借入申込書、創業計画書といった必要書類を作成します。
認定支援機関が専門知識を使って的確にサポートしてくれるので、伝達ミスのないように作成していきましょう。
(3)必要資料準備
融資の審査に必要な資料を公庫へ郵送する準備をします。
設備投資見積書
履歴事項全部証明書 過去2年分の源泉徴収票または確定申告書 借入金がある場合は支払明細書 不動産の賃貸契約書 運転免許証のコピー 半年分の通帳コピー 印鑑 印鑑証明書 水道光熱費の支払い状況がわかる資料 保険や投資しているものがあればそれがわかる書類 |
基本的には書類作成のために使ったものをそのまま送ることになるので、過不足がないように確認をしておけば大丈夫です。
(4)資料を公庫に郵送
認定支援機関が作成した書類を公庫に郵送してくれます。
(5)面談
公庫の担当者との面談を行います。
融資をご希望の方の都合の良い時間帯を伺って、融資日程を確定します。
認定支援機関の協力を得ている場合は、この面談時が初めての日本政策金融公庫訪問です。
担当者や面談内容によって異なりますが、時間は30分から1時間半程度。
面談にはスーツで行く方が印象がいいので、スーツ着用をお勧めします。
この際、認定支援機関の専門家が同席してくれることもあるので、不安な場合は相談してみましょう。
(6)日本政策金融公庫の担当者が現地調査
開業予定地を日本政策金融公庫の担当者が調査し、提出した資料と照らし合わせて確認します。
(7)公庫から送られてきた必要書類に記載して返信
必要資料が郵送で送られてきます。 その資料に記載終了後、返信用封筒に資料を同封し、送ります。資料が公庫に到着後、3営業日後に着金となります。
記載内容に不備があると、書類が、戻ってしまい再提出となるため、融資実行までの時間が伸びてしまいますので、記載内容に不備がないかを注意しましょう。
※融資が確定後、日本政策金融公庫と、借入の契約を行います。この契約書を作成する際に、200円の収入印紙1枚と、1万円程度の収入印紙1枚が必要になります。
1万円程度と記載した部分は借入金額によって、異なりますので、国税庁のサイトをご参照ください。
(8)融資決定・借入額着金
指定した口座に着金されます。
この際、ネットバンキングには、着金することができません。
もし、ネットバンキングしかお持ちでない方は、ネットバンキング以外の口座を作成しておきましょう。
まとめ
中小企業経営力強化資金は創業時から利用でき、無担保かつ保証人なしでも、最大1,000万円までの借入ができるため、事業主の方が融資を受けるのにおすすめの制度です。
中小企業経営力強化資金を利用するには、認定支援機関のサポートを受けて資料作成を行う必要があります。弊社株式会社SoLabo(ソラボ)を利用していただければ、書類作成のサポートや公庫の担当者とのやり取りの代行もさせていただきます。
相談は無料でできますので、中小企業経営力強化資金についてもっと詳しく知りたい方や、公庫からの融資をお考えの方は、まずご相談ください。