女性、若者/シニア起業家支援資金とは

女性、若者/シニア起業家支援資金とは
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

長期間の会社員勤め経験のある団塊の世代の方で、定年退職後にどのような仕事をしようか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、再雇用やパートという形で就職する選択肢もありますが、それまでの経験を生かして起業するという方法も選択肢のひとつとして考えられます。また、子育て経験からのママ視点を持つ主婦の起業家も注目されています。

今回の記事では、女性・若者・シニア・主婦(主夫)の方が起業する際に申込できる、日本政策金融公庫の制度「女性、若者/シニア起業家支援資金」を紹介します。

1.女性、若者/シニア起業家支援資金とは

日本政策金融公庫には、複数の融資制度が存在します。利用対象者の属性や融資限度額も制度によって異なります。下表に、代表的な制度をまとめました。今回は、「女性、若者/シニア起業家支援資金」に絞って解説していきます。

なお、「女性、若者/シニア起業家支援資金」はこの名称から返済不要のお金と思われる方もいるかもしれませんが、融資制度のひとつですので、元本の返済と利息の支払い義務が発生する点にご注意ください。

女性、若者/シニア起業家支援資金とは

①対象年齢

女性、若者/シニア起業家支援資金の特徴として、他の融資にはない年齢制限があります。対象年齢は35歳未満までの方と、55歳以上の方に設定されています。つまり、35~54歳までの方は、この融資制度の利用対象外となる点に注意しましょう。

また、事業開始後おおむね7年以内の女性の方も対象となります。

②融資限度額

融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)に設定されています。

返済能力により融資額を決定するため、実際には300万円~1,000万円の間で融資を受けることが多い傾向です。

③金利

金利は、日本政策金融公庫の特別利率Aが該当し、実質年率1.66~2.05%です(令和3年8月2日現在)。

但し、「地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方」、「地方創生推進交付金を活用した起業支援金及び移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方」など、一定の要件を満たす方の場合、特別利率Aよりも低い金利が適用されます。詳しくは、日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金の概要」を確認の上、日本政策金融公庫に問い合わせましょう。

④運転資金の据置期間

女性、若者/ シニア起業家支援資金の据置期間は、設備資金に関しては2年間ですが運転資金に関しては1年です。例えば、あなたが日本政策金融公庫から500万円を金利2%で借りるとしましょう。500万円×2%=10万円の利子ですね。最初の1年間に支払うのは10万円以内でよいのですが、2年目以降は元本も返済する必要があります。

但し、制度上「設備資金では、据置期間が最長2年」、「運転資金では、据置期間が最長1年」と設定されていますが、最長の据置期間を設定できることは実際にはほとんどないようです。そのため、据置期間は半年程度であることを前提に将来の事業計画を作成するのが良いでしょう。

⑤着金までにかかる時間

日本政策金融公庫で融資を受ける場合、一般的に「申込み→面談(約1週間後)→融資が出来るかの決定通知→面談から2週間程度→契約書記入→着金」という流れで進みます。着金までにかかる時間の目安は一か月です。

日本政策金融公庫では、1か月~1か月半程度で融資を受けられますが、信用金庫などの民間の金融機関で初めて融資を受ける場合には、2か月~3か月程度借りるまでに時間がかかるので、民間の金融機関に比べると日本政策金融公庫は借りるまでの時間が短いです。

⑦通年実績は問われないが、自己資金の準備は必要

女性、若者/シニア起業家支援資金では、過去の実績は特に問われませんが、どこから収入を得ることができるのかという事は問われます。

独立する方であれば今後の集客の見込み数字が提示できる資料を要するのが良いでしょう。

その他には、起業へのホンキ度を見るために資本金の1/10程度の自己資金は必要です。100万円は頑張れば主婦でも若者でも1年で必ず稼げるお金ですので、起業したい方は必ず自己資金は用意しましょう。

⑧担保と保証人の有無

女性、若者/ シニア起業家支援資金は、無担保または保証人なしという条件でも融資を受けられます。

3.向いている業種

女性、若者/シニア起業家支援資金とは

女性、若者/シニア起業家支援資金を利用して起業する方の例として、趣味を生かしたネイルサロンやフラワーアレンジメント、特技を生かした英会話講師やヨガ講師、そして経験を生かしたWebデザインやIT系コンサルティング業務を行っている方が挙げられます。

次に35代未満の若者の起業についてです。

実は、女性・主婦・若者・シニア層の中で近年一番成功率が高いのが若者と言われています。若者世代はITとの親和性が非常に高く、中年層以降が取り込むのに苦労するスキルも難なく早期にクリアできます。このため、アプリ開発や新型ITサービス業界が向いていると言えるでしょう。

シニアの起業は、自分の趣味を生かすのか、それとも長年の経験値がある業種を選ぶのか悩むところです。融資の審査が通りやすいのは、それまでに経験を積んできた業種・業界に関連した起業でしょう。また、シニア世代は人生経験も長いので趣味一つとってもプロレベルの方も多いです。例えば、カメラや鉄道といった長年の趣味を企業のテーマに設定するのも選択肢のひとつです。

まとめ

女性または35歳未満か55歳以上の方であって、 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方であれば、若者/シニア起業家支援資金に申し込むことができます。新たなチャレンジに取り組み、今後の仕事を充実させていきたいという方は一度検討してみてはいかがでしょうか。

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