創業融資なら日本政策金融公庫か信用保証協会の制度融資のどちらが良い?

創業融資なら日本政策金融公庫か信用保証協会の制度融資のどちらが良い?
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

創業融資はこれからビジネスを始める方にとって非常に大切な問題です。なぜかというと、業種を問わず起業して1年以内に60%以上の会社や店が廃業するからです。この多くの理由は実は「運転資金がなくなったから」です。創業融資で資金調達しておけば、防げる廃業だったかもしれません。

では、その創業融資において2大公的機関である日本政策金融公庫の創業融資と信用保証協会の制度融資、どちらの方が起業家にメリットがあるのでしょうか?

1.日本政策金融公庫の創業融資と信用保証協会の制度融資、共通点は?

2つの融資を比較する上で、共通点を把握していればよりスムーズに違いが理解できます。

①低金利

多くの方が消費者金融やクレジットカード会社のビジネスローンではなく公的な融資を望むのはなぜか?その理由は、ズバリこの低金利です。

  日本政策金融公庫 信用保証協会
基準利率

 

2.06~2.65%

(H30/8/24現在)

0.7%以下※1.4%は区が負担

(新宿区の場合)

日本政策金融公庫では現在(2018年8月)2%台、信用保証協会経由の制度融資では1%~2%前後の金利です。返済期間や借入額で金利は変化しますが、金利に関しては日本政策金融公庫と制度融資の間で大きな差はないと考えてよいでしょう。

ビジネスローンの場合は8%前後、キャッシングやリボの場合は14%前後の金利です。事業用のお金なので、どんなに低い額でも200万円~300万円は借りますよね。そのため、金利が5%以上も違うと返済するお金は何万円~何十万円も高額になり後から大変になります。

②実績のない起業家でも審査に通る可能性が高い

個人がクレジットカードを持つ場合、仕事をしているか、携帯代を延滞していないかなどの与信調査を行いカード発行の決定をします。

これから創業するのでお金を貸してほしいという創業融資の場合、代表者の与信調査はもちろん行いますが、既に会社を退職している場合も多々あります。そこで、自己資金やこれまでの職歴などに加え、創業計画書という事業計画をどれだけ現実的に立てているのか、という点で審査を行います。

創業融資なら日本政策金融公庫か信用保証協会の制度融資のどちらが良い?

ビジネスローンやクレジットカードの場合、創業計画書の提出はせずに個人の与信のみで判断するため、金利が高めになっています。また、大手銀行などは最初から実績のない起業家に多額の資金を融資してくれることはありません。しかし、日本政策金融公庫と信用保証協会の制度融資の場合は、創業計画書や自己資金などの所定の条件を満たせば、実績のない起業家でも融資を受けられるチャンスがあります。

2.日本政策金融公庫の創業融資と信用保証協会の制度融資、2つの融資を比較しよう

①貸付期間

融資をする上で気になるのは返済期間です。日本政策金融公庫と制度融資の場合、利子のみを払えばいいよ、という据置期間が設けられています。

  日本政策金融公庫 信用保証協会※東京都の場合
貸付期間 設備資金:10年以内

(うち2年は据置期間)

運転資金:7年以内

(うち1年以内が据置期間)

設備資金:10年以内

(うち1年は据置期間)

運転資金:7年以内

(うち1年以内が据置期間)

創業したては安定した経営が難しいため、据置期間があるのは安心です。東京都の場合、設備資金の据置期間が1年少ないようですね。貸付期間全体では、あまり違いは見られません。

ちなみに、貸付期間は短いほど金利も低くなります。返済額を安くしたい人は返済期間も短めに設定しています。

②事業内容と住所の制限

日本政策金融公庫も制度融資も、公的機関を通じる融資です。そのため、以下のような事業をする場合は審査をしてくれません。

  日本政策金融公庫 信用保証協会※東京都の場合
事業内容の制限 金融、投機的事業、風俗関連営業、マルチなどは不可 農林水産業、狩猟業、金融・保険業・風俗関連業、ネット配信業で性風俗に関するもの、パチンコ、スロット、競馬など、集金業・取立業、学校法人が経営する学校、LLP、宗教・政治・経済・文化団体その他の非営利事業
住所の制限 本社住所がバーチャルオフィスの場合、そこで設備を整え経営実態があるかの調査がある 本社住所がバーチャルオフィスの場合、そこで設備を整え経営実態があるかの調査がある

また、最近の傾向としてバーチャルオフィスを契約して自宅で開業するというパターンです。これに関しては、基本NGです。実際にそこで業務をしている認められるかが審査のポイントで、稀にOKの場合もあるようです。

③担保・保証人

日本政策金融公庫は無利息・無担保を売りにしている創業融資を行っています。そのため、担保・保証人は必要ありません。信用保証協会付けの制度融資の場合は、借入額が8,000万円以下の場合は無担保もOKです。

  日本政策金融公庫 信用保証協会※東京都の場合
担保・保証人 無担保・無保証でOK 8,000万円以下は無担保OK

但し、以下の利率の保証料が必要

しかし、こちらの方は日本政策金融公庫ほど担保・保証人について「なくていいよ~」というスタンスではありません。担保・保証人ありの場合の利率も掲載されています。

④責任共有制度とは?

信用保証協会の制度融資を利用するには、以下の利率での信用保証料を協会に支払わなければいけません。

【責任共有制度の対象となる場合】

区分(残高を含む合計額)   信用保証率
500万以下 0.27%~1.19%
1,000万以下 0.33%~1.33%
1,000万円超 有担保 0.35%~1.39%
無担保 0.45%~1.49%

責任共有制度とは、信用保証協会と銀行が責任共有することで銀行が貸し手として責任ある融資を行うという制度です。と言われてもイマイチ分からないですよね。お金を借りる起業家が返済できなくなった際、これまでは信用保証協会が100%その肩代わりをしていました。

創業融資なら日本政策金融公庫か信用保証協会の制度融資のどちらが良い?

しかし、それでは銀行は責任がないのではないかと疑問視する声が上がり、銀行についても貸し倒れリスクを負担する制度=責任共有制度が生まれたのです。審査でこの制度の対象外となる場合は、上記より若干金利は高くなります。

⑤制度融資は自治体×金融機関の組み合わせ次第で金利は変わる

ちなみに、制度融資とは自治体×金融機関の組み合わせのことですので、組み合わせは下記のように様々あります。

【制度融資の組み合わせ一例】

  • 新宿区×みずほ銀行
  • さいたま市×きらやか銀行
  • 北区×城北信用金庫

信用保証協会を通じた制度融資は、地域や金融機関により金利が変わります。これに対し、日本政策金融公庫の場合は日本政策金融公庫がお金を借りたい事業主を審査して日本政策金融公庫がお金を貸します。そのため、基本的にホームページで随時更新されている金利をベースにあなたの借りたい額や創業計画をみて最終的な金利が決められます。

⑥代表者の連帯保証

  日本政策金融公庫 信用保証協会
代表者の連帯保証 原則不要 必要なし

※代わりに信用保証料が必要

日本政策金融公庫の場合、原則無担保・無保証人ですので代表者に関しても連帯保証人になる必要はありません。(希望でなることも可能です)信用保証協会の場合、保証料を支払いますので追加の連帯保証は必要ありません。

⑦勤務経験

  日本政策金融公庫 信用保証協会
開業予定の業種の勤務経験 同業種に6年以上 規定なし

※代わりに信用保証料が必要

例えば、ラーメン屋として未経験の方と経験者の方にお金を貸す場合、経験者に貸したいと思うのが普通のお金の貸し手です。信用保証協会の規約には業界経験については明記されていません。

この理由として、信用保証協会では商工会議所やその他創業塾のような第三機関と提携している場合が多く、事業主は彼らのアドバイスや研修を受けなくてはいけないからです。信用保証協会の審査項目には業界経験はありませんが、提携している機関において業界経験を問われる可能性は大いにあります。

⑧手続きの煩雑さ

  日本政策金融公庫 信用保証協会
手続き 【自分】

・日本政策金融公庫へ電話

・創業計画書、借入申込書、損益計算書などの書類を作成

・不動産の契約書、通帳コピーなどの書類を準備

・面談

【認定支援機関を経由する場合】

・認定支援機関へ相談の電話

・認定支援機関の担当者から指示された書類を準備

・認定支援機関担当者と打ち合わせ

・日本政策金融公庫と面談

【自分】

・利用する制度融資の制度と申し込みをする金融機関を決定する

・地方自治体で紹介畳をもらう

・金融機関の指定する書類を作成、準備

・信用保証協会へ保証の申し込み

・信用保証協会へ保証料を支払う

・信用保証協会の審査・面談

・金融機関の審査

日本政策金融公庫は単独での融資となりますので、信用保証協会を通す制度融資よりも手続きがシンプルです。また、日本政策金融公庫では「認定支援機関」という経済産業省の認定した機関(当サイトや他の任意された税理士事務所などのこと)を通すと、申請書類を代行して作成してくれたり融資の面談に同行してくれたりします。

まとめ

日本政策金融公庫と制度融資は、よく比較される創業融資です。手続きの簡便さや金利などを比べると細かい違いがあります。是非、あなたに合った創業融資を選択してください。

 

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