信用保証協会の審査でみられる5つのポイントと期間や必要書類

信用保証協会の審査でみられる5つのポイントと期間や必要書類
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

信用保証協会の保証付き融資を受けるには、信用保証協会による審査に通過しなければなりません。

しかし、信用保証協会の審査は銀行や信用金庫の審査とはどう違うのか、わからない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、信用保証協会の審査の特徴や必要書類、審査のポイントについて解説します。

目次

1.信用保証協会の保証付き融資の特徴

(1)利用条件

信用保証協会が金融機関に対して、中小企業・小規模事業者の債務を保証することを「信用保証制度」といい、「信用保証制度」によって信用保証協会が保証している融資を「保証付き融資」と呼びます。

あくまで中小企業や小規模事業者向けで、支援できる範囲には限りがあるため、信用保証制度には企業規模や業種などによる利用条件が定められています。

①業種と企業規模

業種資本金従業員数
製造業等資本金3億円以下従業員300人以下

(小規模事業者20人以下)

ゴム製品製造業資本金3億円以下従業員900人以下

(小規模事業者20人以下)

卸売業資本金1億円以下従業員100人以下

(小規模事業者5人以下)

小売業・飲食業資本金5000万円以下従業員50人以下

(小規模事業者5人以下)

サービス業資本金5000万円以下従業員100人以下

(小規模事業者5人以下)

情報処理サービス業資本金3億円以下従業員300人以下

(小規模事業者20人以下)

ソフトウェア業資本金3億円以下従業員300人以下

(小規模事業者20人以下)

旅館業資本金5000万円以下従業員200人以下

(小規模事業者20人以下)

医業を主たる事業とする法人なし従業員300人以下

②区域・業歴

事業を行っている区域や業歴にも条件があります。

各信用保証協会は管轄区域が決まっているので、その管轄区域内で事業を営んでいる事業者しか信用保証に申し込みをすることができません。

そのため、申込先の信用保証協会が管轄する都道府県(市)において事業実態があることが条件です。

また、保証を行う信用保証協会ごとに年数などの条件は違いますが、ただ事業を行っていればいいのではなく、信用保証協会の管轄内で事業を行っている経過年数が1~2年以上に設定されている場合も多いので、確認しておきましょう。

(2)信用保証が付く

信用保証協会を通しての融資では「信用保証制度」が利用できます。

「信用保証」とは万が一返済が滞った場合に、借主に代わって保証協会が金融機関に立て替え払い(代位弁済)を行うことです。

信用力が乏しい(金融機関との取引が浅い)中小企業・小規模事業者が金融機関から事業資金を調達する際に、信用保証協会が保証人となることで融資を受けやすくなる効果もあります。

代位弁済は一時的に立て替えてくれる制度なので、信用保証協会に対して代理弁済分を返済する義務があり、債務がなくなるわけではありません。

なお、代位弁済は全額ではなく、基本的には80%保証で残り20%は金融機関が負担します。

以前は100%信用保証協会が負担していましたが、金融機関にリスクがないため貸し倒れが発生しやすかったため「責任共有制度」という現在の形になりました。

「責任共有制度」には、負担方式により80%を代位弁済するのみで残りを金融機関が負担する「部分保証方式」と100%代位弁済を行い、その後20%分を金融機関からの負担金支払いを補充する「負担金方式」の2種類があります。

また、信用保証協会が保証してくれる保証額は無制限ではなく、上限があります。

通常の保証では無担保8000万円、普通保証2億円(組合の場合は4億円)が条件となっていて、合計で2億8000万円(組合の場合4億8000万円)が上限です。

この保証限度額は通常保証に適用される額で、危機関連保証やセーフティネット保証といった別枠保証に設定されている制度を利用する場合は、この2億8000万円には含まれません。

(3)融資が受けやすくなる

信用保証は先述の通り、金融機関にとって貸し倒れのリスクが減り、また信用保証協会の審査を通過しているために信用度が高くなるため、保証付き融資を行う金融機関からの審査は信用保証協会なしの場合(いわゆるプロパー融資)と比べて通りやすくなります。

ただし、すでに一定の取引実績がある金融機関の場合、良好な関係が構築できていることでプロパー融資の方が融資を受けやすい場合もあるので、金融機関との取引が浅い事業者の方がこの点では恩恵が大きくなることは覚えておきましょう。

(4)8000万円以下の場合担保が不要

融資額が8000万円以下の無担保保証範囲に収まっている場合、保証付き融資を受ける際に担保は必要ありません。

ただし、あえて担保を入れて融資を受けやすい契約にすることも可能です。

また、借主の信用情報に傷がある場合など、例外的に担保を必要とする場合もあります。

(5)保証人、法人代表者以外の連帯保証人が不要

信用保証協会の保証付き融資では、法人代表者が連帯保証人となる必要がありますが、原則として保証人はいりません。

個人事業主の場合は連帯保証人も原則不要です。

ただし、こちらも信用情報に傷があるなどの場合には法人代表者以外の連帯保証人が必要となる場合があります。

(6)併用できる融資制度の種類が多い

信用保証協会の保証付き融資が対応している融資制度は多く、自治体の制度融資や国の制度融資といった制度融資では必須となっている他、銀行や信用金庫などにも対応する融資制度があるため、非常に広い範囲の融資時に使うことができます。

2.信用保証協会の審査の流れ

信用保証協会の審査には、信用保証協会に申し込みをする方法によって少し流れが変わります。

(1)信用保証協会に直接申し込む場合

①信用保証協会に信用保証を申請する

信用保証協会に直接信用保証の申し込みを行う場合は、まず自分の事業所がある地域の管轄の信用保証協会に、信用保証を申請します。

②信用保証協会の審査

信用保証協会が信用保証をするに値する依頼者かどうか、審査を行います。

③信用保証協会から金融機関の融資あっせん

信用保証協会の審査を通過すると、信用保証協会から目的に合った金融機関の融資制度をあっせんしてもらいます。

④金融機関の融資審査

直接融資を行う金融機関が融資の審査を行います。

⑤融資実行

審査が終わると融資が実行されます。

(2)金融機関を通して信用保証協会に申し込む場合

①金融機関に融資を申請する

使用したい融資を行っている金融機関に融資の申請を行います。

②金融機関の審査

金融機関が融資を行うための審査を行います。

③信用保証協会に保証依頼

金融機関を通して信用保証協会に保証の依頼を依頼します。

信用保証協会への連絡は金融機関が行ってくれるので、信用保証協会に直接連絡を取る必要はありません。

④信用保証協会の審査

信用保証協会が信用保証を行うに際して審査を行います。

⑤信用保証協会が保証承諾

信用保証協会の審査を無事通過すると、保証を承諾したとの連絡が金融機関に入り、先の段階に進むことができます。

⑥融資実行

金融機関での処理が終了すると、融資が実行されます。

3.信用保証協会の審査期間

信用保証協会の審査にかかる期間は1週間前後です。

それに加えて融資を行う金融機関の審査や多くの書類の処理などに時間がかかるため、融資の実行までには総合して1~2か月程度の時間を要します。

4.信用保証協会の審査の必要書類

信用保証協会の審査に必要となる書類は以下の表の通りです。

ただし、自治体によってはこれ以外に必要な書類があったり、専用フォーマットの別書類になることもあるため、まずは管轄の信用保証協会に問い合わせて確認を取るのがいいでしょう。

(1)信用保証委託申込書(保証人等明細)利用する信用保証協会のホームページでダウンロード
(2)申込人(企業)概要
(3)信用保証依頼書
(4)信用保証委託契約書
(5)個人情報の取扱いに関する同意書
(6)確定申告書(決算書)自分で作成したもののコピーを取って用意しておく
(7)商業登記簿謄本管轄の法務局に申請することで取得
(8)印鑑証明書役所で発行してもらえる

または自治体によってはコンビニ交付を利用してコンビニで発行可能

5.信用保証協会の審査のポイント

(1)保証資格の条件を満たしているか

上記の特徴の項目にも書いた通り、利用条件を満たしていることが大前提となります。

利用条件を満たさない場合は信用保証協会の審査を受けても通りません。

(2)資金使途が明確か

資金使途が明確であることも重要なポイントです。

事前に融資された資金をどう使うのかがわからないと、それが有効な使い道かそうでないかの判断ができません。

融資によって成長し、返済ができる見通しがありますよ、ということをアピールする必要があります。

具体的には事業計画書で借入目的・必要性・効果などを明確に提示することで、見通しが明るいことをアピールするのが重要です。

生活費や住宅購入資金・投機のための資金等は対象外になるため、事業経営に必要な資金(運転資金および設備資金)であることを証明するためにも、事業計画書は明確に資金使途を書いて提出しましょう。

また設備資金の場合、見積書または契約書の写しが必要になります。

(3)会社の業績

会社の業績が上向いていて、増収、増益できていれば印象がよくなります。

基本的には直近3期分の決算書、または確定申告書を見られるため、その期間の業績が伸びていれば審査が通りやすくなるのです。

とはいえ、その期間内に業績が下がっていても、審査を通過できないわけではありません。

赤字であっても、赤字の要因や今後の対応策(経費削減など)を説明できれば審査を通過できる可能性があります。

今後の推移を予測するための事業計画も重要です。

融資を受けることで改善できると判断してもらえれば審査に通る確率が上がりますので、融資を受けることでこれから業績が上がるということをしっかりアピールしていきましょう。

(4)無理のない返済が可能か

金額と返済期間、金利等と収益のバランスがきちんと考えられているかという点も重要なポイントです。

こちらも事業計画書で計画がしっかり立てられていると通りやすくなるので、事業計画書にしっかりと返済計画も記しておきましょう。

(5)経営者自身が信用に足るか

経営者としての資質も審査のポイントです。

提出する書類や面談を通して、事業への熱意や信頼できる人物であるかを判断します。担当者からの質問に対して、どういった意図で質問されているかを考慮し論理的に受け答えをするように心掛けましょう。

他にも、信用保証協会によっては経営者個人の信用情報(クレジットやローンなどの申し込みや契約内容に関する情報)も審査のポイントとなる場合があります。

過去にクレジットカードの支払やローンの返済に複数回の遅れがあったり、そもそも返済できていない債務があったりすると、融資を受けるのはかなり厳しいでしょう。

提示した情報に嘘がないことも当然重要で、もし嘘が発覚した場合、信用できない人間だと判断されてしまうので融資を受けることができなくなってしまいます。

また、創業であれば自己資金をコツコツ貯められていることを通帳の履歴から見て取れると計画性が確認できるので、印象がかなり良く、信用できる人間であると判断されやすくなるため、通帳には毎月貯金をしておくといいでしょう。

6.信用保証協会の審査に落ちてしまう理由

(1)そもそも対象にならない業種の場合

信用保証協会が支援するのは難しいと判断した業態の場合は信用保証制度の対象とならないため、信用保証を利用することができず、審査を受けても落ちることになります。

具体的には次のような業種です。

  • 反社会的勢力
  • 農林・漁業
  • 風営法第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業
  • 金融業
  • 学校法人
  • 宗教法人
  • 非営利団体(NPO法人を除く)
  • LLP(有限責任事業組合) 等

(2)信用保証協会に代位弁済の保証債務が残っている場合

信用保証協会の代位弁済先で、信用保証協会に求償債務が残っている方、信用保証協会に対して求償権の保証人として保証債務を負っている方は、審査に通ることができません。

たとえ債務を完済したとしても、一度代位弁済先になってしまった時点でよっぽどのことがない限り、基本的にはその後の保証協会付き融資を受けられる可能性はなくなってしまうので、代位弁済にならないように返済を行いましょう。

(3)銀行取引停止処分を受けている場合

手形交換所または電子債権記録機関で銀行取引停止処分を受けている場合にも利用することができません。

また、法人の代表者個人が手形交換所または電子債権記録機関で銀行取引停止処分を受けている場合も、保証を利用することができません。

(4)破産、民事再生、会社更生等法的手続中の場合

破産、民事再生、会社更生等法的手続中の方(申立中の方を含む)または内整理等私的整理手続中の方は利用することができません。

簡単に言ってしまえば返済の見込みが低いため信用保証の利用対象となることができないのです。

(5)休眠会社として解散したものとみなされている場合

最後の登記後12年以上経過した株式会社で、新会社法第472条の規定により休眠会社として認定されます。

その後2か月以内に事業を廃止していないことを示す届出を出さなかった場合は、解散したものとみなされてしまうのです。

この場合、法人として機能していないとみなされるため信用保証を利用することができません。

(6)債務不履行や税金の滞納といった信用度が低い場合

以前に受けた融資で債務不履行をしているなどといった信用度が低い方は利用することができません。

具体的には信用保証協会の保証付き融資または金融機関固有の融資について延滞等の債務不履行がある方、確定申告をしていない方、事業実態・内容、資金使途、返済能力等を判断する資料の提示がない方、粉飾決算や融通手形操作を行っている方、税金を滞納し完納の見通しが見込めない方といった方が該当します。

税金の支払い状況は「納税証明書」を提出することによって審査されます。

7.信用保証協会の審査を通るコツ

(1)審査申込の書類でアピールをする

審査を申し込む書類には、必須事項も多いですが、比較的各内容が自由な部分も多くあります。

この比較的自由に書ける部分にしっかりと自社の情報を詰め込むことで、審査をする信用保証協会の方に情報を伝わりやすくする方が有利です。

審査申込書にある企業概要欄は特に力を入れ、今の業績、改善のための施策等も具体的に書いておくことができれば、信用保証協会の担当者も信用してくれやすいのでいいアピールになります。

(2)事業計画書をしっかり作る

次に重要なのが事業計画書です。

事業計画書はどういった理由や資金使途で融資を受けたいのか、融資を受けることで事業にどういった影響が出るのか、これからの事業はどう上向いていくのか、といった内容をしっかり書いてアピールしましょう。

資金使途、必要金額、融資希望額を明確に書き、返済に必要な期間と金利などを考慮した実現性の高い返済計画を立てている、ということもしっかり書いておくと〇です。

(3)認定支援機関にサポートをお願いする

融資に強い認定支援機関にサポートをお願いすると審査に通りやすくなります。

融資の面接や書類作成のノウハウを教えてもらえるだけでなく、認定支援機関と金融機関にはつながりがあるので、認定支援機関を通すだけで信頼度が上がるということもあるためです。

書類作成も手伝ってもらえる、または認定支援機関によっては書類作成をお任せすることもできるので、作業も非常に楽になります。

まとめ

信用保証協会の審査を通過するには事業の状態や信用情報を高めて、しっかりとした書類づくりで信頼できる企業であることをアピールすることが大切です。

創業融資ガイドを運営している株式会社Solaboは、融資のサポート、相談を行っている認定支援機関です。

信用保証協会を利用した融資を考えている場合は、是非一度ご相談ください。

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