銀行や信用金庫などの金融機関に融資の相談をした際、信用保証協会の保証を受けることを提案された人もいるでしょう。全国信用保証協会連合会の公式サイトにある「初めての融資と信用保証」によると、日本の全中小企業および小規模事業者のうち、33.0%が信用保証協会を利用していることが分かっています。
当記事では、信用保証協会をわかりやすく解説します。信用保証協会の具体的な業務や所在地や、利用するうえでのメリットや留意点も解説するので、信用保証協会の利用を考えている人は参考にしてみてください。
目次
信用保証協会は中小企業等の資金調達を円滑にするために設立された公的機関
信用保証協会は、中小企業や小規模事業者の資金調達を円滑にすることを目的とする公的機関です。信用保証協会法(昭和28年8月10日法律第196号)に基づき設立され、現在は全国47都道府県の各地域に信用保証協会が所在しています。
わかりやすく言えば、信用保証協会は中小企業や小規模事業者が金融機関から事業資金を調達する際、自らが公的な保証人になって融資を受けやすくなるようサポートする役割を担っています。
ただし、信用保証協会は無償で保証をしてくれるわけではありません。信用保証協会から保証を受ける際、事業者は信用保証協会に対して、保証を受ける見返りとして信用保証料を支払う必要があります。 万が一、事業者が借入金を返済できなくなった場合には、信用保証協会が事業者に代わって金融機関へ借入金を弁済してくれます。 これから金融機関に申込み、融資を受けようと考えている人は、信用保証協会から保証を受ける手段もあると覚えておくとよいでしょう。
信用保証協会の信用保証制度を利用する際には、申込者の自己資金や信用情報などから審査が行われます。当サイトの無料診断を活用すれば、自己資金や信用情報、経歴等から信用保証付き融資の審査に通りそうか診断ができますので、申し込みを検討している人はご利用ください。
信用保証協会の業務は債務を保証すること
信用保証協会法の第二章第二十条によると、信用保証協会の業務のひとつは、債務を保証することです。「債務の保証」とは、お金を借りた人(債務者)が返済できなかった場合、保証人が返済の義務を果たすと保証することをいいます。
創業時は事業実績が乏しく、予定通り返済できるかを確認するための判断材料が不足しているので、金融機関側は融資実行の判断をしにくい傾向があります。信用保証協会の保証を受けることで、万が一返済できなくなった場合でも、信用保証協会に返済を肩代わりしてもらえます。
公的機関である信用保証協会が事業者の債務を保証する仕組みは「信用保証制度」と呼ばれており、信用保証制度は地域ごとに異なる場合があります。 創業間もない中小企業や小規模事業者は、信用保証制度の利用を検討してみるのも選択肢のひとつになるでしょう。
信用保証協会は47都道府県と4市にある
信用保証協会は全国47都道府県に1か所ずつと、横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市の4市にあります。最寄りの信用保証協会は、全国信用保証協会連合会の公式サイトにある「お近くの信用保証協会」から探すことができるので、信用保証協会の窓口で相談したい人は調べてみましょう。
信用保証協会では、全国の中小企業や小規模事業者を支援するための各種セミナーも行っており、全国信用保証協会連合会の公式サイトにある「セミナー・イベント」から創業支援や経営支援などに関するセミナーやイベントを探すことができます。
信用保証協会を利用するかどうかは問われず、創業や経営に関するノウハウ提供や相談会の実施も行っているので、これから創業を考えている人は参加してみるのもよいでしょう。
信用保証協会を利用する際は借入先の金融機関に相談する
信用保証協会を利用する場合、借入先の金融機関を経由して信用保証制度に申し込むか、信用保証協会に直接申し込むかの2パターンが考えられます。その際、信用保証協会側の窓口が異なる可能性があるので、金融機関に相談すると覚えておきましょう。
金融機関経由の場合、融資に関する申込手続きに加え、信用保証の申込手続きを行います。金融機関側は信用保証委託申込書と信用保証依頼書を信用保証協会に提出するので、その後は信用保証協会での保証に関する審査も行われます。
信用保証協会を利用する際の流れは「信用保証協会の審査期間と審査結果を解説」で解説しているので、利用を検討している人はあわせて確認してみてください。
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信用保証協会を利用するメリット
信用保証協会を利用するメリットは、金融機関が単独で行うプロパー融資と比較して資金調達の選択肢が広がることです。企業と金融機関の間に信用保証教会が入ることで、金融機関側の貸し倒れリスクが軽減され、自社の信用力だけで審査を受けるよりも柔軟な条件で借り入れの相談がしやすくなるためです。
【信用保証協会を利用するメリット】
| メリット | 概要 |
| 実績が乏しくても融資を受けやすくなる | 公的な機関が信用力を補完するため、創業期や赤字でも資金調達の可能性が広がる。 |
| 担保や第三者の連帯保証人が原則不要 | 第三者の保証人が原則不要な上、要件を満たせば経営者本人の連帯保証を外すことも可能。 |
| 長期の借入により月々の負担を抑えられる | プロパー融資よりも返済期間を長く設定しやすく、据置期間の活用などで資金繰りが安定する。 |
信用保証協会を通すことで、設立直後で実績が乏しい企業や一時的に業績が落ち込んでいる企業であっても、融資の相談に乗ってもらいやすくなります。また、不動産などの担保が用意できない場合でも利用できる制度が整っている点も特徴です。
このように、信用力を補完してもらうことで、無理のない資金調達や返済計画を立てることが可能です。とくに創業期の企業や、初めて金融機関から融資を受ける企業にとって、信用保証協会は検討すべき選択肢となるでしょう。
実績が乏しくても金融機関から融資を受けやすくなる
信用保証協会を利用することで、事業実績が少ない企業でも金融機関からの融資を受けやすくなります。信用保証協会が公的な保証人として企業の信用力を補完し、金融機関側の貸し倒れリスクを軽減するためです。
【事業実績が少なくとも融資を受けやすくなる理由】
| 項目 | 概要 |
| 信用力の補完 | 公的な機関が保証人となることで、金融機関が融資を実行しやすくなる。 |
| 創業期や赤字での資金調達 | プロパー融資が難しい状況でも、審査に通る可能性が広がる。 |
| 金融機関との関係構築 | 初回の融資を通じて取引実績ができ、将来的なプロパー融資への足がかりになる。 |
たとえば、設立間もない企業や一時的に業績が悪化している企業は、自社の信用力だけでプロパー融資を受けるのは困難です。しかし、信用保証協会のサポートがあれば、これらの状況でも資金調達の相談が可能になり、事業を継続するための資金を確保しやすくなります。
また、信用保証協会の利用は単なる資金調達だけでなく、金融機関との関係構築の手段としても有効です。実績に不安がある場合は、まずは信用保証協会付き融資を利用して民間金融機関との取引実績を作り、将来的なステップアップを目指すことをおすすめします。
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担保や第三者の連帯保証人が原則不要で利用できる
信用保証協会を利用するメリットの一つは、原則として不動産などの担保や、代表者以外の第三者の連帯保証人が不要になることです。信用保証協会が企業に代わって公的な保証人の役割を担うため、金融機関側は追加の人的・物的担保を求めなくても融資を実行しやすくなるからです。
たとえば、手持ちの不動産資産がない企業であっても、信用保証協会を通した融資を活用すれば無担保で利用できる保証枠が用意されているため、手持ちの資産が少ない企業でも利用しやすい環境が整っています。
また、近年は「経営者保証ガイドライン」の浸透により、法人と個人の資産が明確に分離されているなどの要件を満たせば、経営者本人の連帯保証も外せるケースが増加しています。
これにより、経営者やその親族が万が一の際に過度なリスクを背負うことなく、事業に必要な資金を調達しやすくなります。手元に担保となる資産が少ない場合や、個人へのリスク波及を抑えて融資を受けたい企業にとって、信用保証協会の利用は有効な選択肢と言えるでしょう。
長期の借入がしやすく月々の返済負担を抑えられる
信用保証協会を利用することで、プロパー融資よりも借入期間を長く設定しやすく、月々の返済負担を抑えられます。万が一の際に保証協会が立て替えを行う仕組みのため、金融機関が長期の貸し倒れリスクを許容しやすくなるからです。
【返済負担を抑えるのに活用できる項目】
| 項目 | 概要 |
| 返済期間を長く設定できる | プロパー融資に比べ、返済期間を長期(運転資金で5〜7年、設備資金で10年〜など)に設定しやすい傾向がある。 |
| 資金繰りの安定 | 返済期間が延びることで月々の元本返済額が小さくなり、手元に資金を残しやすくキャッシュフローが安定する。 |
| 据置期間の活用 | 事業が軌道に乗るまでの間、元金の返済を止めて利息と保証料の支払いのみにする「据置期間」の相談もしやすい。 |
たとえば、「据置期間」を活用した場合、借入から半年〜1年程度は元金の返済をストップさせることが可能です。設備投資などで初期費用がかさみ、売上が安定するまでに時間がかかるケースであっても、手元の資金を確保しながら事業を進められます。
月々の負担が重いと手元の資金が返済に消え、事業の継続が難しくなる原因になります。手元のキャッシュフローを安定させ、無理のない事業運営を行うためにも、長期借入や据置期間が認められやすい保証協会付き融資は有効な選択肢となるでしょう。
信用保証協会を利用する上で覚えておくべき留意点
信用保証協会を利用する際は、メリットだけでなく留意すべき点も理解しておく必要があります。企業と金融機関の間に公的な機関が入る仕組みであるため、プロパー融資にはないコストや手続きが発生するからです。
【信用保証協会を利用する上で覚えておくべき留意点】
| 留意点の項目 | 概要 |
| 保証料の支払いが必要になる | 金融機関へ支払う利息とは別に、保証協会へ支払う保証料が発生する。 |
| 代位弁済後も返済は続ける必要がある | 保証協会が立て替え払いをした後も、返済先が保証協会に変わるだけで返済義務は残る。 |
| 審査期間が延びる可能性がある | 金融機関と保証協会の双方で審査が行われるため、融資実行までに時間がかかる。 |
これらの留意点を把握せずに融資を進めると、想定外のコスト負担が発生したり、希望する時期に資金が間に合わなかったりする原因になります。そのため、資金調達の計画を立てる段階でスケジュールに余裕を持たせ、利息以外の費用も含めた資金繰りを検討することが求められます。
保証料の支払いが必要になる
信用保証協会を利用する際には、金融機関に支払う利息とは別に「信用保証料」の支払いが必要です。信用保証料は保証制度を運営し、万が一の代位弁済に備えるための資金として徴収されます。
【信用保証料を決める要素】
| 保証料を決める要素 | 内容 |
| 保証料率 | 企業の財務状況や信用リスクに基づき、年率0.45%〜1.90%程度の範囲で決定される。 |
| 保証期間 | 借入期間が長いほど、保証を引き受ける期間も長くなるため負担額が増える。 |
| 返済方法 | 一括返済か分割返済かによって、計算に用いる係数が変動する。 |
たとえば、保証料は「貸付金額 × 保証料率 × 保証期間に応じた係数」という計算式で算出されます。1,000万円を5年(60ヶ月)で借りる際、保証料率が1.15%(分割返済)であれば、約31万円の保証料が発生します。
融資額によっては信用保証料の支払い負担が大きくなり、想定していた手元資金が減ってしまう原因になります。事前に各信用保証協会の公式サイトを確認しながら計算を行い、保証料を差し引いた後の金額で事業計画に支障が出ないかを確認しておくことが大切です。
代位弁済が行われた場合でも返済は続ける必要がある
信用保証協会が代位弁済を行ったとしても、企業側の借金自体がなくなるわけではなく、返済義務は継続します。代位弁済とは借金の肩代わりや免除ではなく、単に債権者が金融機関から信用保証協会へ移行する手続きに過ぎないからです。
業績悪化などで金融機関への支払いが滞り、代位弁済が実行されると、一旦は保証協会が立て替えて金融機関に支払いをしてくれます。しかし、その後は信用保証協会が新たな返済先となり、担当者と相談のうえで自社のペースで少しずつ返済を続けていくことになります。
また、代位弁済が行われた事実は信用情報に「異動情報」として記録されるため、今後の新たな資金調達に支障が出ます。代位弁済はあくまで最終的な救済措置であるため、返済が苦しくなった場合は手続きに至る前に、金融機関へ返済額の減額などを直接相談することが重要です。
審査期間が延びる可能性がある
信用保証協会を利用した融資は、申し込みから実際に口座へ着金するまでの審査期間が長くなる傾向があります。窓口となる金融機関での審査に加えて、信用保証協会での審査も受ける必要があり、2つの機関による手続きが発生するためです。
| 融資の方法 | 審査を行う機関 | 着金までの目安 |
| 保証協会付き融資 | 金融機関、信用保証協会の2機関 | 約1ヶ月〜1ヶ月半 |
| プロパー融資 | 融資を行う金融機関のみ(1機関) | 約3週間〜1ヶ月 |
たとえば、金融機関での審査を通過した後に書類が信用保証協会へ送られ、そこで再度チェックが行われる流れとなります。書類に不備があったり、事業計画に関する追加の質問が発生したりした場合は、目安よりもさらに時間がかかることも珍しくありません。
手元の運転資金が不足しているなど、入金までのスピードを重視する場合は注意が必要です。資金調達を急ぐ際には、保証協会を通さずに単独で審査を行う日本政策金融公庫の利用をあわせて検討するなど、状況に応じた使い分けをおすすめします。
まとめ
信用保証協会は中小企業や小規模事業者が金融機関から融資を受ける際、公的な保証人として債務の保証をしてくれる公的機関です。 創業前や事業を開始して1~2年程度の事業者は、実績が乏しいため、金融機関から融資を受けるのは難しい傾向があります。融資を受けやすくするために、信用保証協会の保証を受けるのも選択肢のひとつです。
その際は、信用保証協会に信用保証料を支払う必要があるので注意してください。 信用保証協会を利用して、金融機関から融資を受けることを検討している人は、どのような流れで申し込めばよいか分からない人もいるでしょう。
当社株式会社SoLabo(ソラボ)は、国の認定支援機関として、信用保証協会を利用した融資の相談を承ります。相談は無料なので、お気軽にお問い合わせください。