試算表とは?金融機関の担当者に説明するための基本と見方をわかりやすく解説

試算表とは?金融機関の担当者に説明するための基本と見方をわかりやすく解説
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

融資を受ける際、金融機関の融資担当者から「試算表はありますか?」と聞かれることが多いです。
いざ税理士に頼んで試算表を用意しても、説明がうまくできなければ、融資面談で困りますよね。

この記事では、試算表の見方、金融機関の融資担当者に説明するための基本を解説します。

試算表とは

試算表とは、損益計算書や貸借対照表などの決算書を作成する前に作る表です。会計処理のための手続きの一工程で作成するのが通常です。

会計とは、事業をするときに、どのようなお金のやりとりをしたかを記録し、報告できる状態にする業務です。
お金の動きの記録をまとめて、事業の成績表である決算書や確定申告書を作ります。

会計手順の中の試算表の位置づけ

試算表は会計の中で、どのような位置づけなのか、会計手順についてご説明します。

試算表とは?金融機関の担当者に説明するための基本と見方をわかりやすく解説

画像素材:創業融資ガイド

会計手順は、次の1~4までの流れで行います。

  1. 事業での取引を日付順に記録する(仕訳帳)
  2. 「売上」、「仕入」などの項目ごとに集計する(総勘定元帳)
  3. すべての項目と金額を集計した一覧をつくる(試算表)
  4. 損益計算書・賃貸対照表を作成する(決算書・確定申告書)

このように、試算表は決算書・確定申告書を作るための前段階で必要な書類です。

試算表と決算書の関係

決算書・確定申告書を作成するのは年に1度です。
法人であれば任意で決めた決算月で区切り、個人事業主であれば12月で区切り集計します。

決算月に事業の成績をまとめるときは、上述した会計手順の1~4までを行いますが、決算月までは試算表でまとめます。試算表作成は日々行う日常の手続き、決算書は年に一度の決算手続きと言えるでしょう。

決算書は試算表を元に作成されるため、日常実施する試算表の作成もおろそかにできません。

試算表の役割と作成のメリット

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出典:PIXTA

1 融資面談のときに期中でも実績を示しやすい

試算表は、いつでも作成できるため、融資面談が決算月から離れていても実績を示しやすいです。

さきほど、決算書は年に一度作成すると説明しました。しかし、融資を受けるタイミングと重なるとは限りません。
例えば、12月決算で決算書が出来るのが2月だったとします。融資を受けるタイミングが3月であれば、前月の2月に出した決算書で事業の状況がおおよそ把握できます。しかし、融資を受けるタイミングが10月だったとしたらどうでしょうか。決算してから10か月、約1年も経過していれば、事業の状況も変化していますので、実績を示す資料として決算書だけでは不十分な恐れがあります

一方で、試算表は1日毎、1週間毎、1か月毎など、任意の期間で作成することができます。
そのため、事業状況(実績)を說明するための資料として試算表が使われます。金融機関にもよりますが、決算から3か月~6か月経つと、試算表を求められることが多いです。

2 決算書を出す前に問題がないかチェックできる

さきほど、決算書は試算表を元に作成すると説明しました。決算書は、事業の成績表です。決算書を元に税金が決まったり、融資の受けやすさが変わったりと、決算書は大変重要な書類です。逆に、ミスがあると修正に時間やお金がかかるケースがあります。

試算表を作成しておけば、決算書を出す前にミスがないかチェックすることができます。

3 実態を把握することで経営改善に利用できる

試算表を確認することで、「どれくらいの現金が残っているのか」「どのように経費を使っているのか」などが確認できます。また、月毎で作成して比較することで、「売上の推移」「運送料の推移」などが確認できます。実態を把握することで、経営改善に利用することが可能です。

銀行は試算表のどこを見る?試算表のチェックポイント

1 残高科目:どれくらい財産があるか確認する

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まずは、残高科目から、どれくらいの財産があるか確認します。
残高科目とは、賃借対照表に集計される「資産」「負債」「純資産(資本)」に関わるものです。そのため項目としては、「現金」や「借入金」や「資本金」などが当てはまります。厳密にはルールがないため、確認は必要ですが、「売上」よりも上側の項目(画像の赤枠部分)であることが多いです。

事業利益から返済できないときにチェック

この残高科目を確認するとき、金融機関の担当者は事業の「安全性」を見ています。融資の返済は基本的には事業の利益から返済することを前提としています。
しかし、もしも利益から返せない場合は、当然その会社が保有している現金などの「資産」から返済することになります。

つまり、金融機関の担当者は、「現金はどれくらいあるのか」「その他の借入はどれくらいあるのか」を確認することで、万が一、事業利益から返せないときでも「返済ができそうか」という安全性の高さを判断するのです。

2 損益科目:儲ける力を確認する

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次に、損益科目から、どれくらい儲ける力があるか確認します。
損益科目とは、損益計算書に集計される「収益」「費用」に関わるものです。そのため項目としては、「売上」や「仕入」、その他経費項目などが当てはまります。厳密にはルールがないため、確認は必要ですが、「売上」を含めた下側の項目(画像の赤枠部分)であることが多いです。

利益から返済したいときにチェック

この損益科目を確認するとき、金融機関の担当者は事業の「収益性」を見ています。融資の返済は基本的には事業の利益から返済することを前提としています。
きちんと事業で得た利益からの収入で返済できるのか確認します。

つまり、金融機関の担当者は、「売上に対して、仕入・経費をどれくらい使っているのか」「利益はどれくらい出ているのか」を確認することで、事業の収益性の高さを判断します。

3 月別推移:事業の成長度を確認する

最後に、月別推移から、事業がどれだけ成長しているか確認します。月別推移とは、試算表を月別で作ったものです。

事業が成長してるいかを確認したいときにチェック

この月別推移を確認するとき、金融機関の担当者は「成長性」を見ています。先月比や、前年比で「どれくらい売上が伸びているか」「どれくらい利益が伸びているか」「資産に対して利益が見合っているか」などを確認します。成長しているのであればアピールポイントになりますし、鈍化しているのであれば原因と改善策をプレゼンする必要があります。

試算表の種類

試算表は、すべての勘定科目(売上・仕入などの項目)と勘定科目ごとの合計や残高などの金額が一覧になってさえいれば、その他に見せ方の決まりはありません。今回は、主な3種類を紹介します。

合計試算表

合計試算表とは、「売上」「仕入」などの項目ごとに、「増加」と「減少」の合計を記入した試算表のことを言います。項目毎に、「現金が増加した場合は借方に記載」「借入金が増加した場合は貸方に記載」などルールはありますが、それぞれの項目を一覧化したときに、合計をそのまま記載した数字として覚えておくといいでしょう。

合計試算表では、一定期間において、会社が取引した金額の合計がわかります。

残高試算表

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画像素材:創業融資ガイド

残高試算表とは、「売上」「仕入」などの項目ごとに、「増加」と「減少」を計算し、残高を記入した試算表のことを言います。上記の例の通り、各項目で左右のどちらかにしか数字が入っていないことが分かります。例えば現金の場合、合計試算表では「借方900貸方350」と記載されていました。借方>貸方で、差は550あります。つまり、残高試算表では「借方550」と記載されます。

残高試算表では、会社の損益状態が分かります。

合計残高試算表

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画像素材:創業融資ガイド

合計残高試算表とは、「売上」「仕入」などの項目ごとに、「合計」と「残高」の両方を記入した試算表のことを言います。合計試算表の情報も残高試算表の情報も網羅しているため、全体的な把握に使われます。しかし、作るのに一番時間もかかります。

試算表を作る時期

試算表を作る時期は、企業によって様々です。日常と決算期前後とで目的別に分かれます。

日常の手続き

日常(決算期前後以外)で試算表を作る目的は、①融資などで事業の状況を説明すること、②経営を改善することです。

試算表の役割でも説明しましたが、一定期間で区切って作成することができるため、融資を受けるタイミングで試算表を作成することができます。

また、試算表を見ると一定期間の経営状況や財務状況を確認することができます。経営状況を振り返りたいときにも作成することができます。試算表を月毎に作成する義務はありませんが、毎月まとめることでお金の流れを把握することもおすすめです。

決算期前後の手続き

決算前後で試算表を作る目的は、間違いのない決算書を作成する下準備をすることです。試算表を作成することで、取引を一覧にして確認することができます。

決算処理には時間がかかるため、厳密には決算整理前の試算表と、決算整理後の試算表の2つを作成し、決算処理の期間の手続きも含んで間違いのない試算表を作成します。

決算日から決算書を出すまでに2か月しかないため、試算表は普段からまとめて、決算日が過ぎたら迅速に作成する必要があります。

試算表の作り方

試算表を作るには、複式簿記の知識が必要です。日々のお金の動きを項目ごとに分けて集計する必要があるためです。会計ソフトでまとめることもできますが、会計知識に自信のない方は税理士に依頼することもおすすめです。

まとめ

今回は、融資などの場面で事業の状態を見るときによく使われる試算表について説明しました。試算表は、どのように読みとき、どのように説明するかなど、いかにうまく活用するかが重要です。

なお、融資などで試算表を活用するときは専門家に相談することもおすすめです。

当社株式会社SoLabo(ソラボ)は、融資の専門家として事業者の皆様の資金調達をサポートしています。試算表をはじめとする資料作成や、資金調達のための金融機関選びなど、何かお困りの際はお気軽にご連絡ください。

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