シェアオフィスとは?基本やメリット・デメリットをわかりやすく解説

リモートワークの普及で注目される「シェアオフィス」ですが、どのような仕組みで運営されているのかをご存知でしょうか。

今回はシェアオフィスの基本、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

シェアオフィスの基本をわかりやすく解説

シェアオフィスとは

不特定の企業や個人が働く環境を共有するオフィス

シェアオフィスとは、正しくは「シェアードオフィス(Shared-Office)」と呼ばれる、不特定の企業や個人が働く環境を共有するオフィスのこと、またはそのサービスのことです。

似た言葉として、一部のオフィス機能だけを共有する「レンタルオフィス」や、コミュニティ機能も共有する「コワーキングスペース」がありますが、シェアオフィスは、レンタルオフィスとコワーキングスペースを含む言葉です。

シェアオフィスは、運営元と契約することで利用できます。

シェアオフィスを利用できる人

シェアオフィスを利用できる人は、個人事業主や新規事業スタートアップ企業の代表、一般のサラリーマンまで様々です。

共通して「自分でオフィスを構えるまでもない人や、必要な時だけ利用できれば良い業種には向いている」ということです。

逆を言えば、常に機密性の高い情報を扱う弁護士や行政書士など士業の方、店舗を構えて運営するような広いスペースを要する宅建業や製造業などの職種の方にはあまり向かないでしょう。

シェアオフィスでできること

シェアオフィスは、オフィスと名を冠していますが、場所の提供だけでなく様々な機能を持ちます。詳しく見ていきましょう。

オフィススペースとしての利用

シェアオフィスは基本的に「仕事をする人々が集まる場所」です。フリースペースに大勢がいるところに集まって仕事をすることもできれば、自分だけの個室を借りて利用することもできます。

Wi-Fiなどのネットワーク環境や会議室などの基本のオフィス機能についても、契約者は自由に利用できます。

住所の利用/郵便物の受け取り

多くのシェアオフィスでは、住所を「会社の住所」として公開できます。それに伴い、会社宛へ届く郵便物の受け取りもシェアオフィスで行えます。

備品の利用

多くのシェアオフィスでは、プリンターや文房具などの備品を借りて利用できます。中にはiPadや3Dプリンターなどを貸し出しているところもあります。

シェアオフィスがコロナ禍で注目される理由

シェアオフィスは元々、2000年代のアメリカで、オフィスに足を運ばずとも仕事を行える「リモートワーク」の普及とともに他者とコミュニケーションをとれないことを問題視する声から、「1人で仕事をしている人々を一か所に集め、ビジネスのアイデアを共有し、イノベーションを起こそう」と広まりました。

日本でも2010年以降、東京などの都心部を中心にシェアオフィスが増えつつありましたが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、シェアオフィスの需要はさらに高まっています。

今回はコロナ禍で注目される理由を3つ解説します。

理由1:拠点分散をする企業が増えた

まず1つ目の理由として、コロナ禍でリモートワークを推進する企業が急速に増えたことが挙げられます。1つの拠点に社員全員が集まらなくても仕事ができる体制が確立されたので、オフィスに集まる必要性も薄くなったのです。

また、シェアオフィスは賃貸オフィスを借りるよりもコストが安く、設備の管理などの手間もかかりません。地方のいくつかのシェアハウスと契約し、拠点を分散させるというスタイルが注目を集めています。

理由2:自宅の環境が整っていなくてもリモートワークできる

「シェアオフィスには仕事をするうえで必要な設備が整っている」のは、一見当たり前のことのように思えますが、リモートワークを推進しようとしている企業にとっては重要です。

在宅ワーク、つまり従業員の自宅で仕事ができないケースがあるからです。

例えば、マンション住まいであれば共有のWi-Fiを使用するため、回線が遅くなってしまったり、子どもが家に居て集中できなかったりします。

シェアオフィスによって環境面の課題をクリアし、リモートワーク時の社員の生産性をあげることができます。

リモートワークについてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

理由3:入退居が簡単にできる

シェアオフィスは簡単に入退居ができるのも魅力の1つです。

通常、賃貸のオフィスに入居には契約に2週間程度、そこから設備の搬入などが発生し、手間がかかります。

一方、シェアオフィスでは契約から数日で利用でき、しかも必要な設備などははじめから揃っているため、搬入の手間もありません。

退居時も原状回復をする必要がなく、すんなりと撤退できるので、スムーズに次のアクションを起こせます。

シェアオフィスのメリット・デメリット

シェアオフィスの3つのメリット

シェアオフィスを利用するメリットを3つ、ご紹介します。

オフィス料が安く、初期費用がかからない

シェアオフィスを借りることの一番のメリットはオフィス料の費用です。

例えば、東京などの都心に小さなオフィスを構えようとすれば、最低でも10万円以上の賃料を取られることになるでしょう。

シェアオフィスであれば、建物の敷地面積にもよりますが、1万円から2万円の間で契約できると言われ、賃貸オフィスを借りるよりも安上がりです。

また、椅子や机などの設備もサービス内に含まれているため、初期費用をかけずにオシャレで設備の整った環境で仕事できます。

運用費用が少ない

日々の生活の中で発生する運用費用(ランニングコスト)が少ないこともメリットです。

インターネット回線、水道光熱費、新聞書籍代、飲み物の費用などのランニングコスト、毎月負担していくことを考えると意外にかかります。

シェアオフィスであれば利用料にあらかじめ含まれていることが多いため、出費を防ぐことができます。

場所によってはブランディングにつながる

シェアオフィスであれば、東京の一等地にオフィスを構えることもできます。

中には「企業がどこにあるのか」を取引可否の材料にする会社もあります。アクセスや立地などが良好で、名の知れた場所のシェアオフィスであれば、それだけで会社のイメージがよくなることがあるので、ブランディングにもつながります。

不特定多数が集まることから、コミュニティ運営や協業の場としても、利用されています。

シェアオフィスの3つのデメリット

シェアオフィスにもデメリットがあります。3つ、解説します。

情報セキュリティに懸念がある

まず、情報セキュリティ上の懸念です。機密性の高い情報を扱う職種にはおすすめできません。

具体的には「共有のネットワークを通してパソコンに不正なアクセスを許してしまう」「共有スペースでパソコンの画面を覗き見られてしまう」「会話の内容を盗み聞きされる」といった懸念があります。

周囲に雑音がある

様々な企業が様々な目的で利用するシェアオフィスは雑多な音であふれています。

静かな場所で集中して仕事に取り組みたい方や、静かでないと仕事にならない職種の方にはあまりおすすめできません。

共有する機能・スペースが思うように使えない

シェアオフィスは通常、フロア共有の無線LANを使用します。シェアオフィスを利用しているすべての人が共有している回線のため、あまりに通信量の大きいやり取りをすると回線の速度が遅くなってしまうということもあります。

また、会議室などの共有スペースは、シェアオフィスの広さや個数もまちまちです。会議スペースが欠かせない職種なのに、会議室が1つしかないシェアオフィスと契約してしまうと、別の人が会議室を使っただけで仕事が滞ってしまうでしょう。

シェアオフィスを契約する前に、自分の仕事の性質を考え、問題なくこなせる環境かを見極めることのが大切です。

シェアオフィスについてのよくある質問(FAQ)

シェアオフィスは近年急速に成長してきた形態であるため「これってどうなの?」と疑問に思われることも多いことでしょう。3つのよくある質問にお答えします。

質問1:シェアオフィスは個人利用できる?

シェアオフィスの個人利用は、もちろん可能です。個人利用者に限定したシェアオフィスもあるほどで、シェアオフィスの間口は広く開かれています。

ちなみに、多くのシェアオフィスでは「会員制」と「ドロップイン(一時利用)」を選択できます。1年などの長期的な利用は考えていないけど、不定期で利用したいケースであれば「ドロップイン」という利用方法がおすすめです。

質問2:シェアオフィスは法人登記できる?

シェアオフィスでも法人登記はできます。また、登記自体の手続きも通常の法人登記と変わりありません。

ただし、2つ、注意しましょう。

  • 同じシェアオフィスを利用している会社の中に、似た名前の会社がいないかどうかを確認する:シェアオフィスの住所が会社の住所になるため、社名が似ている会社が同じ住所に存在していると、郵便物の誤配送などの会社の誤認が起こります。
  • しっかりとした運営元なのか確認する:シェアオフィス自体が何らかの理由で閉鎖してしまう登記内容も変更しなくてはならなくなります。
    法人登記についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

質問3:シェアオフィスの最大手はどこ?

シェアオフィス大手と言われるシェアオフィス運営会社を3社紹介します。

日本リージャス株式会社(リージャス)

世界120か国に3,300拠点以上を展開する世界最大級のシェアオフィスブランドです。現在国内では37都市、144拠点を展開しています。

個人でも複数人でも利用人数に合わせて柔軟に利用することができ、メンバー登録すれば世界中にあるリージャスのシェアオフィスを利用することもできます。

 WeWork Japan合同会社(WeWork)

こちらも世界37か国830拠点とグローバルに展開しているシェアオフィスブランドです。

2008年創業と比較的新しい会社ですが、急速な成長の目覚ましさから言ってもその注目度が高いことがわかります。

個人から、最大で専用フロアオフィスとして利用することもできます。様々な規模の企業にマッチすることができると言えるでしょう。

サーブコープジャパン株式会社(サーブコープ)

サーブコープは世界24か国160都市で展開しています。しかしその多くは日本国内に置かれており、東京、大阪、名古屋、福岡、横浜の主要5都市、27拠点を構えています。

オフィスの調度品やITインフラも十全に完備されているほか、利用者へのサポートも充実しているのが特徴です。

まとめ

シェアオフィスの基本、メリット・デメリットをわかりやすく解説しました。

シェアオフィスとは、不特定の多種多様な業種の方が、オフィスフロアを共有すること、またはそのサービスのことです。コロナ禍でリモートワークが普及したことで、注目を集めています。

シェアオフィスには、賃貸オフィスを借りるよりも様々なコストが抑えられる利点もありますが、情報漏洩や騒音などの懸念もあります。

自分の仕事がシェアオフィスで行うのに向いているかを検討したうえで、シェアオフィスを利用しましょう。

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