融資を受けてフランチャイズオーナーになりたい!と考えている方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、フランチャイズで開業する場合に、利用できる融資制度についてご紹介してきます。
1.フランチャイズで利用できる融資とは?
フランチャイズオーナーになるためのオススメの融資は、日本政策金融公庫の『新創業融資制度』です。
創業時に無担保無保証の融資制度で利用できるものは、『新創業融資制度』のみとなっております。 創業してすぐに融資を受ける場合には、信用金庫か、日本政策金融公庫がオススメなのですが、日本政策金融公庫の方が、融資を受けるまでの時間が短いため、初回の融資は、日本政策金融公庫をオススメしております。
(1)新創業融資制度の金利は?
基本的に、基準金利が適用されますので、一番左の金利だとお考えください。 3年ほど前は、3.5%以上の金利だったので、最近の金利は非常に低金利といえるでしょう。
(2)新創業融資制度の融資限度額
日本政策金融公庫には、融資限度額が3,000万円までとなっておりますが、基本的には、自己資金の2倍程度が借りられる限度とお考えください。
融資の専門家を通すことによって、融資を受けるための資料の質が上がるため、2倍以上借りられる可能性もあります。3年程前は、自己資金の2倍までしか借りられないというルールでしたが、現状では、自己資金の9倍まで借りられる制度にはなっております。もちろんルール上、9倍を借りられることにはなっておりますが、現実的には、自己資金の9倍まで借りるのは、非常に難しいでしょう。
【お弁当屋のフランチャイズの成功事例】
(3)担保は必要か?
新創業融資制度は、原則として無担保、無保証人の融資制度となります。
※法人のお客さまがご希望される場合は、代表者が連帯保証人となることも可能です。その場合は利率が0.1%低減されます。
(4)許認可前でも融資を受けることが可能!
日本政策金融公庫では、許認可の前であっても融資の受けることが可能です。他の金融機関では、許認可前では、融資を受けることができません。
2.融資を受けるための必要書類とは?
個人事業主が開業してすぐの融資を受ける場合に必要となる資料をご紹介していきます。
(1)借入申込書
(2)通帳コピー
※直近半年分です。 ご結婚されている場合には、配偶者の方の通帳コピーも提出することで、融資にはプラス要素があります。
(3)創業計画書
(4)借入金のある場合は、支払明細書(現在の借入残高、月々の支払額がわかるもの)
(5)不動産の賃貸借契約書(店舗・自宅分)
※店舗を仮押さえしている場合には、借りる予定の不動産の契約条件がわかる書類
(6)営業許可書、資格または免許を証明するもの
※業種によって、不要な場合もあります。
(7)見積書、工事請負契約書(設備投資する方のみ必要)
(8)運転免許証コピー
(9)関連企業の確定申告書及び決算書(別で会社を経営されている方のみ必要です)
(10)印鑑証明書
(11)代表のご自宅分の水道光熱費の支払い状況がわかる資料
上記でリンクを貼った資料は、日本政策金融公庫のHPにもUPされておりますので、下記サイトをご参照ください。 https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html
3.融資を通しやすくするために必要なこととは?
フランチャイズだから、融資を受けられるとお考えの方もいらっしゃるようですが、フランチャイズに加盟しても融資を受けられない方もおります。 では、融資を通しやすくするには、何が必要なのかをご説明していきます。 融資を通しやすくするには、補足資料(別紙)をつけることが非常に大切になります。
(1)別紙資料の作成方法
①プロフィール作成
プロフィールを作成する際に、一番大切なのが経歴です。アピールできる経歴があればすべて記載してください。
【ダメな経歴の書き方】
【上手な経歴の書き方】
②資格を保有している場合のアピール方法
飲食店を開業される場合、調理師免許や、利酒師、ワインソムリエなどの資格を保有している方もいらっしゃるでしょう。アピールできる資格があるのであれば、〇〇をするために勉強して資格を取ったことを別紙に記載しましょう。
(例)ワインソムリエの資格を持っている方の場合
店舗で、お肉料理をメインに提供することを予定していたため、2014年にワインソムリエの資格を取得した。
資格を保有しているだけでも、融資の加点要素になりますが、何のために資格を取ったのかを記載するとさらなるアピールになります。
冒頭でもご説明しましたが、準備をして開業する方にお金を貸したいという考え方がありますので、開業までの準備で資格を取得していることが評価されます。
(3)創業動機
『創業計画書』でも創業動機を記載しますが、書くスペースが少なく、創業動機が伝わらない可能性があります。すべてを伝えるために創業動機を別紙で作成しましょう。
下記の例は、私のお客様が記載した創業動機になります。ここまで完璧なものを作成するのは難しいかもしれませんが、あなたの熱い思いをここで伝えるために、創業動機をしっかり記載しましょう。
(4)ターゲットの設定をアピールするための別紙
飲食店を開業するのであれば、どのような方をターゲットにするかを決めて開業するでしょう。例えば、立ち飲み居酒屋であれば、サラリーマンがターゲットでしょうし、カフェであれば、女性をターゲットに開業する方も多いでしょう。そのため、ターゲットをどのような方にするのかをまとめましょう。 ターゲットが確定したら、そのターゲットを集客するためにどのような工夫をしているのかを記載すると、日本政策金融公庫の担当者に伝わりやすいでしょう。
(例) ターゲット⇒子供連れからご年配のファミリー層・近隣に通勤するサラリーマンやOL の場合
子連れやファミリー層をターゲットにしているため、店内は掘りごたつ式の座敷やテーブル席を設けた店にします。 近隣に勤務するサラリーマンやOLもターゲットになりますので、軽く飲んで帰りたい方のためのメニューを豊富に取り揃えます。
(5)立地の説明を別紙でする
(記載例)
※近隣に何があるかを記載しておくことでアピールにつながります! また、ターゲットと関連することを記載すると良いです。
例えば、サラリーマンをターゲットにしているため、オフィス街を選んだなどと記載するとよいでしょう。
(6)通行料調査の別紙を作成する
通行料別紙の記載例
《店舗前通行量調査》
※別紙を作成する際、出店予定地の通行量などの別紙につけると、融資を受けやすくなります。売上イメージを湧きやすくする資料を別紙につけるのがポイントとなります。
(7)提供するメニュー表を別紙でつける
飲食店の場合に、創業してすぐ融資を受ける場合には、どのようなメニューを出すかまだ決まっていない可能性もありますが、箇条書きでよいので、どんなメニューをいくらで提供するのかを記載した資料を作成しましょう。
(8)競合調査を別紙で作成する
近隣の店舗の調査をするとよいでしょう。近隣にどのようなお店があって、同業種が近くにどれだけあるのかを分析する資料を作成するとよいでしょう。
(9)将来的にどのようなプロモーションをするかを別紙で作成する
・新規客 ・リピート客 ・常連客 それぞれのお客様を増やすために何をやっていくのかを記載すると良いでしょう。融資を受けるために作成するものですが、将来失敗しないためにもしっかり考えておくと将来の役に立つので、時間をかけて考えておきましょう。
(10)損益計算書を作成する
下記の科目で、どれくらいの売上、経費になるのかを検討してみましょう。
【売上高】
【売上原価】
【経費内訳】
給与手当
租税公課
荷造運賃手数料
水道光熱費
旅費交通費
通信費
交際費
消耗品費
福利厚生費
地代家賃
広告宣伝費
支払手数料
リース料
会議費
諸会費
支払報酬料
その他経費
上記の項目で毎月どれくらいかかるのかをエクセルでまとめ、どれだけ利益が出るのかを検討して、資料を作成してみましょう。
まとめ
融資を受けてフランチャイズオーナーになることは、簡単なことではありませんが、しっかり事前の準備をした方であれば、融資を受けられる可能性は高いでしょう。
日本政策金融公庫の融資審査に落ちないためにも、落ちてしまう理由を把握しておくべきです。
以下の記事で、審査に落ちてしまう理由をUPしておきますので、ご参照ください。