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日本政策金融公庫から500万円の融資を受けて広告代理店業を開始した事例

今回はリスティング広告などのインターネット広告の運用代行を開始するための資金として日本政策金融公庫から500万円の融資を受けたIさんの事例を紹介します。

今回融資を受けたIさんは、どのようにして事業内容や売上について説明したのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

借入申込時のIさんの状況

上場企業のグループ会社の代表取締役であったIさんは、今回リスティング広告を中心としたインターネット広告の運用代行事業を開始するために独立することを決意しました。

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!を利用してキーワードを検索した時に、検索結果に表示される広告です。

Iさんがはじめるリスティング広告の運用代行は、広告の効果を高めるために企業に代わって毎日の調整をする業務ですが、契約形態によって、広告を掲載するGoogleやYahoo!に対して広告費の立替をする必要があります。

広告の案件が大きいと、支払う広告費も多くなってしまうため、手元資金に余裕がない場合、立替ることが出来ずに入金が遅れてしまう可能性があるでしょう。

そこでIさんは事業開始にともない、資金の余裕を持っておくために、日本政策金融公庫から運転資金として500万円の資金調達を希望したというわけです。Iさんが融資審査を通過した要因を考察していきます。

融資審査通過の要因1:事業内容を過不足なく伝えた

今回Iさんが開始するリスティング広告の運用代行の事業内容について、ご存知でない方も多いでしょう。

日本政策金融公庫の融資担当者がリスティング広告についてあまり良く理解していないケースも考えられます。

飲食店や美容室とは異なる、ニッチな業種については、事業内容について日本政策金融公庫の融資担当者にきちんと理解してもらう必要があるでしょう。

担当者の理解が足りない場合や、本来とは違うように解釈している場合、担当者の上司に融資案件の内容についてきちんと説明することができないためです。

Iさんの場合、リスティング広告について実際にパソコンを操作して説明をしました。

・どのような広告なのか

・クリック課金制である、などの基本的な知識

・広告費の20%の手数料のみを請求する場合の料金体系

・GoogleやYahoo!などに支払う費用と合計して請求する場合の料金体系

などについて、実際に広告運用する際に使用するリスティング広告の管理画面や、企業に渡す提案資料を用いて説明することで、日本政策金融公庫の融資担当者にきちんと事業内容を理解してもらうことができたと言えます。

融資希望金額の根拠として、Iさんが作成したレポートをもとに、「クリック単価がどれくらいになるので、運用費用がどれくらい必要になる」という説明をすることもできました。

融資審査通過の要因1:過去の経験と売上の根拠を伝えた

Iさんは自己資金が少なかったため、審査の際の評価が下がってしまう可能性がありました。

融資を申し込む場合、十分な自己資金を計画的に貯めておくことができていないと、開始する事業の計画性がなく思いつきで事業を開始しようとしている、と判断され、審査担当者にあまり良い印象を与えない傾向があります。

今回、Iさんが審査通過した要因のひとつとして、過去の経験と事業開始後の売上の根拠について説明することができた点が挙げられるでしょう。

①代表取締役としての経験

Iさんは上場企業のグループ会社の代表取締役でした。

代表取締役としての経験によって、経営者としての実績もあり、事業を開始するために十分な人脈もある、ということをアピールしました。

②広告代理店での勤務経験

Iさんは以前、10年以上に渡り広告代理店に勤務していました。

広告業界での経験が十分にあり、リスティング広告の運用経験、知識が豊富であることをアピールしました。

③前職からの引継ぎ

Iさんは、独立開業にあたって、前職からいくつかの案件を引き継ぐことが決まっていました。

すでに契約書を結んでいる案件もあったため、実際に契約書を提出して創業後すぐに売上を確保することができる、と根拠を挙げて説明することができました。

また、融資を受けて資金調達をしておくことで、広告費を立替える必要がある案件も確保することができる、とアピールすることができました。

まとめ

日本政策金融公庫での融資を申し込む場合、融資の担当者に事業内容についてきちんと理解してもらうことが大切です。

事業内容については、実際に商品を見せたり、説明のための資料を作成したりするなどして出来るだけ丁寧に説明するようにしましょう。

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