今回の記事では、8年前に債務整理を経験したTさんが日本政策金融公庫から200万円の融資を受けた事例をご紹介します。
事業の開業を成功させるためには、十分な資金を確保しておくことがとても大切です。今回は、融資審査に通過した要因と思われる点を5つ解説しますので、参考にしてみてください。
目次
融資成功のポイント1:債務整理後に借金を完済
Tさんは8年前に債務整理を経験していましたが、その後借金を全額返済していました。
一般的に、債務整理をしている方が日本政策金融公庫の融資審査に通過するのは難しい傾向があります。
しかし、Tさんのように、債務整理を経験した場合であっても、その後の現実的な返済計画を作成し、借金を全額返済している方は融資を受けられる可能性があります。
融資成功のポイント2:インターネット物販での実績がある
インターネット物販事業を開始する場合、これまでの販売実績があることが大切です。
ネット物販では、販売のために仕入れた商品が売れ残り、手元に在庫が大量に残ってしまうケースが多くあります。手元に在庫を多く抱えてしまうと、資金繰りが上手くいかずに事業は失敗してしまうでしょう。
ですから、在庫を抱えてしまう可能性が高いネット物販を開始する場合には、これまで実際に仕入れをしてどれくらい販売することができ、どれくらいの利益を得たのか、という実績を作っておくことが大切です。
Tさんは、融資を申し込む半年前から商品の仕入れをしてAmazonなどで出品・販売を実施していました。
実際に販売した経験を通して実績を作ることで、融資審査の際に信用度が高くなり、担当者への印象もよくなると言えます。
融資成功のポイント3:堅実に貯金をしてきた
Tさんは8年前に債務整理をした後、毎月地道に貯金をしていました。
融資を申し込んだ場合、自己資金がないと融資を受けることはできません。
特にインターネット販売業の場合、仕入れた商品が売れるまで現金化することはできません。
ですから、仕入れた商品が売れるまでの間、手元の資金でやりくりをする必要があります。
商品が売れるまでの間、手元の自己資金が少なければ借入をした場合の返済が滞ってしまう可能性があるでしょう。
Tさんの場合、事業用の自己資金を計画的に貯めていただけではなく、生活資金として約700万円を貯蓄していました。
過去に債務整理をした経験から、万が一の時に備えて計画的に自己資金を貯めていたことが審査の際の好印象につながったと考えられます。
融資成功のポイント4:他社との差別化
インターネット販売事業では、他の商品とどのように差別化するか、という点が大切です。
近年、インターネット販売を開始したいという方がとても増えているので、競争率は高くなっています。
Tさんは、OEMによってプライベートブランドの商品を製造・販売することで他社との差別化を図る準備をしていました。
また、開業後に販売予定の商品やブランドがなぜ売れると考えたのか、理由を説明できたことが融資審査に良い影響を与えたと考えられます。
融資成功のポイント5:明確な事業計画
融資を申し込む際には、事業計画を作成して提出する必要があります。
事業を開始してからどのようにして業績が変化するかが明確になる事業計画を作成しておくことが融資成功のポイントです。
Tさんは、具体的にどのような数値で業績が推移するかを予測して事業計画をご自身で作成することに不安があったため、今回認定支援機関である弊社にご相談頂き、一緒に事業計画を作成しました。
Tさんの場合は、これまでにインターネット販売の実績があったので、これまでの経験に加えて、認定支援機関の融資の専門家のこれまでの経験から、数値化した業績推移を作成しました。作成した事業計画書に加えて根拠のある数値を用いて作成した業績推移を、融資面談で提出したことで、事業開始後にきちんとした売上を確保することが可能である、と説得することができました。
まとめ
今回ご紹介したTさんは、過去に債務整理をした経験があるにも関わらず、日本政策金融公庫から200万円の資金調達に成功しました。
計画的に貯蓄した自己資金があることや、これまでの事業経験、他の商品との差別化、明確な事業計画などを提出したことによって融資を受けることができました。
一般的に債務整理を経験している場合、日本政策金融公庫からの融資を受けて資金調達をすることは難しいと言えます。
しかし、融資の専門家である認定支援機関に相談することで、アドバイスだけでなく融資資料作成のサポートもしてくれるでしょう。
これから融資を受けて資金調達をしようとお考えの方は是非一度お近くの認定支援機関にご相談ください。