Amazonや楽天などだけでなく、フリマアプリも増え、ネット上で買物をする人が以前よりも増えています。それに伴い、ネット上でモノを売る事業者=ネット物販業者も以前よりも増えています。
ネット物販業は、始めたい人が多い反面、だれでも始めやすいため、融資は通りづらい傾向です。
この記事では、300万円の仕入れ資金の融資を受けられた事例を一つご紹介します。
1.Amazonで日用品を売るNさんはどんな人?
①Amazonで1年以上の販売歴があった
NさんはAmazonで日用品などを販売している方です。当サイトにお電話を頂いた際には事業は2期目(1年経過)を迎えていました。融資を検討されていた理由は、年末に向けAmazon でクリスマスキャンペーンによる利用者が増えることから、もっと仕入れを増やしたいからでした。
②売上がしっかり出ている決算書を提出できた
税金を払いたくないと決算書で赤字を出す事業者も多い中、Nさんは1年間の売上が伸びているのを隠さずに正直に提出していました。決算書の内容できちんと売上が出ていないと、確かに税金は安くなりますが、融資は受けづらくなります。
融資を検討している場合は、目先の税金だけのことを考えず、融資を受けやすい状況を作っていくとよいでしょう。
③他者との差別化ができていた
ネット物販サイトは非常に多いため、単に仕入れて売るだけでは事業は継続的に成り立ちません。Nさんの場合は、以下のような他店との差別化対策をきちんとしていました。
- 他店と比較して安く仕入れられるルートを確保していた
- 他店よりレアな商品を仕入れることができていた
- 他店ではあまり取扱っていないようなマイナーな商品を取り扱っていた
この他にも、海外にコネがあり日本では買うことができない商品を販売している、などの説明ができれば、金融機関の担当者にも納得してもらえる可能性が高くなります。
2.最近、なぜネット物販での融資は審査が厳しくなっているの?
①簡単に始められるが、簡単に行き詰る人が多いネット物販業
「安く仕入れて高く売る」これが物販の基本です。
通常の物販の場合は店舗を構えるため、その店の地域特性で努力せずともモノが売れるケースもあります。
一方で、ネット物販では、店舗を持たずに簡単な登録で商売が始められます。そのため、副業として気軽に始める方も大勢います。競争相手も多い業界と言えるでしょう。また、ネット内での集客の知識がないため思ったように売れず、多くの在庫を抱えている人もいます。
こうした事実から、ネット物販業が楽ではないことを、金融機関は知っています。実際に、これまで金融機関はネット物販へ期待をかけ融資をしてきたが、あまり思うように事業を伸ばせている人が少ないため、段々と審査は厳しくなっています。
「お金を貸すのはいいけど、在庫管理はしっかりできるの?」「売れなかったらどうするの?」など、ネット物販で融資を受けたい人はこの点についてきちんと説明できなければいけません。
②古物商の許可を取っていない融資希望者がとても多い
当社にネット物販で融資相談をする人の中にはネット物販を営んでいるのに、古物商の許可を取っていない人がいます。
ネット物販において、古物商の許可は基本的に必須です。メーカーから直接仕入れている明らかな新品しか販売しないということであれば必要ない場合もあります。しかし、ネットで個人などから商品を仕入れる場合には古物商の許可が必要です。
「新品」と謳っていても、メーカー直売出ない場合は、「中古品」が紛れる可能性があるためです。
古物商許可の制度がある理由として、盗品を防ぐという目的があります。あなたがもし中古品の販売をしているのに古物商許可を取っていないようであれば、無許可で商売をしていることになります。無許可営業に対し、金融機関はもちろんお金は貸せません。
これからネット物販を創業したいと考えている人は、中古品を扱う予定がないという場合であっても古物商の許可を取っておくほうが良いでしょう。
3.ネット物販の仕入れにはここに気を付けよう
①リボやキャッシングは極力やらない方がいい
ネット物販の仕入れでは資金繰りの関係でクレジットカードを複数利用して商品を仕入れている人もいるでしょう。
この場合の支払いをすべて一括で支払っているなら特に問題ありません。一方で、支払方法を、リボ払いやキャッシングにしている場合、それは借入となります。
事業融資の審査ではCIC(信用情報機関)を通じて、リボ払いやキャッシングなどの借入状況を確認されます。借入額が多かったり、返済遅延が複数回あると、融資を受けるのは難しい傾向です。
②ネット物販を副業でやっている人は、法的にOKなのか確認しよう
副業をしている場合は、勤務先の就業規則で副業が許可されているか確認しましょう。会社によっては許可されていない会社もあります。
副業のネット物販で融資を希望する場合は、金融機関からお勤め先の就業規則のコピーの提出を求められる場合もあります。
副業禁止の場合、事業を続けられない可能性があるため、融資が受けられない可能性もあります。
まとめ
ネット物販で融資を受けられたNさんの評価された点は、①売上の上がっている決算書を提出できたこと②他社との差別化をしていたこと③古物商の許可を取っていたことなどがありました。
ネット物販は販売するものや実績によっても、融資の角度が変わります。融資に関して、不安な場合は当社の無料相談をご利用ください。