カフェ開業に必要な資格・手続き・資金のまとめ。開業の相談可能な窓口もご紹介!

カフェ開業に必要な資格・手続き・資金のまとめ。開業の相談可能な窓口もご紹介!
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

近年、大手コーヒーチェーン店などが行うカフェ開業支援サービスの充実により、カフェ開業のハードルは低下している傾向にあります。

その反面、カフェを含め飲食店は競合店が多く、儲けを出すことや売上を確保し伸ばすことは難しいと言われています。実際、厚生労働省のデータによると喫茶店の営業件数は平成20年から減少をしている傾向にあるため、競合店とは異なる自分のお店にしかない魅力やこだわりを売り出し、競合店との差別化を狙うことが重要となってきます。

この事も念頭に置き、カフェ開業や経営を行うために必要となる資格や手続き、資金と経理の基本事項、これらについて相談や支援を行ってくれる窓口などをご紹介していきます。参考にしてみてください。

1.カフェ開業に必要な資格・届出

カフェを開業するにあたり、必要となる届出や届出に必要な各種資格は下記のとおりです。開業となると様々な手続きがあるため大変ですが、開業には必ず必要なので、チェックしていきましょう。(★・・・必須となる資格・届出、□・・・場合により必要)

【保健所】食品衛生に関する資格と各種営業許可

カフェを開くためには保健所で営業許可の申請を行い、担当者による施設検査に合格し、営業許可の交付を受ける必要があります。この営業許可の申請には食品衛生に関わる資格も必要になってきます。

また、営業許可の交付を受けるためには食品衛生法に基づく施設基準(食品衛生法の施設基準全文)を満たすことが条件のため、カフェの設計段階で保健所に相談しておくと良いでしょう。

資格・届出内容
★食品衛生責任者資格<食品衛生責任者となることができる方>

調理師・製菓衛生士・栄養士・船舶料理士などの代わりとなる資格を持っている方。

<上記資格を持っていない方>

下記の食品衛生責任者養成講習会の受講で取得が可能。

講習内容衛生法規2時間/公衆衛生学1時間/食品衛生学3時間(食品衛生学時間内にテストあり)
受講料10,000万円
開催日全国各地で定期的に開催
★各種営業許可必要となる営業許可は「飲食店営業・喫茶店営業・菓子製造業・食料品等販売業」の4つ。

<営業許可を受けるためには・・・>

①事前相談→②書類提出(申請)→③施設検査(施設基準を満たすまで)→④営業許可交付

□水質検査成績書タンク水とも言われる貯水槽使用水・井戸水などを使用する場合に必要
□動物取扱責任者資格

□(営業許可)動物取扱業

動物のいるカフェを開く場合に必要

【消防署】火の取り扱いに関する資格・届出

カフェは消防法の「放火対象物」にあたり、新たに開業する場合には「誰が入居しどんな工事をしてどんなお店にするか」はもちろんのこと、「消防法によって定められた消防用設備が不十分ではないか、放火する際に支障がないか」などを確認する手続きを行う必要があります。下記の届出を使用開始の7日前までに消防署へ提出しましょう。

資格・届出内容
★放火対象物使用開始届<提出に際し必要となる書類>

放火対象物概要・平面図・断面図・案内図・立面図・展開図・消防用設備リストや仕様書・消防用設備の設置図面 等

※管轄となる消防署によって異なる

※提出は使用を開始する7日前までに必ず提出

□放火管理者資格

□(届出)放火管理者選任届

放火対象物全体の収容人数が30人以上の場合

【税務署】開業届や税に関わる届出

事業を新しく始める場合には税務署への申告もあります。下記の届出を提出しないと開業した事実が認めてもらえません。

提出は法律で定められているわけではないため、提出しないからと言って罰せられることはありませんが、確定申告において65万円の特別控除を受けることができなくなってしまうというデメリットがあります。

届出内容
★個人事業の開廃業等届出書

(法人の場合には法人設立届出書)

<提出に際し必要となる書類>

マイナンバーカード・本人確認書類

※開業を行ってから1か月以内に必ず提出

□所得税の青色申告承認申請書青色申告する場合
□給与支払事務所等の開設届出書スタッフを雇う場合

【法務局】法人を設立する場合の登記

開業した自社の情報を法務局に告示することを「商業登記」と言いますが、登記申請は会社の設立後2週間以内に行わなくてはならないと法律で定められています。商業登記を行わなかった場合には、会社の取締役、あるいは発起人に対して最高100万円の納税が命じられます。

届出内容
□法人設立の商業登記<登記に際し必要となる書類>

法人登記申請書・定款・発起人の決定書・代表取締役、取締役、監査役の就任承諾書・取締役の印鑑証明書・資本金の払込を証明する書類・印鑑届出書

【労働基準監督署・ハローワーク】スタッフを雇う場合の届出

スタッフを雇う場合には雇用保険と労災保険の2つを指す、「労働保険」の加入が法律で定められています。

企業の監督を行うという意味も持つ厚生労働省の出先機関である労働基準監督署と、職安や公共職業安定所とも呼ばれ国が運営を行う行政機関であるハローワークのそれぞれで、提出期限を守り手続きを行う必要があります。

届出内容
□労働保険保険関係成立届雇用するスタッフの人数などを記載する書類。

<提出場所>労働基準監督署

<提出期限>スタッフの雇用日から10日以内

□労働保険概算保険料申告書保険料の概算額を記載する書類。

<提出場所>労働基準監督署(労働局・郵便局でも可能)

<提出期限>スタッフの雇用日から50日以内

※「労働保険保険関係成立届」と同時提出も可能

□雇用保険適用事業所設置届事業店舗住所や労働保険番号などを記載する書類。

<提出場所>ハローワーク

<提出期限>スタッフの雇用日から10日以内

□雇用保険保険者資格取得届スタッフが被保険者資格を取得したことを記載する書類。

<提出場所>ハローワーク

<提出期限>取得日翌月の10日まで

 

2.カフェ開業の開業資金の内訳と目安

次に開業資金についてです。ご紹介するのはおおよその目安となる金額なので、開業場所や設備によっては安くも高くもなることがあります。ここでは、坪数5坪以上10坪以下、東京の千代田区内で開業を行う場合を例に表にまとめました。

物件取得費

物件取得費は、店舗となる物件の契約をする際にかかる費用総額を表したものです。開業場所や選択する物件情報によってかかる費用は大きく変わってきます。

また、設備や家具等は付いたままで貸し出されている居抜き物件と、家具も内装も何もない、いわゆるコンクリート打ちっ放しと呼ばれるスケルトン物件の場合での費用をご紹介します。

居抜き物件

費用名おおよその目安
賃料(管理費込)20万円~42万円
保証金8~10か月
礼金1~2か月
仲介手数料1か月
物件取得費合計200~550万円

スケルトン物件

費用名おおよその目安
賃料(管理費等)22~28万円
保証金200~250万円
礼金1~2か月
仲介手数料1か月
物件取得費合計245~335万円

内装・設備工事費

店舗の床、壁、電気、ガス、厨房など、内装に関わる全てのものが内装・設備工事費に含まれます。内装の設計を行うことやデザインを施す場合には、それらも費用に含まれるため、どのような店舗にしたいかで費用に大きな差が出ます。

1坪あたりの工事費の目安は、居抜き物件とスケルトン物件で変わってきます。大きく異なる点は、居抜き物件の場合に残されている内装(厨房・空調等の設備)を、次の人が利用や買い取るための「造作譲渡料」がかかるということを覚えておきましょう。

また、上記でもご説明した通り、食品衛生法に基づいて最低限設置しなければならない設備があるため、スケルトン物件の場合には特に、事前に保健所へ相談をするか、設計前のチェックをすることをおすすめします。

居抜き物件

費用名おおよその目安
1坪当たりの工事費10~30万円
造作譲渡料(物件の所有者が決める)100万円前後
内装・設備工事費合計200~400万円

スケルトン物件

費用名おおよその目安
1坪当たりの工事費30~60万円
内装・設備工事費合計300~600万円

備品・消耗品代

カフェの雰囲気を印象付けるものでもある椅子やテーブル、食器や棚、カフェに必要なあらゆる備品を揃えなければなりません。一つ一つの金額は高くなくても、揃えなければならないものが多いとそれなりに金額も高くなります。

こだわればこだわるほど必要な資金は増えてしまいますが、冷蔵庫やレジなどは中古品、椅子やテーブルなどはDIY(手作り)、棚などは居抜き物件で前のオーナーから買い取るなどして節約できる備品もあります。

費用名

おおよその目安

椅子(16席分)20~50万円
テーブル(8個分)10~25万円
照明器具(8個分)5~15万円
食器類10~20万円
厨房機器(冷凍冷蔵庫・レンジ・製氷機 等)120~150万円
調理機器40~50万円
1~5万円
レジ3~10万円
消耗品(おしぼり・洗剤 等)30~50万円
その他/予備30万円
備品・消耗品合計270~410万円

広告・宣伝費

多くのお客さんに来てもらうカフェにするためには新しくオープンすることを宣伝しなくてはなりません。また、宣伝とともに期間限定で何かの特典(クーポンやプレゼント)を付けるなど、多くのお客さんを集めるための作戦も考えましょう。

費用名

おおよその目安

フリーペーパー内に掲載5~20万円(掲載サイズによる)
グルメサイトに掲載1~10万円
SNS開設&宣伝無料
自分でチラシを作り配布1,500~3,000円

開業後の運転資金

経営を軌道に乗せるまでにはある程度の資金を確保しておくことが必要です。これを運転資金と言いますが、運転資金をしっかり確保しておくことで、もしも赤字が続くことがあったとして経営を続けることは可能です。

運転資金として確保すべき資金の目安は、店舗の家賃の10か月分と言われています。

費用名おおよその目安
運転資金家賃の10か月分(家賃30万円として計算)
運転資金合計300万円

【カフェ開業にかかる開業資金合計】

居抜き物件970~1545万円
スケルトン物件1115~1530万円

カフェ開業にかかる全ての項目を合わせた結果、少なくても1000万円近くかかることが分かります。「1000万円もの大金、どうやって集めたら・・・」と考えた方もいるかと思いますが、次に、“開業資金を集めるためにはどんな方法があるか”をご紹介していきます。

 

3.カフェを開業するための資金調達方法

【まずはできる限り費用を抑えてみる】

カフェを開業・経営すること自体、少なくても数百万円以上、場合によっては1000万円以上を用意しなければなりません。そのためにも、“家賃を出来る限り低めのところにする”“インテリアや飾りはDIYなどで手作りする”というように、費用を抑えることを考えましょう。

上記表でも、家賃が高いところでは40万円ですが低いところでは20万円のように、同じエリアや面積とはいえ、20万円もの差が出ます。また、DIYなどの手作りが苦手、という方は中古品で探すことも一つの方法です。新品の椅子では1万円を超えるものが多数ですが、中古品の椅子では5000円前後のものが多数あります。

そして、宣伝は最初に欲張らず、SNSや自作チラシ等で費用を抑え、経営が軌道に乗ったタイミングで少しお金をかけてみるのも良いでしょう。SNSを利用する際には、ユーザーの目に留まり口コミが生まれるように、お店のコンセプトに合った印象的な写真や文章を投稿し続けましょう。

【公的金融機関や自治体に融資を申し込む】

開業資金が足りない場合には、日本政策金融公庫などの公的金融機関の融資や補助金を申込んでみるという方法があります。中には、無担保の融資制度や返済不要の補助金・助成金もあります。

下記表はカフェ開業向けの融資制度と、補助金・助成金をまとめたものです。

融資制度名最大融資金額返済期間利率(年利%)
新規開業資金7200万円

(運転資金4800万円)

20年以内

(運転資金7年以内)

0.76~2.45%
女性、若者/シニア

起業家支援金

7200万円

(運転資金4800万円)

20年以内

(運転資金7年以内)

1.26~2.45%
中小企業経営力強化資金7200万円

(運転資金4800万円)

20年以内

(運転資金7年以内)

2.16~2.45%
新創業融資制度3000万円

(運転資金1500万円)

各種融資制度で定める返済期間内1.16~2.85%

〈2019年11月現在〉

補助金・助成金内容

補助率・助成率

創業促進補助金経費の一部を補助してくれる制度補助率:2/3

(上限100~200万円)

新規開業賃料補助金(東京)家賃の一部を補助してくれる制度補助率:月額賃料の1/3

(1年間、上限5万円)

軽減税率対策補助金テイクアウトなどによる複数税率に対応するレジ導入にかかる費用の一部を補助してくれる制度補助率:2/3

(1台に20万円まで)

インバウンド対応力強化支援補助金カフェに訪れる外国人観光客へのサービス(Wi-Fi・決済機器など)にかかる費用の一部を補助してくれる制度補助率:1/2

(上限300万円)

分煙環境整備補助金店内分煙化に伴い分煙化に必要な資金の一部を補助してくれる制度補助率:4/5

(上限300万円)

受動喫煙防止対策助成金喫煙所や換気装置の設置にかかる費用の一部を助成してくれる制度助成率:2/3

(上限100万円)

キャリアアップ助成金アルバイトスタッフなどの非正規雇用労働者のキャリアアップに伴い発生する資金の一部を助成してくれる制度(7コースある)コースにより異なる
中小企業雇用創出人材確保助成金雇用保険の受給者であるスタッフを新たに雇う場合に賃金の一部を助成してくれる制度助成率:1/4

(上限:10,704円×支給対象日数×330÷365)

中小企業雇用創出雇用管理助成金雇用したスタッフの教育訓練などにかかる費用の一部を助成してくれる制度助成率:1/3

(上限100万円)

〈2019年11月現在〉

公的金融機関の融資を受けるためには、公的金融機関側に「この事業は成功する・信頼できる」と認められないといけません。そのため、提出する事業計画書の内容は、「現実的」かつ「根拠が明確」となっていることが重要です。

業績推移・資金繰り計画などで記入が必要な数字の計画においても、希望数値の記入ではなく、現実的な数字を記入する必要があります。また、創業の段階では事業実績を証明できるものがないため、自身の今までの経験や経歴、創業への準備や計画をきちんとしていることをまとめ、公的金融機関へ示すようにしましょう。

「初めての融資で不安」という方や、「事業計画書の作成なんてしたことがない」という方は、開業に向けての融資を通すために、事業計画書の作成を手伝ってくれたり、経営相談を行える認定支援機関の存在もあります。もしも融資や創業に不安がある方は、国が認める公的機関である認定支援機関に相談してみるのも一つの方法です。

【クラウドファンディングにチャレンジ】

クラウドファンディングとは、自分がしたいアイデアをインターネットなどに公開し、そのアイデアを実現するための資金を不特定多数の個人から集める方法です。カフェを開業したい場合は、「お店のコンセプト」や「他店にはない特徴・メニュー案・店舗のイメージ図」などのアイデアを公開し、そのアイデアに魅力を感じてもらった人から資金を集めることになります。

下記表は日本でも有名なクラウドファンディングサイトをまとめたものです。

サイト名利用手数料設立日
Makuake

 

20%

(決済手数料込)

2013年5月
CAMPFIRE

 

12%

(決済手数料:5%)

2011年1月
Readyfor

 

12%~

(決済手数料込)

2014年7月
MOTION GALLERY

 

10%

(決済手数料込)

2011年
kibidango

 

10%

(楽天ペイ利用:14%)

2013年2月

クラウドファンディングはアイデアが重要視されるので、多くの人を「このアイデア面白い!」と思わせるようなものでないと、資金を集めることは難しいです。また、クラウドファンディングでの資金集めに成功し、カフェを開業することになった場合は、資金を提供してもらった方にお礼の商品・サービス(リターン)を必ず提供することになります。

 

4.カフェを開業する前に行うと良いこと

カフェ開業を行う前に、実際に店舗を開業・経営するということがどのようなものか体験してみると良いでしょう。例えば、大手カフェチェーン店でアルバイトとして働いてみることも1つの方法です。大手カフェチェーン店と個人経営のカフェでの違いや特徴などを発見できることにも繋がります。

また、期間限定でカフェを経営してみることもおすすめです。最近では短期間でもレンタル可能なレンタルスペースが充実していることもあり、期間限定でカフェを出店しやすい状況になりました。期間限定でカフェ経営をしてみて、そもそも自分が「カフェ経営に向いているかどうか」「メニューやコンセプトが世間のニーズにあっているのか」などを確かめていき、開業時に活かせることも大きなポイントです。

 

まとめ

開業・閉行することは、厳しい飲食業界を勝ち抜かなければならないのでとても難しいことです。しかし、カフェを開業する際の準備をしっかり行うことで少しでも長く、自分の理想に近いカフェを開業・経営できる可能性が高くなります!

この記事を参考にカフェを開業、経営できる準備をしていただければ幸いです!

株式会社SoLaboがあなたの融資をサポートします!









NEWSTVに取材して頂きました!

サポートさせて頂いたお客様をご紹介しております

融資額を増やすための方法を解説

カフェ開業に必要な資格・手続き・資金のまとめ。開業の相談可能な窓口もご紹介!