会社の種類で異なる設立費用を比較!節約で合同会社はダメ?

会社の種類で異なる設立費用を比較!節約で合同会社はダメ?
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

会社を設立しようと決めた事業主さんは、次の段階として「どの種類の」会社を設立しようかと考えるものです。

現在、日本では株式会社とそれ以外(合同会社、合名会社、合資会社)の計4種類の会社が認められています。今回の記事では、その設立費用の違いや設立のメリット・デメリットについて解説していきます。

1.新会社法で決められている会社は4種類

2006年5月から新会社法がスタートしました。新会社法では以前認められていた有限会社はなく、新たに株式会社とその他3つの会社(総省して持分会社=もちぶんかいしゃ)について規定されています。

【現在の新会社法で定められている計4種類の会社】

会社の種類で異なる設立費用を比較!節約で合同会社はダメ?

新会社法では、最低1名の社員がいれば会社設立は可能です。会社設立後、すぐに利益が出せるかわかりません。まずは自分と数人、または自分と家族で会社経営をスタートし、利益をコンスタントに出せる状態になれば従業員を増やしていきましょう。

①株式会社は広く進化させられ、事務手続きが多い会社

それぞれの会社の特徴についてみていきます。まず、株式会社についてはみなさんがご存知の通り、株式を発行し株式市場へ上場することもできる会社です。代表者が会社設立時にあまりお金を持ち合わせていなくても、多くの人から出資を募ることができます。そして、会社経営についても株式を保有する株主へ一部の権利を与えるのが特徴です。

株式会社の場合、会社が何か社会的に損害を与えたなどの不祥事を出した時でも、会社の資産までの責任(有限責任)となります。その代わり、設立に関しても定款認証が必要で、決算広告や登記変更という事務手続きが課せられています。

②合同会社は特定の出資者が経営する会社

これに対し、合同会社は少人数の経営というイメージを持つ会社形態です。社会的認知度を持つ株式会社に対し、合同会社は社会的認知度が低く株式公開ができません。その代わり、会社設立のコストは低く、会社設立費用は株式会社が21~25万円なのに対し、合同会社は6~10万円ほどです。また、株主を募らないため「外部から第三者の参入を防ぐことができる」というメリットと「資金調達しづらい」というデメリットを持ちます。

合同会社の持つ責任は株式会と同様で、有限責任のみとなっています。

なお、社会的認知度が非常に高い企業なのに、合同会社という形態を選択している企業もあります。有名な企業としては「アマゾン」があります。なぜアマゾンが株式会社ではなく合同会社なのかという点では諸説ありますが、一般的な見方としては節税目的なのではないかと説が有力です。

合同会社と株式会社の違いについては、当サイトの以下既存記事もぜひ併せてご覧ください。

株式会社と合同会社の違いとは?

③合名会社は資本金がない代わりに無限責任である

合名会社の特徴は個人の信用をベースにしている会社という点です。会社代表が無限責任を有する社員でなければいけません

株式会社の場合は、例えば会社が多額の負債を持ち倒産したとしても、会社代表者の資産を渡してまで責任を負う必要はありません。けれども、合名会社の場合は会社が何か訴訟を受ける・倒産、などのトラブルがあった際の責任範囲は会社代表の資産まで及びます

良い点としては、会社設立費用が株式会社・合同会社と比べて低いという点です。合名会社には資本金制度も定款認証もありませんので、理論的には登録免許税のみで会社設立が可能です。

④合資会社は有限責任と無限責任の社員が各1名ずつ必要

合資会社も合名会社と同様、個人の信用をベースにしている会社というイメージがあります。有限責任と無限責任の社員を各1名ずつ設けなければいけないため、責任という点では株式会社と持分会社のちょうど中間に位置する会社と言えます。

会社設立費用は、合名会社と同様、資本金がないため安価(登録免許税の6万円)で理論的には設立が可能となっています。

 2.4つの会社を設立費用で比較すると

会社設立で必ず発生する費用は①設立登記の費用、②資本金、③印鑑登録関連の費用、の3つに分けられます。

①設立登記の費用は持分会社が安い

まずは単純に、各会社の設立費用だけを比較してみたいと思います。会社設立時には必ず会社約款の作成と法務局での登記が必須です。その設立費用ですが、以下の図で比較すると持分会社(合同会社、合名会社、合資会社の3つのこと)の方が14万円も安くなっているのがお分かりいただけます。

会社の種類で異なる設立費用を比較!節約で合同会社はダメ?

 ②資本金は合名会社か合資会社が圧倒的に安い

持分会社の中でも、合名会社と合資会社については資本金が必要ありません。そのため、資本金という点で最も会社設立費用が安いのは合名会社と合資会社となります。

③印鑑登録関連の費用は株式会社も持分会社も変わりない

株式会社でも持分会社でも、会社設立する際には必ず印鑑の届出が必須です。その際の費用ですが、印鑑購入の実費(1本600~2800円ぐらいを3~4本)と登録料(300円)や証明書の取得費用(300円)と少額です。

3.設立費用が安いから合同会社でいいか!はキケン

会社設立をペーパーカンパニーで考えているのであれば別ですが、事業として長くやっていくのであれば、会社設立費用だけでなく以下の6つの点も考慮して設立する会社の種類を選択しましょう。

  1. 会社の社会的信用度
  2. 資金調達を受ける際の説明
  3. 会社不祥事があった際の責任の範囲
  4. 会社経営権の将来的な範囲
  5. 社会保険料の支払いがあるかどうか
  6. 事務手続きに割く時間を確保できるかどうか

1.例えば、既に個人事業主として長く安定した事業を営しており、法人税の節約という目的だけで会社設立をしたいのであれば、必ず株式会社でなければいけない理由はありません。既に社会的信用度は得ているため、特にこれ以上事業を発展させる(株主を募る)計画がないのであれば、合同会社という選択も良いでしょう。しかし、そうでなければ株式会社の社会的信用度は持分会社よりは高くなります。

2.資金調達を受ける際に、合名会社や合資会社は珍しいため「なぜこの会社形態にしているのですか?」と質問を受けることも想定されます。明確な理由があればよいのですが、「会社設立費用を節約したくて」だけの理由であれば、「事業主として今後事業を発展できるのだろうか」と融資担当者が疑問に思うケースもあるかもしれません。

3.会社として消費者から訴えられるという緊急事態も予測しておきましょう。株式会社の場合、代表者の責任は有限ですが、それ以外の会社形態では無限責任を伴います。

4.会社経営をどのように広げていくのかという将来性も会社形態に関わります。M&Aを絶対にしない、家族などの少人数だけでずっとやっていくつもりだ、という明確な理由がないのであれば、株式会社にするべきです。

5.4つのすべての会社で共通のことですが、会社として従業員を雇うと、社会保険を支払わなくてはいけません。そのお金も考慮して、個人事業主でい続けるか会社設立をするかを計画しましょう。

6.株式会社では設立時の書類の他、毎年の決算書類といった事務作業がたくさん発生します。書類をたくさん提出する代わりに、責任が有限になっていると言っても過言ではありません。

小規模な家族経営なのに、本当にこの決算書類の提出が必要なのか?とよく考えてみましょう。

まとめ

会社設立にかかる費用は株式会社より持分会社(合同会社、合名会社、合資会社)の方が安くなります。けれども、設立費用だけではなく、各会社のメリットとデメリット(会社不祥事があった際の責任や会社経営の決定権など)についても考慮し、適切に設立する会社形態を選ぶことをおすすめします。

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