日本政策金融公庫の創業融資における担保を解説

建設業や不動産業など、独立開業を考えている人の中には、日本政策金融公庫から創業融資を受けることを検討している人もいますよね。その際、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人もいるのではないでしょうか。

当記事では、日本政策金融公庫の創業融資における担保を解説します。担保を提供するメリットとデメリットも解説するため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人は参考にしてみてください。

まずは日本政策金融公庫が担保として認めているものを把握しておく

日本政策金融公庫から創業融資を受ける場合、必ずしも担保を提供できるとは限りません。提供を考えている資産が担保として認められない可能性もあるため、まずは日本政策金融公庫が担保として認めているものを把握しておきましょう。

担保とは、債務の履行を保証するために差し出される資産や権利のことです。債務者が債務を履行しない場合に備えるものとなるため、創業融資を受けるときの条件として担保を提供するならば、日本政策金融公庫が担保として認めたものを提供することになります。

【日本政策金融公庫が担保として認めているもの】

項目 概要 具体例
担保として認められる傾向があるもの 実物資産 ・土地
・建物
担保として認められない傾向があるもの 金融資産 ・株式
・投資信託

日本政策金融公庫が担保として認めているのは「実物資産」です。実物資産は物理的な形を持つ資産のことですが、土地や建物などの不動産は担保として認められる傾向があるため、創業融資を受けるときの条件として担保を提供できる可能性があります。

日本政策金融公庫が担保として認めていないのは「金融資産」です。金融資産は現金やそれに準ずる資産のことですが、株式や投資信託などの有価証券は担保として認められない傾向があるため、創業融資を受けるときの条件として担保を提供できない可能性があります。

なお、担保として認められるかどうかは担当者の判断にもよります。実物資産だったとしても担保として認められるとは限らず、あくまでも担当者の判断によるため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人は留意しておきましょう。

日本政策金融公庫の場合は担保を提供せずとも創業融資を受けられる

日本政策金融公庫の場合は担保を提供せずとも創業融資を受けられる可能性があります。所定の条件を満たしている人は担保を提供せずとも創業融資を受けられるため、日本政策金融公庫から創業融資を受けたい人はその前提を踏まえておきましょう。

日本政策金融公庫から創業融資を受けるときは、まずは「新規開業資金」を検討することになります。そして、日本政策金融公庫の公式サイトにある「新規開業資金」には、「担保や保証人はご希望を伺いなら相談させていただきます」といった旨が記載されています。

しかし、日本政策金融公庫の公式サイトにある「創業融資のご案内」には、「新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方は原則として無担保無保証人で各種融資制度をご利用いただけます」といった旨が記載されています。

「新規事業を始める人」や「事業開始後税務申告を2期終えていない人」ならば、担保を提供せずとも創業融資を受けられる可能性があります。担保の観点から気になる点や知りたい点がある人は日本政策金融公庫の担当者に相談することを検討してみましょう。

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次は担保を提供するメリットとデメリットを押さえておく

日本政策金融公庫に担保を提供する場合、メリットとデメリットがあります。担保の提供は一長一短の側面があるため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人はメリットとデメリットを押さえておきましょう。

【担保を提供するメリットとデメリット】

項目 概要
メリット 特別利率が適用される
デメリット 資産を失うおそれがある

日本政策金融公庫に担保を提供する場合、特別利率が適用される半面、担保として提供した資産を失うおそれがあります。担保の提供は一長一短の側面があるため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

担保を提供するメリットは特別利率が適用される点

日本政策金融公庫に担保を提供するメリットは特別利率が適用される点です。日本政策金融公庫の場合は基準利率と特別利率が用意され、担保を提供することにより、特別利率が適用される可能性があるため、日本政策金融公庫に担保を提供するメリットとして挙げられます。

金融機関から融資を受けた後は元本と利息を支払うことになります。利息は利率(金利)をもとに計算され、利率が高ければ高いほど、利息の支払額は多くなるため、利率は借入先となる金融機関を決めるときの判断材料のひとつになります。

日本政策金融公庫の場合は基準利率と特別利率が用意され、特定の条件を満たしている人は特別利率が適用されます。無担保でも創業融資を受けられますが、有担保による創業融資を希望することにより、基準利率よりも低い特別利率が適用される可能性があります。

なお、基準利率と特別利率は毎月見直されます。日本銀行の政策金利など、あらゆる角度から見直された結果、基準利率と特別利率は変更される可能性があるため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人は留意しておきましょう。

担保を提供するデメリットは資産を失うおそれがある点

日本政策金融公庫に担保を提供するデメリットは資産を失うおそれがある点です。担保の提供は抵当権の設定を伴う関係上、返済不能に陥ったときは担保として提供した資産を失うことになるため、日本政策金融公庫に担保を提供するデメリットとして挙げられます。

抵当権とは、担保における債権者の権利のことです。抵当権の設定により、債務者は融資の条件が優遇されますが、債権者は担保として提供された資産の権利を得るため、債務者が返済不能に陥ったときは担保が競売にかけられ、提供した資産を失うことになります。

日本政策金融公庫の場合も同様、抵当権の設定により、債務者は融資の条件が優遇されますが、日本政策金融公庫は担保として提供された資産の権利を得るため、債務者が返済不能に陥ったときは担保が競売にかけられ、提供した資産を失うことになります。

なお、抵当権には、第一順位と第二順位があります。抵当権の順位は登記の順番を表していますが、日本政策金融公庫に担保を提供するときは第一順位である必要はないため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人は留意しておきましょう。

最後は提出書類を確認しておく

日本政策金融公庫に担保を提供する場合、担保に関する書類を提出することになります。権利関係や所有者を証明する書類を提出することになるため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人は提出書類を確認しておきましょう。

【担保を提供するときに提出する書類】

  • 不動産登記簿謄本
  • 登記事項証明書(全部事項)

日本政策金融公庫に担保を提供する場合、原則として「不動産登記簿謄本」または「登記事項証明書(全部事項)」を提出することになります。その他の書類が必要になる可能性もありますが、その場合は日本政策金融公庫の担当者から必要となる書類を教えてもらえます。

なお、担保に関する書類は借入申込書に添付することになります。その後、日本政策金融公庫に提出することになるため、担保に関する書類に不安がある人は申込前に一度、日本政策金融公庫の担当者に相談することを検討してみましょう。

担保に関するQ&A

今回は担保に関する内容をQ&A形式にまとめました。創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人はそれぞれの質問と回答を参考にしてみてください。

【担保に関するQ&A】

質問 回答
株式は担保として認められるか? 可能性としてゼロではないが、ほぼ取り扱っておらず、まずは支店の担当者に相談することになる。
自動車は担保として認められるか? 可能性としてゼロではないが、ほぼ取り扱っておらず、まずは支店の担当者に相談することになる。
親の不動産は担保として認められるか? 提供者が親族ならば、担保として認められる可能性がある。ただし、まずは支店の担当者に相談することになる。
担保の評価はどのようにして決まるのか? 売買価格や流通価格などのあらゆる要素から評価する。一概に言うことはできず、まずは支店の担当者に相談することになる。

担保として考えられるものはいろいろありますが、担保として認めるかどうかを判断するのは日本政策金融公庫の担当者です。担保を提供できるとは限らず、売買価格や流通価格などのあらゆる要素から評価する関係上、担保の評価を一概に言うこともできません。

気になる点や知りたい点がある人は日本政策金融公庫の担当者に相談することを検討してみてください。日本政策金融公庫の担当者に相談することにより、担保に関する疑問を解消できる可能性があるため、まずは担当者に相談することを考えてみましょう。

まとめ

日本政策金融公庫から創業融資を受ける場合、必ずしも担保を提供できるとは限りません提供を考えている資産が担保として認められない可能性もあるため、まずは日本政策金融公庫が担保として認めているものを把握しておきましょう。

また、日本政策金融公庫に担保を提供する場合、メリットとデメリットがあります。担保の提供は一長一短の側面があるため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人はメリットとデメリットを押さえておきましょう。

なお、日本政策金融公庫に担保を提供する場合、担保に関する書類を提出することになります。権利関係や所有者を証明する書類を提出することになるため、創業融資を受けるときの条件として担保の提供を考えている人は提出書類を確認しておきましょう。

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