中小企業が、融資を受ける場合、他の金融機関に比べ日本政策金融公庫は、金利が安いケースが多いです。
そのため、他の金融機関で融資を受けていた方が、日本政策金融公庫で借り換えをしたい!とお考えになる方も多いです。
では、日本政策金融公庫では、借り換えを行うことができるのでしょうか?
目次
1.日本政策金融公庫は、借り換えに応じてくれない!?
(1)借り換えとは?
まず借り換えとは金利などにおいてより条件の良い借入をして、既存の借入を返済することをいいます。借り換えることで金利が安くなったり、複数の借入を一本化できたりします。
例えば金融機関から500万円を借りて、返済を重ね、残高が300万円になっているときに借り換えを行い、1,000万円を借入します。そして既存の借入300万円を返済し、手元に700万円残るということなります。
(2)リスケジュール(リスケ)との違いは?
リスケジュール(リスケ)とは既存の借入の返済条件を変更することをいいます。例えば月々の返済額を減額してもらったり、返済期間を延長してもらうことです。毎月の返済が厳しくなり、経営を立て直したいという場合などにリスケジュールの対応をするため、いったんリスケジュールをすると基本的に新規で融資を受けるのが難しくなります。
リスケジュールに関して、以下サイトで詳しく解説していますので、ご参照ください。
https://jfc-guide.com/basic-knowledge/2559/
(3)日本政策金融公庫は借り換えできない?
民間の金融機関で融資を受けている方の中には金利が安い日本政策金融公庫で借り換えを行おうと考える方もいらっしゃいますが、日本政策金融公庫では、民間の金融機関の借り換えに応じてくれません。
日本政策金融公庫の借入申込書にも「原則として、他の金融機関の借入金のお借替えにはご利用いただけません。」という記載があります。
(参照)日本政策金融公庫の借入申込書
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/mousikomi190701_dl.pdf

2.日本政策金融公庫が、借り換えに応じない背景は?
日本政策金融公庫は、政府100%出資の金融機関です。
民間の金融機関は、もちろん民間が運営しております。
日本政策金融公庫は一般の金融機関が行う金融を補完することを目的としているため、民間の金融機関の借り換えを行うことは、民間の金融機関の融資額をどんどん減らしてしまうことになり、民間の金融機関は、利息収入が減少してしまうため民業圧迫となってしまいます。
民業圧迫(政府が運営している日本政策金融公庫が、民間の金融機関から業務(利益)を奪うこと)しないためにも、民間の金融機関から、日本政策金融公庫へ借り換えすることを禁止しております。
【ポイント】
民業圧迫しないためにも、日本政策金融公庫は、借り換えができない!
民間金融機関の借入を借り換えすることはできませんが、日本政策金融公庫の借入を日本政策公庫で借り換えすることはできます。
震災や台風などの外的要因により資金繰りに困難を来している場合には借り換えを行うことができる制度があり、日本政策金融公庫ですでに借入がある方が利用できます。
(参照)日本政策金融公庫ホームページ 公庫融資借換特例制度
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/58.html
コロナ融資で注目!コロナ融資を利用した借り換えとは?金利が安くなる?
公庫ですでにお金借りている方が追加で融資を受ける場合、既存の借入金を借り換えることは可能です。
既存分の金利まで安くなる仕組みを動画で解説しておりますので、ぜひご参照ください。
3.借り換えはできないが、追加で必要な資金の融資は可能?
民間の金融機関で、融資を受けていた方が借り換えではなく、追加で資金が必要になったため日本政策金融公庫で融資を受けることは可能です。
その際には既存融資の返済を遅滞なく、返済していることが前提となっていたり、追加融資を受けるためのポイントがあります。
追加融資に関して、以下サイトで詳しく解説していますので、ご参照ください。
https://jfc-guide.com/financing-guide/11321/
【ポイント】
日本政策金融公庫では、民間の金融機関から借りているお金を借り換えすることはできないが、追加融資であれば問題なし!
4.スタートから、日本政策金融公庫で融資を受けた方がベストなケースが多い?
日本政策金融公庫では、新創業融資制度を用いた場合原則として無保証人で融資を受けることができます。
金利も安く、融資を受けるまでの時間も短いことから、初めて融資を受ける場合には、日本政策金融公庫で融資を受けることがベストな選択と言えるでしょう。
代表者保証なしの日本政策金融公庫の融資制度を詳しく動画で解説しましたので、保証人なしに興味がある方は一度ご確認ください。
まとめ
日本政策金融公庫は、借り換えをすることができないということをご理解頂けたでしょうか?
借り換えしたいので融資を受けたいのですが?と日本政策金融公庫の窓口にいって相談してしまうと借りられないので、注意が必要でしょう。
資金調達では、絶対にやってはいけないことが複数あります。
借りる確率を上げたいのであれば、認定支援機関を取得している融資のプロに相談することをオススメしております。