日本政策金融公庫の審査における預金通帳を解説

建設業や不動産業など、起業を考えている人の中には、創業資金として日本政策金融公庫から融資を受けることを検討中の人もいますよね。その際、必要書類のひとつとして提出する預金通帳の情報が知りたい人もいるでしょう。

当記事では、日本政策金融公庫の審査における預金通帳を解説していきます。預金通帳を提出する理由や提出する際の注意点も解説しているため、創業資金として日本政策金融公庫から融資を受けることを検討中の人は参考にしてみてください。

預金通帳を提出する理由は事実確認のため

日本政策金融公庫の担当者に預金通帳を提出する理由は、創業計画書に書かれている内容の事実確認のためです。担当者との面談時は創業計画書をもとに質問されますが、それらの事実確認の一環として預金通帳を確認されます。

具体的には、担当者は申込者の預金通帳から「自己資金」と「借入状況」を確認しています。創業計画書のフォーマットにも自己資金と借入状況を記入する欄はありますが、日本政策金融公庫の担当者はそれらの事実確認として申込者の預金通帳を見ています。

【預金通帳から確認している項目】

項目 概要
自己資金 ・自己資金の有無は?
・自己資金の貯まり方は?
借入状況 ・住宅ローンや自動車ローンなどの借入の有無は?
・クレジットカードやカードローンなどのキャッシングの有無は?

なお、日本政策金融公庫の担当者に「預金通帳では、どのような点を確認していますか?」と質問したところ、「自己資金の内訳に加え、金融機関からの借入があれば、支払状況や返済方法を確認する場合もある」との回答でした。

預金通帳は審査通過を決める判断材料のひとつとして考えられるため、日本政策金融公庫から融資を受けることを検討中の人は、申込前にそれぞれの項目を確認してみましょう。

預金通帳から自己資金を確認している

日本政策金融公庫の担当者は、申込者の預金通帳から自己資金を確認しています。自己資金は審査の合否を決める判断材料のひとつになるため、日本政策金融公庫の担当者は申込者の預金通帳から自己資金の有無や自己資金の貯まり方を確認している傾向があります。

【預金通帳から確認している自己資金の一例】

項目 概要
自己資金の有無 ・自己資金はあるか?
・自己資金の調達方法は?
自己資金の貯まり方 ・自己資金はいつ頃から貯めているか?
・自己資金はどれくらい貯めているか?

日本政策金融公庫の担当者との面談では、創業計画書に書かれている内容をもとに、自己資金の有無や自己資金の調達方法が確認されます。そして、提出した預金通帳と照らし合わせながら事実確認されることになります。

そのため、預金通帳から自己資金の有無や自己資金の調達方法が確認できなければ、日本政策金融公庫の審査に影響する可能性があります。日本政策金融公庫に申し込む予定の人は、自己資金の有無や自己資金の調達方法がわかる預金通帳を用意しておきましょう。

なお、自己資金に関する内容が知りたい人は、「自己資金なしでも日本政策金融公庫から融資を受けられるのか?」を参考にしてみてください。

預金通帳から借入状況を確認している

日本政策金融公庫の担当者は、申込者の預金通帳から借入状況を確認しています。借入状況は審査の合否を決める判断材料のひとつになるため、日本政策金融公庫の担当者は申込者の預金通帳から既存借入の有無や既存借入の返済状況を確認している傾向があります。

【預金通帳から確認している借入状況の一例】

項目 概要
既存借入の有無 ・住宅ローンや自動車ローンなどの借入は?
・クレジットカードやカードローンなどのキャッシングは?
既存借入の返済状況 ・月々の返済額はいくらか?
・遅延や延滞はしているか?

日本政策金融公庫の担当者との面談では、創業計画書に書かれている内容をもとに、既存借入の有無や既存借入の返済状況が確認されます。そして、提出した預金通帳と照らし合わせながら事実確認されることになります。

そのため、預金通帳から既存借入の有無や既存借入の返済状況が確認できなければ、日本政策金融公庫の審査に影響する可能性があります。日本政策金融公庫に申し込む予定の人は、既存借入の有無や既存借入の返済状況がわかる預金通帳を用意しておきましょう。

なお、現状の借入額から創業融資を受けられるか気になる人は、SoLabo(ソラボ)の無料診断をお試しください。4,500件以上の融資サポートの実績がある当社が、現状の借入額から創業融資を受けられるかを診断します。

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預金通帳から支払状況も確認している

担当者の判断によっては、借入状況に加え、申込者の預金通帳から支払状況も確認しています。支払状況も審査の合否を決める判断材料のひとつになるため、日本政策金融公庫の担当者の判断によっては、申込者の預金通帳から口座引き落としの支払状況も確認しています。

【預金通帳から確認している支払状況の一例】

  • 公共料金は滞りなく支払えているか?
  • 携帯電話料金は滞りなく支払えているか?
  • 奨学金は滞りなく支払えているか?
  • 家賃は滞りなく支払えているか?

たとえば、電気代やガス代など、公共料金の支払いを口座引き落としにしている場合には、預金通帳から支払状況を確認されることになります。また、携帯電話料金も同様、毎月の支払いを口座引き落としにしている場合には、預金通帳から支払状況を確認されます。

そのため、遅延や延滞があれば、日本政策金融公庫の審査に影響する可能性があります。日本政策金融公庫に申し込む予定の人は、口座引き落としの支払状況を確認してから申し込むことを検討してみましょう。

なお、公共料金や携帯電話料金などの滞納に心当たりのある人は、「滞納している人は日本政策金融公庫から融資を受けられるのか?」も参考にしてみてください。

預金通帳を提出する際の注意点

日本政策金融公庫から融資を受ける際、提出する預金通帳に関してはいくつかの注意点があります。預金通帳は審査の合否を決める判断材料のひとつとして考えられるため、預金通帳に関する疑問や不安がある人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

【預金通帳を提出する際の注意点】

  • 預金通帳は原本を提出する
  • 預金通帳は口座名義が申込者本人のものを提出する

預金通帳を提出する際の注意点については、申込者の条件に加え、担当者の判断による部分もあります。提出する際の条件が申込者ごとに異なる可能性もあるため、預金通帳に関する不安や疑問がある人は、あくまでも傾向や可能性としてそれぞれの項目を参考にしてみてください。

預金通帳は原本を提出する

日本政策金融公庫から融資を受ける際、預金通帳は原本を提出することになります。預金通帳のコピーは原則として認められないため、日本政策金融公庫の担当者に預金通帳を提出する際は注意が必要です。

たとえば、ネットバンクの場合には、預金通帳の原本は存在しないため、預金通帳のコピーでも認められる傾向があります。しかし、ネットバンク以外の預金口座を利用している場合には、預金通帳の原本が存在するため、原則としてコピーは認められません。

なお、日本政策金融公庫の担当者に預金通帳を提出するのは面談当日です。提出と言いつつ、実際は面談当日に通帳原本を確認してもらい、その日のうちに返却されることになります。

日本政策金融公庫から融資を受けることを検討中の人は、預金通帳の原本を準備しておきましょう。そして、自己資金を貯めている預金口座がネットバンクの人は、日本政策金融公庫の担当者にその旨を事前に伝えておくことも検討しておきましょう。

預金通帳は口座名義が申込者本人のものを提出する

日本政策金融公庫から融資を受ける際、預金通帳は口座名義が申込者本人のものを提出する必要があります。原則として口座名義が申込者本人の預金通帳を提出することになるため、担当者に預金通帳を提出する際は注意が必要です。

たとえば、自己資金を貯めている預金口座が夫婦共同の場合には、その理由を説明すれば、配偶者名義の預金通帳も認められる傾向があります。また、お子さん名義の預金通帳を提出する場合も同様、その理由を説明できれば、お子さん名義の預金通帳も認められる可能性があります。

なお、日本政策金融公庫の担当者に「給与振込や支払いに使用している銀行口座に加え、自己資金を貯めている銀行口座が別にある場合はどうしたらいいでしょうか?」と質問したところ、「面談当日に両方の銀行口座の通帳原本を持参してほしい」との回答でした。

日本政策金融公庫から融資を受けることを検討中の人は、本人名義の預金通帳を準備しておきましょう。そして、配偶者名義の預金通帳やお子さん名義の預金通帳を提出する予定の人は、その理由を日本政策金融公庫の担当者に説明できるようにしておきましょう。

預金通帳を記帳していない人は早めに対応しておく

預金通帳を記帳していない人は、早めに対応することを検討しましょう。預金通帳を提出する際、日本政策金融公庫から提示された期間分を記帳していることが条件になるからです。

たとえば、最近3か月分以上が条件となれば、最近3か月分以上の入出金が記帳された預金通帳を提出する必要があります。また、最近6か月分以上が条件となれば、最近6か月分以上の入出金が記帳された預金通帳を提出することになります。

なお、記帳する期間は、郵送物の中にある「お持ちいただく資料」の用紙に記載されています。郵送物は申込完了後の1週間~2週間以内に届く傾向があるため、2週間以上経過しても郵送物が届かない人は日本政策金融公庫の担当者に連絡してみましょう。

まとめ

日本政策金融公庫の担当者が審査の合否を決める際、預金通帳も判断材料のひとつにしていると推測できます。しかし、預金通帳はあくまでも判断材料のひとつに過ぎず、審査の合否は申込者の情報から総合的に判断されることになります。

そのため、借入先として日本政策金融公庫を検討中の人は、まずは創業計画全体を見直すことも検討してみましょう。創業計画全体がしっかりしていれば、法人や個人事業主などの申込者の条件に関わらず、日本政策金融公庫の審査の通る可能性はあります。

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