自己資金なしでも融資が通るのか?飲食店開業時の融資のポイント

自己資金なしでも融資が通るのか?飲食店開業時の融資のポイント
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

飲食店を開業する場合は店舗物件の取得費用から内装工事、厨房機器の購入など、居抜きであっても200~300万円は最低でもかかります。スケルトンですと1,000万円程度、立地や規模によってはそれ以上の開業資金が必要です 。

そのため、自己資金だけで開業するのは難しい場合が多く、融資を検討される方は多いでしょう。しかし、そこで多くの方にとって不安に思っているのが自己資金です。

今回の記事では、飲食店開業のため融資を受ける際に必要となる自己資金と融資を受けるために押さえておきたいポイントをご紹介いたします。

1.まず開業された方の実態を確認しましょう

①ほとんどの方は自己資金と金融機関からの借入で開業している

日本政策金融公庫総合研究所の「2019年度新規開業実態調査」の結果によると、開業時の資金調達は金融機関等からの借入と自己資金が多くを占めています。金融機関等からの借入の平均ですが、2019年度の場合847万円。自己資金の平均は262万円でした。

開業費用は年々減少傾向です。開業費用の分布を見ると、「500万円未満」の割合が全体の40.1%で、1,991年度の調査開始以来、最も高くなっています。4割の方が500万円未満の資金で開業をしています。

※日本政策金融公庫総合研究所「2019年度新規開業実態調査」参照

②(飲食店の場合)理想通りの店舗のため、高額な融資を希望する方が多い

飲食店の場合の開業資金はどうなのでしょうか。

飲食店の場合、個人差が大きく業態によっても差が出ます。つまり、いくらでもお金をかけようとすればできるし、その逆も然りなのです。

確かに、資金をかけて理想通りのお店にしたい気持ちはよく分かります。すべて自己資金で開業するのであれば、まったく問題ありません。しかし、融資でまかなうとなると、返済負担が大きくなり、経営に支障をきたす可能性があります。

弊社にいただくご相談の中には、2,000万円や1,000万円などかなり高額の融資を希望される方がいらっしゃいます。実際にその金額が開業に必要なのかと確認してみると、実際はその半額以下の資金で開業できる場合が多いです。

融資を受ける場合、融資希望額は適当に決めてはいけません。なぜその金額が必要なのかという根拠を示す資料を提出し、申込人自身が説明できなければいけません。融資希望額を安易に決めている場合は審査にも落ちる可能性が高くなります。

2.飲食店の開業をするための融資はどこから受けられるのか

前述の通り、飲食店を開業時に多くの方は資金調達を行っています。

飲食店を開業する際に利用している方が多いのが「日本政策金融公庫」です。

日本政策金融公庫は政府が100%出資している政府系金融機関で、小規模事業者や中小企業を積極的に支援することを目的としています。日本政策金融公庫を利用することのメリットとしては低金利であったり、原則無担保無保証人で融資を受けられるなどが挙げられます。

他にも消費者金融や金融機関のカードローン・フリーローン、信用保証協会に保証をしてもらう民間金融機関の保証協会付き融資などの資金調達方法がありますが、ここでは日本政策金融公庫から融資を受ける場合の説明をしていきます。

飲食店を開業するならどこからお金を借りるべきかについて下記動画で詳しく解説していますので、ご確認ください。

3.なぜ融資を受けるのに自己資金が必要なのか

融資を受けるためには自己資金が必要と聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。なぜ自己資金が必要なのかというと、

日本政策金融公庫が「創業するに当たって、申込人がコツコツと貯めてきた自己資金では足りない金額を融資します」というスタンスで融資を行っているからです。

自己資金が少なく借入依存の計画である場合、返済負担も重くなり、計画通りに行かなかった際に行き詰りやすくなります。そのため、自己資金をどれだけ準備しているのかが重要な審査ポイントとなっています。

4.自己資金とは

申込人自身名義の通帳でコツコツと貯めているのが自己資金です。知人から借りたお金は自己資金ではありません。

また、自宅などに現金で貯めているお金(いわゆるタンス預金)も基本的に自己資金とは見なされません。貯めてきた履歴が確認できず、そのお金が本当に申込人のものであるかを判断できないためです。

日本政策金融公庫からすると、創業に向けてどれだけ計画的に準備してきたのかを重視しています。そのため、自己資金がまったくないとなると、創業に向けた熱意を感じられず、返済に関しても不安を感じてしまいます。

もちろん貯めてきた金額も重要ですが、長年にかけて通帳でコツコツ少額でも貯めていることが確認できると、審査においてプラスとして評価されます。

インターネット上で自己資金なしでも融資を受けて開業できるという記事を見かけることがありますが、果たして本当でしょうか?

結論からいうと、基本的には難しいです。

もちろん、申込人の状況などにより融資を受けられる可能性はゼロではありません。

例えば、所有している不動産があり、不動産を担保にして融資を受けられる可能性があります。また申込人自身の通帳には預金はないが、配偶者名義の通帳にはある程度の資産がある場合、親御さんやご兄弟から支援をしてもらっている場合など、状況によっては融資を受けられる可能性はあります。

5.自己資金はいくら必要なのか

創業時に利用できるのが日本政策金融公庫の新創業融資制度です。新創業融資制度には自己資金要件があります。

自己資金要件

新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方

例えば創業するために1,000万円かかる計画であれば、100万円の自己資金は準備する必要があります。しかし審査目線でいうと、100万円では借入依存として判断される可能性が高く、できれば300万円程度は準備しましょう。もちろん申込人の状況によって異なりますので、あくまで目安としてお考えください。

そのため自己資金がいくら必要なのかについては、まずは創業するためにどのくらい費用がかかるのかを考えなければなりません。そして、総額が○万円かかるのであれば、自己資金は最低でも○万円、できれば○万円は準備したほうがいいと判断することができます。

申込人毎に状況は異なります。自分の自己資金の状況で融資を受けられる可能性があるのかどうかなど、融資に関して不安がある方は当社SoLaboの借入診断をお試しください。2,400件を超える実績から診断いたします。

自己資金なしでも融資が通るのか?飲食店開業時の融資のポイント

6.飲食店を開業するためにはどういった資金がかかるのか

東京都内で飲食店を開業する場合1,000万円以上かかると言われています。小規模の飲食店でも700万円ほどかかると考えておきましょう。

内訳としては大きく設備資金と運転資金に分けられます。

設備資金とは、保証金などの物件取得費用、内外装工事費用、厨房機器の購入費用、什器・備品の購入費用などがあります。設備資金として融資を受けたい場合にはそれぞれの見積書が必要ですので、準備しておきましょう。

運転資金とは、仕入れ代金、広告宣伝費、従業員の人件費、家賃や光熱費の支払いなどがあります。

中には1年分の運転資金を融資でまかないたいという方がいらっしゃいますが、基本的に難しく、減額される可能性が高いです。3ヵ月分程度までが限度と考えておきましょう。

しかし、3ヵ月で黒字転換するのは大変な場合が多いです。そのため、なるべく経費を抑え、自己資金を潤沢にしておく必要があります。

7.自己資金が少ない場合、融資を受けるためにはどうすればいいのか

自己資金が少ない場合の対策としては大きく4つあります。

①自己資金を貯める

開業を急がないのであれば、より多くの自己資金を貯めましょう。

理想の店舗で始めたいということであれば、より自己資金を準備してから申し込みをしましょう。自己資金に関してはより多く準備することで、融資の可能性を高めることができます。

②事業計画を見直す

なるべく事業規模を小さくします。

例えば、スケルトンの物件であれば、居抜き物件を探しましょう。厨房機器などは新品を購入するのではなく、リースや中古での代替を検討しましょう。内装工事などの見積もりに関して複数の業者に依頼して、より安く対応してくれる業者を探しましょう。

全体の事業計画を縮小することで融資金額も抑えることができます。

③協調融資で進める

協調融資とは2つ以上の金融機関がそれぞれ審査して、申込人が希望する金額を協調して融資することです。

今回でいえば、日本政策金融公庫と民間の金融機関(保証協会付き融資)で申込人の希望金額を審査します。

それぞれの金融機関で審査が行われます。そのため、日本政策金融機関では融資が内定しても、民間の金融機関で融資が不可となった場合、協調できなくなるため日本政策金融公庫も結果として融資不可となりますので、ご注意ください。

④実績で補完する

コンテストなどの受賞実績、雑誌やメディアなどの掲載実績があれば、自己資金を補完できる場合があります。しかし、あくまである程度の自己資金を持っている場合に限られ、自己資金が全くないのを補完できるわけではありませんので、ご注意ください。

今回は自己資金に注目して説明してきましたが、あくまで飲食店での勤務経験があることを前提としています。自己資金が少なく、なおかつ経験もない場合は融資を受けるのは難しいです。

まとめ

創業するにあたって、自己資金は重要な審査ポイントです。自己資金はより多く準備すればするほど融資の可能性を高めることができますし、事業の継続にもつながるでしょう。

誰しも最初から理想の店舗で創業したいと考えます。しかし、自己資金が少ない場合であればできる限り最小限で事業を開始し、売上が軌道に乗り事業が安定してから、理想の店舗作りをしましょう。

飲食店の開業をするために融資を検討しているけれど、審査に不安のある方は専門家に相談するのも選択肢のひとつです。

当サイトを運営するSoLaboも融資のサポート実績が2,400件を超える認定支援機関です。日本政策金融公庫の創業融資に関して不安がある方やご質問がある方は、お気軽に当社へご相談ください。

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