事業計画書は、とりわけ決算書のない創業期においては、融資における第一の判断材料です。融資担当者との面談でも事業計画書に沿って話が進められるため、自分で事業計画書の内容を把握しておくことは重要です。
しかし、創業期の事業計画書作成は、「書くべきことがわからない」、「作成の時間がとれない」といった問題が発生します。このような問題を解決するのが事業計画書作成を専門の代行業者です。
この記事では、創業融資・開業後の融資のように事業段階ごとで、事業計画書作成代行業者の選び方や報酬額、作成期間の目安等について解説します。
なお、当サイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)も、国の認定支援機関として、これまでに4,500件以上の融資をサポートしてきた実績があるため、「事業計画書作成をプロに頼みたい」という方はぜひ一度ご相談ください。
事業計画書作成の代行依頼先と費用・作成期間の相場
事業計画書・創業計画書作成を代行する業者は、会計事務所・税理士事務所のほか、民間のコンサルティング会社、クラウドソーシングで受注する個人など様々です。
事業計画書の作成期間は業者により異なりますが、おおむね5~10日程度を要します。
作成にあたって事業内容のヒアリングから書類作成に入ることが一般的です。
取材方法は、対面でのヒアリングのほか、電話、メール、LINEやZoom、チャットツール等があります。作成後、依頼者が内容を確認して代行が終了することもあれば、業者によっては面談に同行して、融資審査が終わるまでサポートしてくれる業者もいます。
費用の相場は、数万~数十万円程度の固定料金、もしくは融資実行時の成功報酬として資金調達金額の2~5%程度(+着手金)となることが多いです。また、顧問契約が発生する業者も存在するため、必ず料金設定の確認をしてください。
例えば当社株式会社SoLabo(ソラボ)の場合は次のような料金体系です。
料金:借入額の3% または 15万円のいずれか高い方
(完全成功報酬。融資審査に落ちた場合は、一切請求しません。)
例)株式会社SoLabo(ソラボ)で500万円の融資に成功した場合
項目 | 500万円の融資に成功した場合発生する料金 |
---|---|
着手金 | 0円 |
手数料 | 150,000円 |
顧問契約 | なし |
なお事業計画書代行など、資金調達に関わるサポートの報酬額は、出資法第4条(金銭貸借等の媒介手数料の制限)により、調達額の5%以下と決められています。代行業者を選ぶ際は、融資額の5%を超える報酬額を要求してくる業者に注意しましょう。
事業計画書作成代行業者の選び方
創業融資を目的とする場合は融資実績がある業者を選ぶ
創業前や決算を2期経ていない創業融資を目的とする場合、日本政策金融公庫や、信用保証協会の保証付き融資(自治体の制度融資等)のサポート実績が豊富な業者を選ぶとよいでしょう。
これらの金融機関は、銀行のプロパー融資と異なり、創業期の事業者にも積極的に融資を行っています。
また、決算書のない中で説得力のある事業計画書を作るためには、事業のポテンシャルやリスク、業界や競合他社への深い理解が必要です。代行業者の得意とする融資や資金調達実績のある業種をチェックして、適した業者を選びましょう。
当サイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)は4,500件以上の資金調達支援をした実績があり、経験・知識ともに豊富です。
業界に特化した融資に関連する「アドバイス」や「書類の作成代行」で資金調達を支援しています。相談は無料なのでお気軽に問い合わせください。
開業後の融資を目的とする場合は財務に強い業者を選ぶ
2期分の決算を終えた融資の場合、事業計画書だけでなく、確定申告書(個人・法人)や決算書、試算表(法人)などが必要になるため、これらの財務に強い業者を選ぶとよいでしょう。開業後の融資においては、自己資本比率や経常利益といった財務の健全性が融資における重要なポイントになることが一般的だからです。
実績とかけ離れた事業計画書を作っても説得力がなく、融資担当者に「本当に実現できる計画なのだろうか」と不安に思われてしまうため、決算書と整合性のとれた事業計画書を作ることが必要です。
開業後の融資では、事業規模によっては、日本政策金融公庫や信用保証協会だけでなく、銀行のプロパー融資も視野に入るので、希望する場合は銀行からの融資実績もチェックしておくとよいでしょう。
迷ったら経営に関わる幅広い支援を行う認定支援機関を活用
事業計画書作成代行を探しは、経営革新等支援機関(認定支援機関)であることを基準にすとよいでしょう。
経営革新等支援機関(認定支援機関)は、中小企業庁が中心となって審査・認定する、中小企業の経営に関わる一定レベルの実務経験・専門的知識を有する法人・個人のことです。国に認められた認定支援機関からは、事業計画作成支援だけでなく、創業支援や経営改善、金融・財務に関わる実務やアドバイス、そのほか補助金申請や保証料の優遇など、様々な支援を受けることができます。
認定支援機関は全国に35,221機関(2021年04月30日時点*経営革新等支援機関認定一覧から算出)あり、商工会議所・商工会や金融機関、税理士・公認会計士・弁護士・中小企業診断士、民間のコンサルティング業者等が登録されており、中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムで、エリアと「事業計画作成支援」等の用途、支援可能な業種等の条件を入れて検索することができます。
創業融資の場合は「創業等支援」「事業計画作成支援」、開業後の融資の場合は「金融・財務」「事業計画作成支援」に該当する業者を検索すると、目的に合った業者が見つかります。
税理士・会計事務所などは、表立って事業計画作成支援をアピールしていないこともありますが、融資の相談に乗ったり、融資に必要な書類の作成代行をしたりすることが可能な場合がありますので、FAQページや問い合わせで確認してみてください。
認定支援機関検索で相談可能内容から「事業計画作成支援」を選択
認定支援機関から支援を受けることで、以下のような補助金・保証料のメリットがあります。これらの利用も視野に入れている場合は、認定支援機関を利用するメリットが大きくなります。
- 「ものづくり・商業・サービス支援補助金」を申請できる
- 事業承継に関わる補助金・税制優遇が受けられる
- 信用保証協会「経営力強化保証制度」で保証料をおおむね0.2%減額する
- 海外展開に伴う資金調達の支援を受けられる
まとめ
事業計画書の代行を依頼する場合、金融機関との面談を考慮して、口頭でも事業計画書に沿った説明ができるよう準備しておく必要があります。そのため収支計画等の数字の出し方やビジョンの立て方、説明のポイントなどを説明できるよう準備しましょう。
また、事業計画書の代行を選ぶ際は認定支援機関である業者から選ぶことも1つの方法です。認定支援機関から支援を受けることで利用できる補助金や保証料の優遇、融資制度もあります。事業計画書作成支援だけでなく、経営上の様々な支援を受けたい場合は認定支援機関を利用すると良いでしょう。