コロナ禍で起業するスタートアップは銀行からの融資を受けられる?

コロナ禍で起業するスタートアップは銀行からの融資を受けられる?
株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

新型コロナウイルス感染症による世界的なパンデミックによって、経営が危うい企業も少なくありません。本当は起業する計画を立てていたけれど、経済が不安定な状況となってしまったため、起業を一旦保留した方もいるのではないでしょうか。

しかし、コロナ禍と呼ばれるこの状態はいつまで続くのか、いつ経済がよくなるのか誰にもわかりません。落ち着くまで待っていたら、いつまで経っても起業できないのも事実です。

起業に際しては、多くの場合、銀行などの金融機関からの融資が必要となります。そこで今回記事では、起業するスタートアップ企業が、コロナ禍でも銀行を含めた金融機関から融資を受けられるのか、融資を受けるためはどうすればいいかについてご紹介します。

1.コロナ禍で起業するスタートアップへの融資は正直厳しい状況にある

結論からいえば、コロナ禍の現状でスタートアップ企業が融資を受けるのは厳しい状況である、と言わざるを得ません。

民間の銀行はもちろんのこと、起業支援に積極的といわれる公的金融機関の日本政策金融公庫でも、創業のための融資の受付がストップしていた時期もあり、審査遅延が発生したりしています。

日本政策金融公庫では、新型コロナウイルス感染症に起因する融資の相談が、ピーク時には通常の5~10倍になり、以前から付き合いのある企業に対する対応に追われていて、新規の創業支援案件への対応そのものが厳しくなっていました。

また、創業融資の相談ができたとしても、審査通過までのハードルは高いです。それも当然で、コロナ禍での事業計画に感染症対策を盛り込んだり、ビジネスモデルを非対面型などのニューノーマルに対応させたりしないといけません。

多くの企業が対策に試行錯誤し、正解を出せていない中、スタートアップ企業へ向けられる視線も厳しいものになります。特に、新型コロナウイルスの影響を強く受けている飲食業は、通常より融資金額が下がっている事例もあります。

冒頭で述べたように、コロナ禍はいつまで続くのかわかりません。スタートアップ企業が創業するための融資も厳しい状況が続くでしょう。

だからといって、スタートアップ企業が銀行などの金融機関からまったく融資を受けられないというわけではありません。

2.スタートアップが銀行などの金融機関からの融資を受けるには?

スタートアップ企業が銀行などの金融機関から融資を受けるには、コツがあります。

銀行などの金融機関から融資を受けるには「審査基準」を満たすこと

融資を受けられなかったスタートアップ企業の多くは「審査基準」を満たせていません。審査基準を満たしましょう。

満たすべき審査基準は、次の4つです。

1つ目は、ある程度の「自己資金」があること。起業支援の融資において、自己資金は当人のそれまでの計画性、起業意欲を知る要素として問われます。基本的には、これまでコツコツ貯めてきた資金があって、起業の元手に足りないから融資してほしい、という状態が一般的です。

もちろん、中には自己資金が少しもない状態でも受けられる創業融資もありますが、コロナ禍の現状では、まず受けることができないと思った方がよいでしょう。

2つ目に、「経営者自身の経歴や信用情報」がきちんとしていることです。経歴については、業界未経験だとまず融資は難しいでしょう。未経験からのチャレンジは融資審査では「計画性がない」と判断されます。

未経験の業界分野での起業は、通常の状態でも融資を受けるのは難しいと言われているので、コロナ禍ではまず通らないでしょう。創業融資ではおよそ6年の業界経験が欲しいところですが、起業の前に最低でも1年以上の業界経験を積んだ方がよいでしょう。

3つ目は「明確な事業計画」があることです。実現可能性の高い事業計画になっているか、銀行などの金融機関が納得できる根拠を提示できるかを確認してみましょう。

売上を達成するまでの計画やビジネスモデルは、十分な業界経験があっても、どこか楽観的になってしまいがちです。自分でも念を入れすぎだと思うくらいに念を入れたうえで、コロナ禍での感染症対策などを含めて現実的な内容かを確認してください。協力会社や顧客リストがすでにあれば、提出できるようにするといいでしょう。

4つ目に「調達したい資金額と用途」が明確であることです。これは創業融資に限った話ではありませんが、ある使いみちのために受けた融資を、異なる用途に回すことはできません。たとえば、運転資金として必要な材料を買うと言いつつ、融資のお金で店舗用の土地の購入することはできません。

また、融資を受けるのであれば、返済計画も明確にしたうえで借りる金額を決め、その妥当性を証明することも重要です。例えば物品を購入するのであれば、その見積をとったうえで融資審査に臨むなどの姿勢が求められます。どちらも不明確なままでは融資審査は通らないので注意しましょう。

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3.スタートアップ起業で検討したい融資

スタートアップの起業時にまず検討したい融資制度をご紹介します。

(1)日本政策金融公庫から融資を受ける

日本政策金融公庫は、政府が100%出資する政府系金融機関で、民間金融機関ではサポートが難しい取り組みの中でも「創業支援」を重点的におこなっています。低金利・無担保・無保証で融資を受けることができ、申し込みから実行までが比較的スピーディーなのもポイントです。また、一度でも日本政策金融公庫の融資の審査基準を通過すると、他の金融機関からの評価も高くなるため、融資を受けやすくなる傾向があります

初めて申し込む際には融資審査の申し込みの必要書類の数が多かったり、自力で申し込んだ場合は審査通過率が低かったり(起業時の融資支援を得意とする認定支援機関を介して申し込んだ方が安全)といったデメリットもありますが、経営者の視点で考えればメリットの方が上回るでしょう。

日本政策金融公庫は創業時期だけでなく、状況に応じて融資の相談に乗ってくれるので、ぜひ利用したいところです。メルマガやセミナーで事業を行っていく上で有益な情報も定期的に発信されています。

ただし前述したとおり、コロナ禍の現在は創業融資に関して、審査に遅れが生じている支店もあるようです。新規の創業支援受け入れも厳しくなっているので、申請する前に一度電話で確認してみるといいでしょう。

当サイトを運営する株式会社SoLabo(ソラボ)も、国の認定支援機関として、日本政策金融公庫の融資をサポートしております。相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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(2)制度融資を受ける

制度融資は主に地方自治体、民間金融機関、信用保証協会の三者が連携して融資を実行する制度です。通常は、起業前で信頼力の低いスタートアップ企業が民間金融機関から十分な融資を得られることは厳しいでしょう。

制度融資の場合は、自治体の支援と信用保証協会が「保証人」として企業の責務を保証することで信用力が補完され、スタートアップ企業でも融資を受けやすくなります。

自治体に金利を補填してもらえる場合があるため、低金利で借り入れできるメリットがある一方で、デメリットとして手続きが煩雑であること、申し込みから融資実行まで時間がかかることがあげられます。また、金利以外に「信用保証料」が発生することも注意しておきたい点です。制度要件や内容が自治体ごとに異なりますので、それぞれの自治体に確認してみましょう。

(3)信用金庫から融資を受ける

信用金庫は地域密着の金融機関であり、起業するときの融資を受けやすい金融機関です。初めて融資を受ける際には基本的に信用保証協会の保証をつける保証協会付き融資を提案されます。前述した制度融資も保証協会付きの融資の一種ですが、信用保証協会にも創業を支援する制度があります。

信用金庫は地域の人々や中小企業のための金融機関であるため、最初に融資を受けてきちんと返済すれば、長期にわたって良好な関係性を築くきっかけとなり、将来的に継続して融資を受けられる可能性も生まれます。

ただし、信用保証協会での審査があるため、申し込みから融資実行までの期間が長く、2~3か月程度はかかってしまうデメリットには注意しましょう。

いずれにせよ、融資を受けるのであれば、まずは日本政策金融公庫を検討するのがよいでしょう。日本政策金融公庫から融資を受けることができれば、信用金庫から融資も受けられる可能性が高まるのです。

4.まとめ

コロナ禍でもスタートアップ企業が融資を受けられる方法をまとめました。きちんと準備を整えさえすれば、融資を受けられる可能性は十分にあります。

但し、当然ながらコロナ対策としてどのような対応を考えているか、コロナによる事業への悪影響がないかなども審査で見られるポイントになるため、きちんとした事業計画をもって審査に臨みましょう。

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