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開業するなら受けるべき?創業融資のメリットとデメリットを解説

「美容室」「飲食店」などの開業準備をしている人の中には、創業融資を検討している人もいるでしょう。自己資金のみで開業する場合と比較して、創業融資を受ける場合のメリットとデメリットを知りたい人もいるかもしれません。

当記事では、創業融資のメリットとデメリットを解説します。開業に向けて資金の準備をしている人は参考にしてみてください。

創業融資を受けるメリット

自己資金のみで開業した場合と比較すると、創業融資を受けるメリットはいくつか挙げられます。創業融資を検討している人は、まずはメリットを押さえておくことにより、自身が創業融資を申し込むかどうかの判断材料としてみてください。

【創業融資のメリットの例】

  • 開業資金の不足を補てんできる
  • 事業計画書を金融機関から評価される
  • 金融機関の利用実績ができる

創業融資を受けるメリットとして「開業資金の不足を補てんできること」「事業計画書を金融機関から評価されること」「金融機関の利用実績ができること」が挙げられます。メリットと感じるかどうかは個人の状況により異なりますが、創業融資を検討している人はそれぞれのメリットを確認してみましょう。

開業資金の不足を補てんできる

創業融資を受けるメリットのひとつは「開業資金の不足を補てんできること」です。創業融資は自己資金だけでは足りないお金を調達できる方法のため、自身の思い描いた創業計画を実現できる可能性があります。

創業融資によって足りない資金を補てんすることにより、事業計画の選択肢が広がります。「設備の導入」「従業員の雇用」など、資金が増えることにより開業に使える予算が増えるため、事業計画の選択肢が広がる可能性があります。

創業融資によって足りない資金を補てんすることにより、事業開始後の資金繰りの安定につながります。創業後は事業が軌道にのるまで時間がかかる傾向にあるため、創業融資によってその期間の資金繰りをまかなえる可能性があります。

なお、日本政策金融公庫総合研究所の「2023年度新規開業実態調査」によると、開業費用の中央値は550万円でした。業種や事業内容によって開業費用は異なりますが、自己資金が不足しているかどうかは、550万円をひとつの目安として判断することを検討してみてください。

金融機関から事業計画書を評価される

創業融資を受けるメリットのひとつは「金融機関から事業計画書を評価されること」です。創業融資を受けるときは、原則として事業計画書をもとに審査されることになるため、自身が立てた事業計画に対し、金融機関の担当者の意見を聞くことができます。

事業計画書が評価されることにより、自身の事業の強みや弱みが可視化できる可能性があります。事業の印象や計画の実現性など、審査の担当者から直接意見をもらうことにより、自身では気が付かなった事業の強みや弱みが見つかる可能性があります。

事業計画書が評価されることにより、金融機関がもっている情報を共有してもらえる可能性があります。「同業種の平均収益」「取引先の紹介」など、金融機関がもっているノウハウや情報を共有してもらえる可能性があります。

創業融資を受けずとも事業計画書は作成できますが、創業融資を受けることにより事業計画書に対する評価がもらえます創業融資を検討している人は、金融機関の担当者から事業計画に対する意見を聞ける機会と捉えることも検討してみてください。

金融機関の利用実績ができる

創業融資を受けるメリットのひとつは「金融機関の利用実績ができること」です。金融機関の利用実績をつくることにより、金融機関からの信頼を得られ、創業後の継続した取引につながる可能性があります。

創業融資を受けたあとは、原則として金融機関へ毎月返済していきます。毎月遅延なく返済することにより、金融機関への返済実績が積み重なるため、金融機関からの信頼を得られる可能性があります。

創業融資を受けることは、金融機関の審査に通ったことを示します。金融機関の利用実績をつくることにより、その金融機関の審査に通ったことを対外的に証明することができるため、他の金融機関からの信頼を得られる可能性があります。

創業時以外にも融資を活用する場面は考えられます。金融機関と関係をつくっておくことにより、急な資金需要に対し、融資の相談に応じてくれる可能性があるため、創業融資を検討している人は金融機関との関係構築によるメリットを認識しておきましょう。

創業融資を受けるデメリット

自己資金のみで開業した場合と比較すると、創業融資を受けるデメリットはいくつか挙げられます。創業融資を検討している人は、デメリットも押さえておくことにより、自身が融資を申し込むかどうかの判断材料としてみてください。

【創業融資のデメリットの例】

  • 月々の返済や利息の支払いが発生する
  • 資金の使い道が限定される
  • 信用情報に履歴が残る

創業融資を受けるデメリットとして「月々の返済や利息の支払いが発生すること」「資金の使い道が限定されること」「信用情報に履歴が残ること」が挙げられます。デメリットと感じるかどうかは個人の状況により異なりますが、創業融資を検討している人はそれぞれのデメリットを確認してみましょう。

月々の返済や利息の支払いが発生する

創業融資を受けるデメリットのひとつは「月々の返済や利息の支払いが発生すること」です。創業融資を受ける場合は、返済予定表に沿って毎月遅れなく返済しなければならないため、返済シミュレーションを参考に返済計画を立てることになります。

【返済シミュレーションの例】

融資条件の例 返済シミュレーションの例
融資金額:100万円
返済期間:5年間
金利:2.60%
返済総額:1,066,083円
その内利息:66,083円
1年目の返済額:223,617円
融資金額:500万円
返済期間:5年間
金利:2.60%
返済総額:5,330,417 円
その内利息:330,417円
1年目の返済額:1,118,083円
融資金額:1,000万円
返済期間:7年間
金利:2.60%
返済総額:10,920,834 円
その内利息:920,834円
1年目の返済額:1,671,547円

※日本政策金融公庫「事業資金用 返済シミュレーション」を参考にし、株式会社SoLaboが作成

「融資金額100万円」「返済期間5年間」「金利2.60%」の融資条件の場合、支払う利息の総額は66,083円です。1年目の返済総額223,617円から割り出される1か月の返済金額は20,000円ほどになるため、返済計画を立てるときは月20,000円の支出を含めることになります。

「融資金額1,000万円」「返済期間7年間」「金利2.60%」の融資条件の場合、支払う利息の総額は920,834円です。1年目の返済額総額1,671,547円から割り出される1か月の返済金額は140,000円ほどになるため、返済計画を立てるときは月140,000円の支出を含めることになります。

なお、返済シミュレーションはあくまでも目安です実際の返済金額は融資が確定したあとでなければ分からないため、シミュレーションを活用しつつ、創業後に毎月返済できる金額かどうかを検討してみましょう。

資金の使い道が限定される

創業融資を受けるデメリットのひとつは「資金の使い道が限定されること」です。当初の予定と異なる資金の使い方をした場合、融資金の返還が求められる可能性があるため、創業融資を検討している人は押さえておきましょう。

たとえば、創業融資を利用して設備を購入する場合、設備の見積書を提出します。見積書に記載された情報と異なる設備を購入した場合、創業融資を受けたあとに融資金額の返還を求められる可能性があります。

また、創業融資を利用して店舗を賃貸する場合、賃貸契約書を提出します。賃貸契約書に記載された情報と異なる物件を契約した場合、創業融資を受けたあとに融資金額の返還を求められる可能性があります。

なお、創業融資を個人の生活費用に充てることは認められない傾向があります。事業に関連する費用を支援する融資制度であるため、個人の生活費用に充てている場合は、融資金額の返還が求められる可能性があることを留意しておきましょう。

信用情報に履歴が残る

創業融資を受けるデメリットのひとつは「信用情報に履歴が残ること」です。創業融資に申し込むと、個人信用情報機関に情報が登録されるため、創業融資を検討している人は信用情報に登録されている情報を確認しておきましょう。

信用情報に登録されている情報

項目 内容
本人を特定するための情報 氏名、生年月日、性別、住所、電話番号、勤務先、勤務先電話番号、運転免許証の記号番号など
申し込みに関する情報 申込日や申込商品の種別など
契約内容に関する情報 契約日、契約種類、契約金額、貸付日、貸付金額、保証額など
返済状況に関する情報 入金日、入金予定日、残高金額、完済日、延滞など
取引事実に関する情報 債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡など

創業融資を受けると、信用情報機関に登録されます。「契約内容に関する情報」「返済状況に関する情報」などが登録されるため、信用情報を開示した人は誰でも、創業融資の借入状況を確認できます。

信用情報は信用取引を行う場合に開示請求される傾向があります。創業融資を受けた後に、「住宅ローン」「個人のクレジットカード」などを契約する場合、創業融資の情報が審査に影響する可能性があります。

なお、創業融資が否決になった場合も信用情報に登録されます。信用情報は融資に申し込んだ時点で登録されるため、創業融資を受けられなかった場合であっても、信用情報に登録される点を留意しておきましょう。

創業後と比較した場合、創業前の方が融資を受けやすい傾向がある

創業後と比較した場合、創業前の方が融資を受けやすい傾向があります。一概には言えませんが、創業前は事業の実績を考慮されずに融資が受けられる傾向にあるため、創業後よりも創業前の方が融資を受けやすい可能性があります。

創業後に融資を申し込んだ場合、金融機関は事業の実績を審査の判断材料とする傾向があります。「過去の利益実績」「過去の販売実績」など、過去のデータが融資の可否を決める材料のひとつとなるため、実績が乏しい場合は融資が受けられない可能性があります。

一方、創業前に融資を申し込んだ場合、金融機関は事業の計画性を審査の判断材料とする傾向があります。「収支計画を立てている」「競合調査を行っている」など、事業の実現可能性が融資の可否を決める判断材料のひとつとなるため、実績の有無は考慮されない傾向にあります。

実績を考慮せずに融資が受けられる可能性があるのは、創業時に融資を受けるときのみです。創業後に融資を受ける場合と比較すると、実績が問われない点は創業融資を受けるメリットのひとつと考えられるため、創業融資を検討している人は申し込むタイミングによるメリットも考慮してみてください。

まとめ

創業融資を受けるメリットとして「開業資金の不足を補てんできること」「事業計画書を金融機関から評価されること」「金融機関の利用実績ができること」が挙げられます。メリットと感じるかどうかは個人の状況により異なりますが、創業融資を検討している人はそれぞれのメリットを確認してみましょう。

創業融資を受けるデメリットとして「月々の返済や利息の支払いが発生すること」「資金の使い道が限定されること」「信用情報に履歴が残ること」が挙げられます。デメリットと感じるかどうかは個人の状況により異なりますが、創業融資を検討している人はそれぞれのデメリットを確認してみましょう。

創業後と比較した場合、創業前の方が融資を受けやすい傾向があります。創業後に融資を受ける場合と比較すると、実績が問われない点は創業融資を受けるメリットのひとつと考えられるため、創業融資を検討している人は申し込むタイミングによるメリットも考慮してみてください。

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