法人として資金調達するときの流れを解説

株式会社や合同会社など、法人として事業を経営している人の中には、資金調達を検討している人もいますよね。その際、法人が利用できる資金調達方法が分からず、法人として資金調達するときの流れを知りたい人もいるでしょう。

当記事では、法人として資金調達するときの流れを解説します。資金調達するときの流れに沿って、それぞれの工程を解説するため、法人として資金調達することを検討している人は参考にしてみてください。

まずは法人として資金調達するときの流れを押さえる

法人として資金調達する場合、いくつかの工程を経ることになります。各工程を押さえることにより、資金調達するときの全体像を押さえることができるため、法人として資金調達したい人は資金調達するときの流れを確認してみましょう。

【法人として資金調達するときの流れ】

  1. 法人向けの資金調達方法を確認する
  2. 事業のフェーズから資金調達方法を検討する
  3. 必要書類の準備を始める

資金調達するときの工程として挙げられるのは「資金調達方法の確認」「資金調達方法の検討」「必要書類の準備」です。資金調達するときの全体像を押さえることができるため、法人として資金調達することを予定している人はそれぞれの工程を確認してみましょう。

①法人向けの資金調達方法を確認する

法人として資金調達するときの最初の工程は法人向けの資金調達方法を確認することです。法人向けの資金調達方法を確認することにより、それぞれの特徴を把握できる可能性があるため、まずは法人向けの資金調達方法を確認してみましょう。

【法人向けの資金調達方法の具体例】

資金調達方法 概要
融資 金融機関から融資を受ける方法。元金返済や利息支払が発生する。法人の場合は個人事業主よりも融資限度額や返済期間の条件が優遇されていることがある。
社債発行 社債を発行することにより、社債権者から借入する方法。元金償還や利息支払が発生する。合資会社や合名会社など、会社法上のすべての会社が利用できる。
事業譲渡 事業を他社に売却することにより、対価を得る方法。M&A手法のひとつ。法人の場合は各事業の独立性が高いため、個人事業主よりも法人のほうが利用しやすい傾向がある。
補助金や助成金 経済産業省の補助金や地方自治体の助成金など、公的資金を受給する方法。事業の内容と制度の趣旨が一致することが前提となるが、法人のみを対象とした制度がある。
クラウドファンディング プラットフォーム上にプロジェクトを公開することにより、支援者から資金を集める方法。法人名を公開することにより、信用力を伝えられる可能性がある。

たとえば、法人向けの資金調達方法として挙げられるのは「社債発行」です。「少人数私募債」や「公募社債」など、社債を発行することにより、債権者から借入する方法となるため、会社法上の会社に該当する場合は社債発行により資金調達できる可能性があります。

また、法人向けの資金調達方法として挙げられるのは「事業譲渡」です。「資産」や「人材」など、事業の一部または全部を他社に売却することにより、対価を得る方法となるため、複数の事業を展開している法人は事業譲渡により資金調達できる可能性があります。

なお、資金調達を急いでいる場合、即日に入金される資金調達方法は限られます。個人事業主も利用できる資金調達方法ですが、即日に入金される資金調達方法として資産を売却する方法が挙げられるため、資金調達を急いでいる人は覚えておきましょう。

即日即金の資金調達方法が知りたい人は「即日即金の資金調達方法はあるのか?」を参考にしてみてください。

株式会社の場合は株式発行が選択肢に入る

株式会社の場合、株式発行を選択肢に入れることができます。株式発行は法人向けの資金調達方法のひとつですが、利用できるのは株式会社のみとなるため、株式会社として資金調達したい人はその前提を踏まえておきましょう。

【株式発行の概要】

資金調達方法 概要
株式発行 株式を発行することにより、投資家から出資を受ける方法。株主から利益還元を期待される。増資となるため、返済義務や利息負担が発生しない。

株式発行は投資家に対して株式を発行することにより、出資を受ける方法です。株式発行は増資となる関係上、調達した資金は負債ではなく純資産となるため、元金返済や利息負担が発生しない点が株式発行の特徴となります。

また、株式を発行した後は株主対応が必要となります。株主の目的のひとつは金銭的なリターンと考えられるため、株式を発行した会社は株主から利益還元を期待されることに加え、持株比率に応じて株主から経営への干渉を受けるおそれがあります。

なお、株式発行による資金調達は、いくつかの手段に分類できます。「第三者割当増資」「株主割当」「公募増資」など、株式を発行する対象者をもとにいくつかの手段に分類できるため、株式発行が気になる人は覚えておきましょう。

資金調達における株式発行の情報が知りたい人は「株式発行による資金調達の方法を解説」を参考にしてみてください。

②事業のフェーズから資金調達方法を検討する

法人向けの資金調達方法を確認した後の工程は事業のフェーズから検討することです。事業のフェーズに応じて検討することにより、資金調達方法を選択できる可能性があるため、法人として資金調達を予定している人は資金調達方法を検討してみましょう。

【事業のフェーズに応じた資金調達方法の具体例】

事業のフェーズ 資金調達方法の具体例
法人設立前~法人設立直後 ・融資(創業者向け)
・株式発行
・クラウドファンディング
法人設立後 ・融資
・事業譲渡
・補助金や助成金

たとえば、法人設立直後の場合は株式発行を検討する方法があります。株式を発行するときは将来性や成長性をもとに出資の可否を判断される傾向があるため、事業実績の乏しい設立直後の法人は株式発行を検討する余地があります。

また、法人設立後の場合は補助金や助成金を検討する方法があります。補助金や助成金を受給するときは財務状況や補助事業計画をもとに採択の可否を判断される傾向があるため、それ相応の事業実績を有している法人は補助金や助成金を検討する余地があります。

なお、今回紹介した方法はあくまでも考え方のひとつです。「創業者向けの助成金」や「上場企業による公募増資」など、異なる考え方もあるため、法人として資金調達方法を選択したい人はその前提を踏まえておきましょう。

法人成りの場合は創業融資の対象外になるおそれがある

法人成りを検討している場合、創業融資の対象外になるおそれがあります。個人事業主としての事業実績を有している関係上、法人成りは創業融資の要件を満たせないことがあるため、法人成りを検討している人は創業融資における要件の具体例を押さえておきましょう。

【創業融資における要件の具体例】

融資制度 要件の具体例
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
全国信用保証協会連合会の「創業関連保証」 事業を営んでいない個人が開始した事業を法人化し、個人創業時から5年未満である

たとえば、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」の要件は事業開始前の人または事業開始後おおむね7年以内の人です。法人成りの場合、個人事業主として開業後に7年を超えている人は日本政策金融公庫の創業融資を受けられないおそれがあります。

また、全国信用保証協会連合会の「創業関連保証」の要件は個人創業時から5年未満の人です。法人成りの場合、個人事業主として開業後に5年を超えている人は全国信用保証協会連合会の創業関連保証を受けられないおそれがあります。

法人成り後に融資を受ける場合、原則として個人事業主の事業期間を通算することになります。要件は融資制度ごとに異なりますが、個人事業主を開業した時期によっては創業融資の対象外となるおそれがあるため、法人成りを予定している人は留意しておきましょう。

③必要書類の準備を進める

事業のフェーズから資金調達方法を検討した後の工程は必要書類の準備を進めることです。資金調達するときは様々な書類の提出を求められるため、法人として資金調達を予定している人は提出する可能性がある書類を確認してみましょう。

【法人が提出する書類の具体例】

項目 具体例
法人の実態を示す書類 ・法人の登記事項証明書
・許認可証の写し
・会社の定款
・印鑑証明書
財務の状況を示す書類 ・貸借対照表
・損益計算書
・勘定科目内訳書
・納税証明書
代表者の情報を示す書類 ・運転免許証
・職務経歴書
・パスポート
・マイナンバーカード

法人が提出する書類として挙げられるのは、法人の実態を示す書類です。「法人の登記事項証明書」や「印鑑証明書」など、法務局から入手する書類が含まれている関係上、入手に時間がかかる可能性があるため、法人の実態を示す書類は計画的に準備することになります。

また、法人が提出する書類として挙げられるのは、財務の状況を示す書類です。「貸借対照表」や「損益計算書」など、直近2期分~3期分の決算書を求められる可能性があるため、財務の状況を示す書類は資金調達先から指定された期間の書類を準備することになります。

なお、必要書類は資金調達方法次第です。「ピッチ資料」「借入申込書」「返済計画書」など、提出を求められる書類は資金調達方法次第となるため、書類を準備する人は資金調達先の情報を確認することを検討してみましょう。

法人設立時の場合は事業計画書を用意する

法人設立時に資金調達する場合、事業計画書の提出を求められる可能性があります。法人設立時は事業実績が乏しい関係上、事業計画書から事業の将来性を伝えることになるため、法人設立時に資金調達する予定の人は事業計画書の概要を確認してみましょう。

【事業計画書の概要】

項目 概要
経歴 「従事した業務」や「取得した資格」など、代表者の職務経歴を記載する
設立動機 「法人の理念」や「事業の目的」など、法人設立に至った動機を記載する
事業内容 「販売する商品」や「提供するサービス」など、事業内容を記載する
販売戦略 「ビジネスモデル」や「ターゲット層」など、販売戦略を記載する
必要資金 「運転資金」や「設備資金」など、経営に必要となる資金を記載する
収益予測 「開業直後の売上高」や「1年後の利益」など、収益予測を記載する

事業計画書の項目のひとつは「経歴」です。「従事した業務」「周囲からの評価」「取得した資格」など、代表者の職務経歴を記載することにより、代表者が法人経営に活かせるスキルを保有していることを資金調達先に伝えられる可能性があります。

また、事業計画書の項目のひとつは「販売戦略」です。「ビジネスモデル」「販売チャネル」「ターゲット層」など、競合する業者と差別化した販売戦略を記載することにより、事業の将来性を資金調達先に伝えられる可能性があります。

なお、法人成りの場合は事業計画書に加え、個人事業主の実績を示す書類を求められる可能性があります。「所得税青色申告決算書」や「売上台帳」など、個人事業主の実績を示す書類が必要となる可能性があるため、法人成りを予定している人は覚えておきましょう。

流れを確認した人は資金調達するときのポイントを確認する

法人として資金調達する場合、いくつかのポイントがあります。ポイントを確認することにより、計画的に資金調達を進められる可能性があるため、資金調達するまでの流れを確認した人は法人として資金調達するときのポイントを確認しておきましょう。

【法人として資金調達するときのポイント】

  • 組織の信用力を伝える
  • 財務の透明性を伝える

法人として資金調達するときのポイントとして挙げられるのは「組織の信用力」と「財務の透明性」を伝えることです。計画的に資金調達を進められる可能性があるため、法人として資金調達したい人はそれぞれの項目を確認してみましょう。

組織の信用力を伝える

法人として資金調達するときのポイントのひとつは「組織の信用力を伝えること」です。個人事業主とは異なり、法人の場合は資金調達先に組織の信用力を伝える必要があるため、法人として資金調達したい人はその前提を踏まえておきましょう。

組織の信用力を伝えたい場合、ガバナンスの整備状況を示す方法があります。「意思決定プロセスの明確化」や「コンプライアンスの徹底」など、法人としてのガバナンスが構築できていることを示すことにより、組織の信用力の評価につながる可能性があります。

また、組織の信用力を伝えたい場合、事業の継続性を示す方法があります。「取引先との契約書」や「リピート率の推移」など、法人としての事業実績をもとに事業の継続性を示すことにより、組織の信用力の評価につながる可能性があります。

なお、資金調達する場合はリスクへの対応策が求められます。「資金ショート」や「人手不足」など、想定されるリスクへの対応策を用意することにより、組織の信用力の評価につながる可能性があるため、法人として資金調達したい人は留意しておきましょう。

財務の透明性を伝える

法人として資金調達するときのポイントのひとつは「財務の透明性を伝えること」です。取引構造が複雑になりやすい関係上、法人の場合は資金調達先に財務の透明性を伝える必要があるため、法人として資金調達したい人はその前提を踏まえておきましょう。

財務の透明性を伝えたい場合、短期間の決算書類を示す方法があります。「月次決算」や「四半期決算」など、短期間の決算書類を示すことにより、直近における資金の動きを把握していることが伝えられるため、財務の透明性の評価につながる可能性があります。

また、財務の透明性を伝えたい場合、資金繰り表を示す方法があります。「差引過不足額」や「翌月繰越額」など、今後の資金繰り表を示すことにより、キャッシュフローの見通しを立てていることが伝えられるため、財務の透明性の評価につながる可能性があります。

なお、資金調達する場合は資金使途の明確化が求められます。「運転資金」や「設備資金」など、調達した資金の使い道を明確にすることにより、資金調達の必然性を伝えられる可能性があるため、法人として資金調達したい人は留意しておきましょう。

初めて資金調達する場合は専門家の支援を受ける方法がある

初めて資金調達する場合、専門家から支援を受けることを検討する余地があります。「法人成り後」や「法人設立時」など、初めての資金調達時は不安や疑問を抱くことが考えられるため、初めて資金調達する人は支援を受けられる専門家を確認してみましょう。

【資金調達の支援を受けられる専門家の具体例】

具体例 概要
税理士 「事業計画書」や「資金繰り表」など、財務書類の作成支援を受けられる。資金調達先に提出する書類の信頼性を向上できる可能性がある。
弁護士 「登記の申請」や「投資契約書の確認」など、法務に関する支援を受けられる。資金調達先との交渉や契約におけるトラブルを防止できる可能性がある。
中小企業診断士 「資金計画の策定」や「経営戦略の策定」など、中小企業に特化した支援を受けられる。資金調達先の選定や資金調達の進め方に関する助言を得られる可能性がある。

たとえば、法人成り後に資金調達する場合、税理士から支援を受ける方法があります。法人成り後は作成する財務書類が個人事業主と異なるため、法人成り後に資金調達したい人は税理士から財務書類の作成支援を受けることを検討する余地があります。

また、法人設立時に資金調達する場合、弁護士から支援を受ける方法があります。法人設立時は登記申請や定款作成が必要となるため、法人設立時に資金調達したい人は弁護士から法人設立と資金調達の両方に関する支援を受けることを検討する余地があります。

なお、専門家を探す場合、中小企業庁の「認定経営革新等支援機関検索システム」を活用できます。中小企業支援に関する知識や実務経験が一定レベル以上にあるとして国の認定を受けた「認定支援機関」を検索できるため、専門家を探したい人は参考にしてみましょう。

まとめ

法人として資金調達する場合、いくつかの工程を経ることになります。各工程を押さえることにより、資金調達するときの全体像を押さえることができるため、法人として資金調達したい人は資金調達するときの流れを確認してみましょう。

また、法人として資金調達する場合、いくつかのポイントがあります。ポイントを確認することにより、計画的に資金調達を進められる可能性があるため、資金調達するまでの流れを確認した人は法人として資金調達するときのポイントを押さえておきましょう。

初めて資金調達する場合、専門家から支援を受けることを検討する余地があります。「法人成り後」や「法人設立時」など、初めての資金調達時は不安や疑問を抱くことが考えられるため、初めて資金調達する人は支援を受けられる専門家を確認してみましょう。

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