資金調達を検討する際、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を考えている人がいるのではないでしょうか。その際、プロパー融資に審査通過するのが難しいという印象を受けた人もいるでしょう。
当記事では、プロパー融資について解説します。意味や借り換えについて解説するので参考にしてみてください。
プロパー融資とは保証なしで融資を受けること
プロパー融資とは、銀行などの金融機関と債務者が第三者の保証を受けない融資のことをいいます。プロパー融資を住宅ローンで使用する場合、プロパーローンと呼ばれることもあります。
具体的には、プロパー融資は保証者がいないため、債務者が返済できなくなった場合、金融機関は融資金の返済を受けられず貸し倒れしてしまいます。
一方で、融資を受ける際に信用保証協会などの第三者機関から保証を受ける保証付き融資の場合、返済が滞った場合に第三者機関が返済を立て替えてくれます。
なお、プロパー融資の借入の限度額や金利は、債務者の事業規模や資金力によって異なります。金融機関に返済能力があると認められた企業であれば、保証付き融資よりも低金利で借り入れできる可能性があります。
プロパー融資を受ける場合は、債務者の資本金や事業規模によって条件が変わるということを覚えておきましょう。
プロパー融資は事業規模が大きいほど使用率が高くなっている
プロパー融資は事業規模が大きいほど使用率が高くなっている傾向があります。
実際に、東京商工会議所が実施した「中小企業金融に関するアンケート調査結果」から、5人以下の事業はプロパー融資の使用率が43.5%なのに対して、51人以上100人以下の企業で86.2%、301人以上の場合は100%という結果が確認できます。
この結果から、小規模な事業は金融機関からの信用力が少ない傾向があるため、金融機関は小口の融資に関しては保証付き融資を勧める傾向にあると考えられます。
プロパー融資は金融機関から提案を受ける傾向がある
プロパー融資は、金融機関が事業規模や資金状況などから判断して、事業者に対して融資の提案をする傾向があります。そのため、事業者からの申請でプロパー融資を受けるのは難しいと考えられます。
金融機関は、債務者が返済できない状況になった場合貸し倒れしてしまうので、返済能力が確かな事業者へ融資を考える傾向があるからです。
ただし、大規模な事業を開始する予定がある場合や、すでに融資を受けていて返済してきた実績がある場合は、金融機関に事業者からの申請を受け入れてもらえる可能性があります。
プロパー融資は、事業者に返済能力があり、貸し倒れの心配がないと判断された場合に、金融機関から事業者へ融資の提案するものと覚えておきましょう。
プロパー融資での借り換えは旧債振替には該当しない
プロパー融資を受けた場合、借り換えに使用することができます。たとえば、借り入れている保証付き融資をプロパー融資で借り換える場合があります。
一方、保証付き融資の場合は借り換え目的で借り入れることを制限しており、これを「旧債振替」と呼びます。旧債振替は信用保証協会が制限しているため、違反した場合は保証債務をおこなわない場合があります。
プロパー融資と保証付き融資では、借り換えについての制限が異なることに留意しておきましょう。
まとめ
プロパー融資とは、金融機関と債務者が保証を挟まずに直接契約することをいいます。債務者が倒産などの理由により返済義務を果たせない場合、金融機関が損失を受けます。
プロパー融資は、事業規模に比例して融資を受けやすくなる傾向があり、301人以上の企業では使用率が100%です。
なお、金融機関では保証付き融資と呼ばれる、債務者が第三者機関の保証を受けて契約を結ぶ融資もおこなっている傾向があります。
プロパー融資は金融機関が事業者の返済能力を確認したうえで、金融機関側から融資の提案される傾向があります。そのため、金融機関に提案しても断られる可能性が高いことに留意しましょう。