日本政策金融公庫の面談内容と質問集を解説

創業資金や開業資金など、創業融資を受けることを目的として日本政策金融公庫に申し込みした人の中には、当日の面談内容が気になる人もいますよね。また、申込者によっては、面談前に担当者から聞かれる質問が知りたい人もいるでしょう。

当記事では、「日本政策金融公庫の面談内容と質問集」を解説します。面談当日の持ち物や場所についても解説するため、日本政策金融公庫の担当者との面談を予約した人は参考にしてみてください。

面談を予約した人は当日までの流れを確認しておく

日本政策金融公庫の担当者との面談を予約した人は、まずは面談当日までの流れを確認しておきましょう。面談当日までの流れを確認しておけば、落ち着いて面談に臨めるからです。

【面談当日までの流れ】

  1. 必要書類を用意する
  2. 当日の服装を決める
  3. 指定の場所に集合する

日本政策金融公庫の面談におけるポイントは「事前準備」です。担当者との面談を予約した人はそれぞれの項目を確認しておきましょう。

必要書類を用意する

日本政策金融公庫の担当者との面談を予約した人は事前に必要書類を確認しておきましょう。面談当日に必要書類を忘れてしまえば、面談が後日になるおそれもあるからです。

【面談当日に必須となる書類】

必要書類 具体例 補足
本人確認書類 ・運転免許証
・パスポート
・在留カード
・特別永住者証明書
・本人確認書類は原本を持参する
・氏名や住所が変わっている人は変更しておく
・いずれもない場合は事前に担当者に相談する
通帳原本 ・預金通帳 ・口座名義が申込者本人のものを持参する
・入出金が記帳されているものを持参する
・ネットバンクの人はPCやスマホを持参する

面談当日に必須となる書類のひとつは本人確認書類です。運転免許証の交付を受けている人は原則として運転免許証を持参しますが、運転免許証の交付を受けていない人は本人確認書類としてパスポートを持参することになります。

その際、本人確認書類に記載されている氏名や住所が変わっている場合には、事前に記載内容を変更しておく必要があります。また、運転免許証とパスポートのどちらもない人は事前に担当者に相談しておきましょう。

そして、面談当日に必須となるもうひとつの書類は通帳原本です。通帳原本は口座名義が申込者本人のものを持参しますが、入出金を記帳していない人は面談当日までに記帳しておく必要があります。

なお、ネットバンクの場合には、パソコンやスマートフォンから入出金の明細を確認してもらうことになります。面談当日はパソコンやスマートフォンを持参し、ネットバンクの口座を担当者に見せられるようにしておきましょう。

面談当日に持参する書類は郵送物に記載されている

面談当日に持参する書類は日本政策金融公庫から届く郵送物に記載されています。具体的には、郵送物の中にある「お持ちいただく資料」の用紙に記載されているため、日本政策金融公庫の担当者との面談を予約した人は確認しておきましょう。

【持参する可能性がある書類の具体例】

  • 源泉徴収票(前年度分)
  • 確定申告書(または決算書)
  • 創業計画書(または企業概要書)
  • 資格証明書(資格取得を証明できるもの)
  • 公共料金の領収書(または公共料金の支払証明書)
  • 不動産の賃貸借契約書(または賃貸物件の説明書)
  • 固定資産税課税証明書(または固定資産税の領収書)
  • 借入の返済予定表(住宅ローンや自動車ローンなど)
  • 許認可証(事業を行っているまたは行う予定の場合)

たとえば、「お持ちいただく資料」に「決算書(直近2年分)」と記載されていれば、直近2年分の決算書を持参する必要があります。また、「預金通帳(最近6ヵ月分以上)」と記載されていれば、6か月分以上の入出金が記帳された預金通帳を持参することになります。

なお、面談前に各種書類を提出していたとしても面談当日は郵送物に記載されている書類を持参する必要があります。また、面談前に担当者から書類提出を求められ、データによる送付ができなかった場合には、面談当日に紙の書類を持参することになります。

「お持ちいただく資料」の用紙が同封されている郵送物は「申込完了後の1週間~2週間以内」に届く傾向があります。2週間以上経過しても郵送物が届かない人や面談当日に書類が揃わない人は日本政策金融公庫の担当者に連絡してみましょう。

手元に商品がある人は面談当日に持参することも検討する

手元に商品がある人は面談当日に持参することも検討してみましょう。商品を持参することにより、担当者との面談時に説明しやすくなるからです。

【商品を持参する際の具体例】

  • ラーメン屋を開業する予定の人:メニューを持参する
  • キャンドルの物販を予定している人:キャンドルを持参する
  • アロハシャツの小売りを予定している人:アロハシャツを持参する

たとえば、物販としてキャンドルを取り扱う場合、そのキャンドルを持参することにより、担当者に実物を見てもらいながら説明できます。日本政策金融公庫の担当者もイメージしやすく、融資の可否を決める判断材料になる可能性もあります。

日本政策金融公庫の担当者との面談を控え、手元に商品がある人はその商品を面談当日に持参することも検討してみましょう。

当日の服装を決める

日本政策金融公庫の担当者との面談を予約した人は面談当日の服装に気を配ることも検討してみましょう。服装に規定はありませんが、最低限のマナーは守る必要がある点に加え、服装はその人を印象付ける要因になるからです。

【面談当日の服装の具体例】

  • スーツ
  • オフィスカジュアル

たとえば、建設業の人は作業着でも大丈夫ですが、汚れが気になる場合は面談当日に着替えることを検討してみてください。また、美容師やアパレル店員など、出勤時の服装が私服の場合には、店舗から面談先に向かう前に着替える方法もあります。

ただし、日本政策金融公庫の面談時の服装は必ずしもスーツにする必要はありません。私服でも問題ないため、不安な人は「半袖や短パンなどのカジュアルな服装を避ける」など、無理のない範囲からできることを検討しましょう。

指定の場所に集合する

面談当日は原則として担当者が指定した場所に集合することになります。面談場所は申込者の最寄りの支店となる傾向があるため、日本政策金融公庫の担当者との面談を予約した人は最寄りにある支店の住所を確認しておきましょう。

【東京都にある支店の具体例】

支店名 住所
東京支店 〒100-0004千代田区大手町1-9-4
東京中央支店 〒104-0033中央区新川1-17-28
新宿支店 〒160-0023新宿区西新宿1-14-9
上野支店 〒110-0015台東区東上野2-18-10
江東支店 〒130-0022墨田区江東橋3-7-8
五反田支店 〒141-0031品川区西五反田1-31-1
大森支店 〒143-0016大田区大森北1-15-17
渋谷支店 〒150-0041渋谷区神南1-21-1
池袋支店 〒170-0013豊島区東池袋1-24-1
板橋支店 〒173-0013板橋区氷川町39-2
千住支店 〒120-0036足立区千住仲町41-1
八王子支店 〒192-0082八王子市東町7-3
立川支店 〒190-8551立川市曙町2-8-3
三鷹支店 〒181-0013三鷹市下連雀3-26-9

日本政策金融公庫の支店は日本政策金融公庫の公式サイトにある「店舗案内」から検索できます。地図検索もできるため、最寄りにある日本政策金融公庫の支店がわからない人は面談当日までに確認しておきましょう。

審査結果が届くまでに2週間前後かかる

日本政策金融公庫の担当者との面談後、審査結果が届くまでに2週間前後かかる傾向があります。面談当日に融資の可否を教えてもらえるわけではないため、日本政策金融公庫の担当者との面談が終了した人は審査結果の連絡を待ちましょう。

日本政策金融公庫の場合、面談後の2週間~3週間後には、担当者から電話による連絡または借用証書が同封された書類が郵送される傾向があります。審査に落ちたことにより、融資が否決となった場合も連絡は来るため、担当者との面談後は審査結果の連絡を待つことになります。

申込者の条件や審査の状況によりますが、審査結果が届くまでに2週間前後はかかる傾向があります。審査期間と審査結果に関する情報が知りたい人は「日本政策金融公庫の審査期間と審査結果を解説」も参考にしてみてください。

面談を予約していない人は注意事項を確認しておく

申込完了後、日本政策金融公庫の担当者からの連絡待ちの人は事前に面談における注意事項を確認しておきましょう。注意事項を確認しておけば、自身の状況と照らし合わせながら担当者に相談したい点を明確にできるからです。

【面談における注意事項】

  • 面談日時は平日の営業時間内のみ
  • 代理人による面談は認められない
  • 面談なしになることはない

面談における注意事項については、申込者の条件に加え、担当者の判断によるところがあります。日本政策金融公庫の面談に関する不安や疑問がある人はあくまでも傾向や可能性としてそれぞれの項目を参考にしてみてください。

面談日時は平日の営業時間内のみ

日本政策金融公庫の担当者との面談を予約していない人はこれから面談日時を決めることになります。その際、面談日時は原則として担当者に提案された候補日時から選択することになるため、これから面談日時を決める人は注意が必要です。

【担当者から提案される候補日時のイメージ】

  • 10月27日(水)9時~10時
  • 10月28日(木)13時~14時
  • 10月29日(金)16時~17時

※いずれの日時から選択可

申込者ごとに異なりますが、面談時間は30分~1時間程度となる傾向があります。長くても2時間以内に終了する傾向があるため、これから面談日時を決める人は1時間~2時間程度の時間を確保しておきましょう。

なお、日本政策金融公庫の支店の営業時間が平日9時~17時となる関係上、原則として土日祝日や17時以降は面談日時に設定できません。支店の営業時間は全店舗共通となるため、その時間帯が難しい人は日本政策金融公庫の担当者に相談してみましょう。

支店によってはオンライン面談に対応している

対面による面談が難しい人は日本政策金融公庫の担当者にオンライン面談を提案することも検討してみましょう。日本政策金融公庫の支店によっては、オンライン面談に対応しているからです。

たとえば、病気や怪我など、やむを得ない事情があれば、オンライン面談が認められる可能性もあります。また、申込者の状況によっては、電話面談が認められる場合もあります。

ただし、申込者にやむを得ない事情があったとしても、オンライン面談が認められるとは限りません。担当者の判断によっては、面談日時の変更を提案されるため、オンライン面談を希望している人は注意しましょう。

代理人による面談は認められない

日本政策金融公庫の場合、代理人による面談は認められません。申込者本人が面談する必要があるため、代理人による面談を考えている法人関係者や個人事業主の人は注意が必要です。

たとえば、病気や怪我など、やむを得ない事情があったとしても代理人による面談は認められず、オンライン面談や電話面談を提案される可能性があります。また、面談日時が決まっていた場合には、面談日時の変更を提案されることも考えられます。

なお、日本政策金融公庫の担当者に「代理人による面談は認められますか?」と質問したところ、「代理人による面談は認めておらず、お申し込みいただいた事業主様と直接面談することになる」との回答でした。

代理人による面談は認められないため、代理人による面談を考えている法人関係者や個人事業主の人は注意しましょう。

パートナーの同席も認められる場合がある

共同経営のパートナーがいる人は日本政策金融公庫の担当者にパートナーの同席を希望する旨を相談してみましょう。面談に参加できるのは原則として事業主1人ですが、担当者の判断によってはパートナーの同席が認められる可能性があるからです。

たとえば、夫婦2人の共同経営の場合、事業主となる申込者に加え、パートナーとなる配偶者の同席も認められる可能性があります。とくに、パートナーにしか話せない専門的な内容があれば、パートナーの同席が認められる傾向があります。

ただし、日本政策金融公庫の担当者に面談時にパートナーの同席は認められますか?」と質問したところ、「やむを得ない事情があれば、パートナーの同席を認める場合もあるが、基本的には、事業主様との面談をお願いしている」との回答でした。

パートナーの同席が認められるとは限らず、面談に参加できるのは原則として事業主1人です。担当者の判断にもよるため、パートナーと2人での面談を希望する人や面談に参加できるのは何人なのかを知りたい人は、まずは日本政策金融公庫の担当者に相談してみましょう。

面談なしになることはない

日本政策金融公庫の場合、原則として面談なしになることはありません。申込者にやむを得ない事情があった場合も面談は行われるため、これから面談日時を決める人は注意が必要です。

たとえば、病気や怪我など、やむを得ない事情があった場合には、オンライン面談や電話面談を提案される可能性があります。また、面談日時が決まった後に対面による面談が難しくなった場合には、面談日時の変更を提案されることも考えられます。

面談を受けずに融資を受けられることはないため、日本政策金融公庫から創業融資を受けることを検討中の人は予備知識として覚えておきましょう。

コロナ禍でも面談なしになることはない

日本政策金融公庫に申し込む際、コロナ禍により面談なしになる可能性を考慮している人もいますが、原則として面談なしになることはありません。コロナ禍の状況を見つつ、面談方法や面談日時が設定されることになるからです。

たとえば、緊急事態宣言により、外出が難しくなった場合には、担当者からオンライン面談や電話面談を提案される可能性があります。また、申込者の状況や担当者の判断によっては、緊急事態宣言が明けてから面談することも考えられます。

とくに、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)」など、コロナに関する融資制度を希望する人は面談は行われるものとして覚えておきましょう。

利用経験がある人も面談は実施される

初回申込と同様、日本政策金融公庫を利用した経験がある人も面談は実施されます。原則として面談なしになることはないため、数か月前や数年前に日本政策金融公庫を利用した経験がある人は注意が必要です。

たとえば、追加融資を受けたい人も初回申込と同様、担当者と面談することになります。オンライン面談や電話面談が認められる可能性もありますが、原則として担当者との対面による面談が行われます。

日本政策金融公庫を利用した経験がある人も面談は実施されるため、数か月前や数年前に利用した経験がある人は覚えておきましょう。なお、追加融資に関する情報が知りたい人は「追加融資は可能?日本政策金融公庫から2回目の融資を受けるポイント」も参考にしてみてください。

面談時は創業計画書に記入した内容から質問される

日本政策金融公庫の担当者との面談を予約し、その際に質問される内容が気になる人は、まずは創業計画書に記入した内容を説明できるようにしておきましょう。日本政策金融公庫の面談では、原則として創業計画書に記入した内容から質問されるからです。

【創業計画書にある記入項目】

  • 創業の動機
  • 経営者の略歴等
  • 取扱商品とサービス
  • 取引先と取引関係等
  • 従業員
  • お借入の状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し(月平均)
  • 自由記述欄

日本政策金融公庫の担当者に「面談当日はどんなことを聞かれるのでしょうか?」と質問したところ、「創業計画書に記載されている内容から質問する」との回答でした。創業計画書に記入する項目は9項目あるため、それらの項目から質問されることになります。

ただし、融資を希望する背景は申込者ごとに違うため、創業計画書に記入する内容も申込者ごとに異なります。日本政策金融公庫の担当者に質問される内容が気になる人は、まずは創業計画書に記入した内容を説明できるようにしておきましょう。

また、既存事業者の場合は創業計画書ではなく企業概要書に記入した内容から質問されることになります。日本政策金融公庫の担当者との面談を控えている既存事業者の人は企業概要書に記入した内容を説明できるようにしておきましょう。

面談時に想定される質問集

今回は公式サイトや電話による調査から想定される質問集を作成しました。質問される内容は申込者ごとに異なりますが、日本政策金融公庫の担当者との面談が控えている人は参考にしてみてください。

【想定される質問の具体例】

項目 具体例
創業に関する質問 ・「創業の動機は?」
・「創業の目的は?」
略歴に関する質問 ・「過去の経歴や職歴は?」
・「取得している資格は?」
事業に関する質問 ・「事業内容は?」
・「ビジネスモデルは?」
商品やサービスに関する質問 ・「商品やサービスは?」
・「販売先やサービスのターゲットは?」
・「仕入先や販売先は?」
・「この場所にした理由は?」
・「セールスポイントは?」
・「競合や市場を取り巻く状況は?」
・「他社と差別化できそうなポイントは?」
従業員に関する質問 ・「常勤役員の人数は?」
・「現在の従業員数は?」
借入状況に関する質問 ・「住宅ローンや自動車ローンの有無は?」
・「銀行や消費者金融からの借入の有無は?」
・「クレジットカードのキャッシングの有無は?」
資金調達に関する質問 ・「必要な設備資金や運転資金は?」
・「自己資金の調達方法は?」
事業の見通しに関する質問 ・「創業当初の売上高や売上原価は?」
・「軌道に乗った際に想定できる売上高は?」
・「人件費や家賃は?」
・「支払利息は?」
・「今期や来期の目標は?」
・「今後の懸念点と経営課題は?」

日本政策金融公庫の担当者との面談では、創業に関する質問や事業に関する質問に加え、借入状況に関する質問や資金調達に関する質問が想定されます。質問される内容は申込者ごとに異なりますが、日本政策金融公庫の担当者との面談が控えている人は参考にしてみましょう。

まとめ

Q&Aサイトや口コミサイトには、日本政策金融公庫の面談後の感想として「手応えがなかった」「感触が悪かった」「反応が良くなかった」といった投稿も見受けられます。担当者との面談が控えている人は面談当日の持ち物に加え、創業計画書に記入した内容を説明できるようにしておきましょう。

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