事業融資について調べていると、信用情報がブラックな人は融資に落ちるという趣旨の記事をよく見かけることがあります。信用情報とは、クレジットカードの延滞やカードローンの申し込み件数などの賃金にかかわる個人の情報です。
日本では個人の信用情報を3つの信用情報機関が運用しています。今回の記事では、この中の1つであるCICという信用情報機関について詳しく解説していきます。
目次
1. CIC に詳しくなろう!CIC の仕組みとは?
① 931社のクレジットカード会社や信販会社などから成る信用情報機関
CICは主にクレジット会社が共同出資した信用情報機関です。公的機関のようなイメージがありますが、株式会社CIC(かぶしきがいしゃ しーあいしー)という名称で本社は東京都西新宿にあります。賃金法という法律に基づく「指定信用情報機関」として日本で唯一指定されているのがこのCICです。
CICに加盟しているクレジットカード会社は現在300社弱あります。また、それだけでなくCICには以下の機関も加盟しています。これらの機関を数えると合計で931社にも上ります。
信販会社、百貨店、専門店会、保険会社、保証会社、銀行、農協、労働金庫、消費者金融会社、携帯電話会社
そして、何を隠そう、日本政策金融公庫もこのCICと連携しています。信用情報ブラックな方が延滞歴を隠してもバレてしまうのは、このためです。
② CIC はなぜ個人の信用情報を知っているの?信用情報とは?
クレジットカードの利用って借金のようなものです。その延滞をしたということはお金に困っているようで、何だか人に知られたくないですよね。その知られたくない非常にデリケートな個人のお金の情報を、なぜCICは知っているのでしょうか?
実は、あなたは携帯電話を契約している時やクレジットカードを申し込む時の会員規約に「CICに申し込み情報や延滞履歴などの情報を教えますよ」という記載があるのです。
会員規約をじっくり読まない方も多いと思うのですが、あなたがその会員規約に「同意する」というチェックを入れているため、あなたの信用情報はCICに知られているのです。逆に言えば、この会員規約に同意できない人はクレジットカードも作れないですし、携帯電話も契約できないということになりますね。
③ CIC で扱っている信用情報はどんなものがある?
信用情報にはさまざまな種類があります。何月何日にどのクレジットカードに申し込んだとか、残債はいくらあるのか、などの情報です。この信用情報については3つの信用情報機関すべてが持っている定番のものと、各信用情報機関独自に持っているものとの2種があります。
CICが主に扱う信用情報は以下のものです。
(1)信用情報機関すべてが持つ定番の情報
定番情報 | クレジットやローンの 申し込み情報 | クレジット・ローンの 契約と支払い情報 | クレジット会社等が 情報確認した情報 |
具体的な内容 | ・名前 ・申し込んだ契約内容 (キャッシング有り無し、年収、持ち家かどうか、勤続年数など) | ・名前 ・契約した内容 ・毎月の支払い状況
| ・名前など ・情報確認した理由 |
赤字は重要なポイントです。これらの情報はスコアリングシステムとコンピュータによる自動点数化システムが採用されています。
例えば金属1年未満で10点、10年以上で70点というように数値化され一定の足切りがあります。足切りラインは各クレジットカード会社により異なります。
(2)CIC が独自に収集する情報
本人申告情報 | 賃金業協会依頼情報 | 電話帳掲載情報 |
紛失・盗難など本人が 申告した情報 | 日本賃金協会の貸付自粛制度を利用し、本人がCICIに登録を依頼した情報 | 電話帳に掲載されている電話番号や事業名など |
赤字の部分について補足します。
・貸付自粛制度とは?
浪費癖があるなどの理由から、自分自身または一定の範囲内の親族により「勤務先」や「名前」をCICに登録することができます。こうすることで、ご自身が勤務先などを偽りクレジットカードの作成を防ぐことができます。このシステムは賃金業法で定義されており、登録された情報は5年間有効です。
信用情報の概要については、当サイトの以下既存記事でもご紹介しているので、併せてぜひご覧ください。
自分はクレジットカードが作れる人なのか、信用情報開示報告書を見てみよう
信用情報開示報告書の見方を解説!マークの意味と融資不可の判別法
2.融資の際に知っておくべき CIC 対策とは?
①信用情報に自信がないなら、自分の信用情報を事前に確認すべき
信用情報はご自身でも確認できるのはご存知ですか?時間をかけて日本政策金融公庫の融資のために事業計画書を作成し電話連絡しても、信用情報が真っ黒なのであれば融資に通る可能性は非常に低くなります。
無駄な時間をかけないように、「何年か前に携帯代、滞納した気が、、」「何年か前に、クレジットカードの延滞があった気が、、」と自信がない方は以下のURLにアクセスしてCICの信用情報開示にトライしてみましょう。
※上記URLをクリックすると、CICの公式ページにリンクします
②信用情報は5~10年記録されている!信用情報ブラックに気を付けよう
信用情報は以下の期間保持されています。そのため、一度信用情報に傷がつくとその後なかなか融資やクレジットカード作成などができなくなります。不便ですよね。
「クレジットカードのご利用は計画的に」。名言ですね。
まとめ
今回は、信用情報を運用する機関の一つ、CICについて解説いたしました。日本政策金融公庫での融資の際も、この信用情報はしっかりと見られます。
信用情報ブラックにならないよう、気を付けましょう。