資金調達をしてから飲食店を開業するまでの9つのステップとは?

資金調達をしてから飲食店を開業するまでの9つのステップとは?

起業家と同じように、飲食店も事業計画やリサーチなど開業前の準備が重要になります。飲食店を開業する人は非常に多いですが、その一方で廃業する飲食店が多いことも事実。

失敗して後悔しないためにも、飲食店を開業する前は具体的な計画や準備を怠らないように心得ておきたいものです。そこで今回は、飲食店を開業するまでの9つのステップをチェックしていきましょう。

1.資金の問題

飲食店を開業するにあたり、必要な資金を用意しないとスタートできません。もし自己資金で足りない場合には、資金調達する方法も検討しなければなりません。

開業資金はギリギリよりも多いほど安心ですが、一つの目安としては予測した年商の50%を準備しておくと計画が立てやすいです。

たとえば、年商2,000万円が見込めるなら、1,000万円が開業資金の目安。資金の使い道は物件取得費や運転資金など、開業する前に正しく算出しておきましょう。

物件取得費なら店舗の家賃や保証金(敷金)がメインで、内外装の工事費や厨房の設備など購入資金も考えないといけません。さらに、仕入れや人件費といった運転資金も大切です。

一般的に店舗物件の保証金は家賃の10ヶ月分が相場ですが、運転資金については仕入れや人件費、光熱費など店舗の運営に必要な経費を3ヶ月分ほど準備しておくとリスク回避できます。

※家賃相場は、場所によって異なりますので、場所によっては、保証金が3ヵ月程度の場所もあります。

2.資金調達の問題

担保や保証人を準備して民間の金融機関に融資を申し込んでも、開業前で実績がないと借入が難しいです。そうした場合、公的機関の創業支援を利用して融資を受けるという方法があります。

代表的な例が「日本政策金融公庫」や「保証協会の保証付融資」です。ただし、公的機関からの融資であっても、審査に事業計画書や明確なプランが必要になります。

ただ手続きしたからといって、簡単に借り入れできるわけではありません。そこで頼りになるのが「資金調達の専門家」です。

公的機関から融資を受けやすくなるように事業計画書を見直したり、できる限り審査に通りやすいように書類を作りこんだりする資金調達のプロです。

自分で申し込んで失敗すると、しばらく期間が経たないと再び融資を申込できないケースも多いため、一度の申し込みで完璧に融資を受けたい人は資金調達の専門家に相談することをオススメします。

資金調達を成功させるためには、自己資金で最低でも100万円必要です。

今まで100万円以下で融資を受けることに成功した方もおりますが、飲食店を開業させるのであれば、可能であれば、自己資金は100万円以上。欲を言えば300万円以上の自己資金は用意しておくと資金調達の成功確率が高くなります。

3.店舗のコンセプトを決める

飲食店を開業するうえで、コンセプトは非常に大切です。

・出店エリア(店舗の場所)

・業態(どんな商品やサービスを提供するのか)

・ターゲット(どのような客層がターゲットなのか)

・営業時間や定休日(ランチの時間、ディナーのラストオーダーなど)

・一人あたりの客単価

・なぜ、そのサービスを始めようと思ったのか

・どのようにしてさーじすや商品を提供するのか(スタイル)

お店のコンセプト次第で店舗探しや求人、事業計画の組み立てなどが変わってくるので、大まかなイメージではなく具体的にコンセプトを決めておきましょう。

4.競合店をリサーチする

出店しようと思っているエリアに繁盛店や競合店がある場合には、必ずリサーチしておかなければなりません。また、「その場所に出店して本当に客が来るのか」エリアの問題もリサーチする必要があるでしょう。

まずは自分が出店するエリアの繁盛店や競合店に客として入ってみて、「これなら勝負できる」もしくは「勝負するには厳しすぎる」と客観的に判断することが重要です。

・看板の位置、店名

・入口の印象

・外観の見た目

・内装やインテリア

・トイレや洗面所の清潔さ

・テーブルやカウンターの客席配置

・照明の明るさやカラー

・どのようなBGMが流れているか

・POPでオススメ商品がわかるか

・食器やグラスなどの評価

・店内、店外の清掃状況

・メニューのカテゴリや種類

・もっとも高い単価と低い単価

・平均の客単価を予想

・店内の雰囲気や客層

・定員の接客態度や身だしなみ

・注文してテーブルに運ばれてくるまでの時間

・料理のクオリティや味

・駅からの距離 など

5.店舗・エリアのリサーチ

独立して飲食店を開業するにあたり、出店するエリアや店舗のリサーチは必須です。

好立地なエリアや面積が広い物件は賃料が高くなりますし、かといって賃料が安い物件は立地や面積の問題があります。

また、1階の店舗は2階よりも賃料が2倍ほど高く、人気のエリアでは空いている店舗がないという問題も出てくるでしょう。

重要なポイントは、「家賃を払い続けていく」ことを考慮しながら物件を探すこと。見込める売上に対して賃料が高すぎると負担が大きくなります。

これでは、キャッシュフローとして問題です。家賃は、毎月発生する固定費なので、お店の売上が悪い月でも家賃が下がることはありません。

いろんな物件を実際に目で確かめながら、キャッシュフローも視野に入れて繁盛店になるための店舗をリサーチしましょう。

6.仕入先の決定とスタッフの募集

まず、安定した食材や食品を供給してくれて、価格や支払い方法に無理がない仕入先と取引するのが好ましいです。悪質な仕入先は確実に存在します。

たとえば、開店して間もないからと足元を見て質の悪い食材を高値で売りつけたりする業者もいるので要注意。

店舗物件と同じように、いろんな業者をリサーチして仕入先を決めましょう。

また、飲食店を運営していくためにはスタッフの協力も必要です。キッチンとホールに何人くらい必要なのか明確にし、そのうえで人件費に充てられる具体的な費用を計算します。

時給や交通費だけではなく、雇用保険料の負担も確認します。個人事業主なら社会保険の加入は任意ですが、お店として社会保険に加入するのかどうかも決めなければなりません。

社会保険を完備している飲食店には、キッチン・ホールともに優秀な人材が集まりやすい傾向があり、求人のテクニックとして覚えておくのもいいかもしれません。

そして何よりも、スタッフの募集と同じくらい重要なのが、採用した人材の教育です。場面に応じた具体的なマニュアルを作成し、開業前にスタッフ育成の準備を整えておきましょう。

7.事業計画の組み立て

コンセプトが明確になって物件に目処がついたら、開業に必要な資金も具体的に把握できるはずです。事業計画は資金調達で融資を申し込む際、必ず提出を求められます。

「なぜ、その事業を始めようと思ったのか」から「いくら儲かるのか」まで、様々な項目に根拠をもたせながら作り上げていかなければなりません。

とくに売上や利益といった数字は、具体的な根拠が求められます。予測は予測でも、限りなく事実に近い予測を立てる必要があるのです。

売上を予測する方法として、「席数×満席率×回転率×客単価」で算出するのが一般的ですが、ほかにも時間帯にわけて計算しましょう。

融資を受けない人も、事業計画は必要です。事業計画をつくりながら店舗の運営をリアルに予測しておけば、今後の経営に大きく役立つからです。

・なぜ、その事業を始めようと思ったのか

・事業の要点(エグゼクティブサマリー)

・その事業を立ち上げる根拠と経緯

・どのような人材が関わるか(マネジメントチーム)

・会社概要(法人でない場合は事業概要)

・その事業に対する理念

・商品やサービスの概要(どのように商品やサービスを売り出していくか)

・利益が出る仕組み

・市場や競合の分析

・マーケティング戦略(どのように宣伝するのか)

・ビジネスプランのシミュレーション

・その事業をイメージできる内容(オペレーション計画)

・財務(収支)計画

・資金調達について

・リスク管理 など

8.物件の契約と店舗の内外装

早く契約したいと思っても、物件の判断を誤ると後で苦労することになります。物件が決まれば店舗のレイアウトを決めて、業者に内外装を相談するでしょう。

なかでも厨房の導線や設計は重要です。使いやすいことと効率よく作業できる環境を確保するためには、やはりレイアウトと内外装がポイントになります。

そうした点を踏まえながら、慎重に検討してから契約しましょう。また、できる限り低コストで抑えられるように業者との価格交渉もシミュレーションしておくといいですね。

9.各所への届け出

飲食店を開業するなら、保健所や消防署など各所への届け出が必要です。主に「保健所」や「消防署」へ必要書類を提出し、許可が下りれば飲食店を開始できます。

なお、飲食店の開業に調理師免許は必要ありません。飲食店の開業に必要な資格は「食品衛生責任者」と「防火管理者」です。

いずれも指定の場所で開かれる講習を受ければ取得できます。ほかにも、業態によって必要な許可が出てくるため、見落としがないようにチェックしておきましょう。

たとえば「食品営業許可」や「防火管理者選任届」、「深夜における酒類提供飲食営業開始届出書」など、許可なしで始めると厄介なことになるので要注意です。

失敗しないためには準備が重要

「仕事の8割は段取りで決まる」という言葉があるように、飲食店も事業計画やリサーチなど開業前の準備が重要になります。今回ご紹介した9つのステップは、必要最低限のチェックポイントです。

飲食店を開業する人は非常に多いですが、その一方で廃業する飲食店が多いことも事実。失敗して後悔しないためにも、飲食店を開業する前は具体的な計画や準備を怠らないように心得ておきたいですね。

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