
CFOという言葉を聞いたことがありますか?
欧米では一般的に浸透している役職であるCFOは、日本語で「最高財務責任者」と呼ばれます。
最高財務責任者であるCFOと似た役職として、「経理部長」が挙げられます。
経理部長もCFOと同様に会社の財務を管理する役割を果たしますが、この2つの職種にはいくつかの違いがあります。
今回は、CFOの役割と経理部長との違いについてご紹介します。
会社経営の基礎知識として一度確認しておきましょう!
1.CFOとは

CFOは、Chief Financial Officerの略称で、日本語で最高財務責任者と訳すことができます。
会社経営では、財務状況をしっかり把握し、透明化していくことは非常に大切です。
CFOは財務に関する業務を遂行するだけでなく、経営に関しての知識も豊富でなければいけません。

財務の数値を把握して管理することはもちろん、財務状況から判断して、何にどれくらいの資金を使用し、
資金の使用用途によって経営がどのように変化するのかを判断し決定することで社長のパートナーとして大きく経営に関わる重要なポジションです。
欧米ではCFOの認知度は高く、財務戦略をきちんと立てていなければ経営はうまくいかないと言われており、経営陣の一員としての扱いを受けています。
日本ではまだCFOとしての立場を採用している企業は多くなく、経理部長などの会社の経理担当を財務の責任者とすることでとどまることがほとんどです。
しかし、グローバル化が進む昨今では、海外の企業と対等に財務戦略やM&Aなど、
会社資金についてやりとりが出来る、専門的な知識や豊富な経験を持つCFOの活躍が増えてくることでしょう。
2.CFOにはどんな知識が必要?
前述のとおり、CFOは会社の経営陣の一員としての能力が必要です。
経理部長や財務部長ももちろん経理や財務に関しての知識は豊富で、優秀な方が多いでしょう。しかし、CFOは経営陣です。
CFOと、経理部長や財務部長とは別の役職であると考えるとよいでしょう。
(1)社内の財務状況の把握だけでは不十分

経理部長は、経理部のリーダーとして会社の資金状況を把握し、経営者に報告する役割を果たします。
しかし、CFOの場合、財務状況を把握するだけでなく、自社が市場の中でどのような立場なのか、市場はどのように変動しているのかを知っておく必要があります。
そして競合他社と自社の関係値を把握した上で、財務状況を考慮し、これからどのように事業資金を使用していくべきかを、社長に打診します。
経理担当や財務部長は、社内の経理や財務についての把握・管理をしますが、CFOは会社の外の状況も考慮して経営陣の視点から捉える知識が重要視されるのです。
(2)損益のデータから原因を考える

経理担当者や財務部長は、会社の資金について把握し、損益のデータを管理することが職務となります。
しかし、CFOの場合、会社の損益状況を把握するだけでなく、算出した財務状況のデータから、何が原因で今のような状況になったのかを追求し、改善策を考える能力が必要です。
もちろん、経営に関する知識がどれくらいあるかも重要ですが、これまでの経験も大切です。
(3)社長と共に経営に向き合う力が必要!
経理担当や財務部長と違い、CFOは会社の経営陣の一員です。
財務状況などの数値を把握するだけでなく、解決策を考えるちからが必要で、またCFOとしての知識を活かしながら社長と共に会社の成長に尽力することが大切です。
会社経営にきちんと向きあい、財務状況がなぜこうなったのかの根拠を探り、これからの経営のための財務計画を作成する知識がいるでしょう。
また、作成する財務計画は、一辺倒なものでは意味がありません。
様々な市場の変化や、社内の変化を考慮した上で短期・中期・長期的な財務計画を作成するための知識が必要なのです。
(4)CFOには資格が必要?
日本でCFOとして活動するために、必ず取得しなければいけない資格はありませんが、基本的な経理業務などについての知識は必要です。
CFOとして活躍する人の多くが、会計士の資格を所有している、という事実もあります。

また、CFOとして活躍するために持っておくと良いオススメの資格として、日本CFO協会が実施する
- FASS(経理・財務スキル検定)
- CFO資格
などがあります。
3.CFOにはコミュニケーション能力も欠かせない!

これまで何度もお伝えした通り、CFOは会社の経営陣として活躍します。
もちろん、取引先と直接交流することも多いでしょう。
また、CFOは取引先だけではなく、経理を担当している従業員や社長などの経営陣とのコミュニケーション能力も必要です。
また財務に関しての決定権をもっている責任者であることから、リーダーとして周囲に接することはできるかも大切です。
CFOとしての意見や計画を説明し、財務に関する専門知識を理解してもらえるように説明できるスキルも身に付けなければいけません。
4.財務戦略があることで成り立つ会社経営
会社の経理担当や財務部長もとても重要な業務を担当しています。
CFOは財務部門の統括として、経理や財務に関しての業務を取りまとめるだけでなく、経営に関しても大きな役割を果たします。
会社経営に関する知識や、経理財務に関する豊富な知識、これまでの経験などから考慮した財務戦略を作成することで、社長のパートナーとして経営に関わります。
会社の経営には、綿密かつ、様々な状況を想定した財務戦略を作成することが重要です。