日本政策金融公庫の創業融資における金利と利息を解説

飲食店や不動産会社など、 独立開業を予定している人の中には、日本政策金融公庫の創業融資を検討している人もいますよね。そして、日本政策金融公庫の創業融資における金利や利息に関する条件が気になる人もいるでしょう。

当記事では、日本政策金融公庫の創業融資における金利と利息を解説します。利息総額の目安や利息の計算方法に関する内容も紹介するため、日本政策金融公庫の創業融資を検討している人は参考にしてみてください。

設定されている金利は1.0%~3.0%台

日本政策金融公庫の創業融資を前提とする場合、まずは新規開業資金を検討することになります。新規開業資金の金利は1.0%~3.0%台となっているため、日本政策金融公庫の創業融資を検討している人は設定されている金利を確認してみましょう。

【新規開業資金が含まれる国民生活事業の基準利率】

項目 基準利率(2024年9月時点)
無担保かつ税務申告を2期終えている場合 2.35%~3.45%
無担保かつ税務申告を2期終えていない場合 2.60%~3.70%
有担保の場合 1.35%~3.05%

※日本政策金融公庫の公式サイトにある「国民生活事業(主要利率一覧表)」をもとに株式会社SoLabo(ソラボ)作成

新規開業資金における金利の設定範囲は担保の有無により異なります。担保の有無は日本政策金融公庫の担当者の判断次第ですが、担保がある場合は債務の弁済を保証できるため、担保がない場合よりも担保がある場合のほうが低金利となる傾向があります。

また、新規開業資金における金利の設定範囲は税務申告の回数により異なります。無担保の場合に限られますが、税務申告により経営実績を明示できるため、税務申告を2期終えていない場合よりも税務申告を2期終えている場合のほうが低金利となる傾向があります。

なお、日本政策金融公庫の場合、金利の設定範囲は毎月見直されています。金利が変更されるとは限りませんが、社会情勢や景気動向などの観点から金利の設定範囲は毎月見直されているため、借入先として日本政策金融公庫を検討中の人は留意しておきましょう。

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金利に関する条件が優遇される場合がある

日本政策金融公庫の創業融資では、金利に関する条件が優遇される場合があります。金利に関する条件が優遇されれば、利息負担を軽減できるため、日本政策金融公庫の創業融資を検討している人は金利に関する条件が優遇される具体例を確認してみましょう。

【金利に関する条件が優遇される具体例】

項目 具体例
特別利率の適用 「女性」「若者」「シニア」など、申込者の条件次第では、特別利率が適用されることにより、金利が引き下げられる場合がある。
特例制度の活用 「開業後の期間」「事業計画書の内容」など、申込者の条件次第では、特例制度を活用できることにより、金利が引き下げられる場合がある。

たとえば、特別利率の適用により金利に関する条件が優遇される可能性があります。特別利率はAからUの種類がある点に加え、適用の可否は日本政策金融公庫の担当者の判断次第ですが、特別利率が適用された場合は金利が引き下げられることになります。

また、特例制度の活用により金利に関する条件が優遇される可能性があります。特例制度はいくつかの種類がある点に加え、活用の可否は日本政策金融公庫の担当者の判断次第ですが、特例制度を活用できた場合は金利が引き下げられることになります。

なお、今回紹介した制度は一例です。「利益率や雇用の目標を達成した後に利率を引き下げる制度」や「経営者保証が不要となる制度」など、その他の制度の活用も考えられるため、気になる人は日本政策金融公庫の担当者に相談することも検討してみましょう。

日本政策金融公庫の特別利率に関する情報が知りたい人は「日本政策金融公庫の創業融資における特別利率を解説」を参考にしてみてください。

金利による利息負担が気になる人は希望融資額から利息総額を計算してみる

日本政策金融公庫の新規開業資金の場合、返済方法は原則として固定金利かつ元金均等返済です。金利による利息負担が気になる人はその前提を踏まえ、希望融資額から利息総額を計算してみることも方法のひとつです。

今回は固定金利と元金均等返済を前提に置きつつ、返済期間が10年と20年の場合の利息総額を計算してみました。シミュレーションとなるため、実際の利息総額とは異なりますが、金利による利息負担が気になる人はひとつの参考として確認してみましょう。

【固定金利かつ元金均等返済を前提とした利息総額の目安】

希望融資額 返済期間 金利1.0% 金利1.5% 金利2.0% 金利2.5% 金利3.0%
500万円 10年間 252,084円 378,125円 504,166円 630,209円 756,251円
20年間 502,084円 753,125円 1,004,166円 1,255,207円 1,506,250円
1,000万円 10年間 504,166円 756,251円 1,008,334円 1,260,417円 1,512,500円
20年間 1,004,166円 1,506,250円 2,008,333円 2,510,417円 3,012,500円
1,500万円 10年間 1,008,334円 1,512,500円 2,016,667円 2,520,833円 3,025,000円
20年間 1,506,260円 2,259,390円 3,012,520円 3,765,630円 4,518,780円

※日本政策金融公庫の公式サイトにある「事業資金用 返済シミュレーション」をもとに株式会社SoLabo(ソラボ)作成

利息総額は金利により左右されます。「希望融資額1,000万円」「返済期間10年」とした場合、「金利は1.0%」「利息総額は約50万円」ですが、金利3.0%の利息総額は約151万円となるため、利息負担を軽減したい人は低金利の融資制度を検討する余地があります。

また、利息総額は返済期間により左右されます。「希望融資額1,000万円」「金利2.0%」とした場合、返済期間10年の利息総額は約100万円ですが、返済期間20年の利息総額は約200万円となるため、利息負担を軽減したい人は早期返済を検討する余地があります。

なお、日本政策金融公庫は返済シミュレーションを用意しています。返済総額の目安を試算することができるため、金利による利息負担が気になる人は日本政策金融公庫の公式サイトにある「事業資金用 返済シミュレーション」を確認してみましょう。

利息を計算するときは据置期間も考慮する

日本政策金融公庫の新規開業資金の場合、利息のみを返済する据置期間を設定できる可能性があります。金利による利息負担が気になる人はその前提を踏まえ、据置期間の設定を考慮しながら返済総額を計算してみることも方法のひとつです。

今回は2年間の据置期間を前提に置きつつ、希望融資額500万円かつ返済期間10年の場合の返済総額を計算してみました。シミュレーションとなるため、実際の返済総額とは異なりますが、金利による利息負担が気になる人はひとつの参考として確認してみましょう。

【2年間の据置期間を設定した場合の返済総額の目安】

年数 元金の返済額 利息 1年間の返済総額
1年目 0円 99,996円 99,996円
2年目 0円 99,996円 99,996円
3年目 625,000円 94,271円 719,271円
4年目 625,000円 81,771円 706,771円
5年目 625,000円 69,271円 694,271円
6年目 625,000円 56,771円 681,771円
7年目 625,000円 44,271円 669,271円
8年目 625,000円 31,771円 656,771円
9年目 625,000円 19,271円 644,271円
10年目 625,000円 6,771円 631,771円
総額 5,000,000円 604,160円 5,604,160円

※日本政策金融公庫の公式サイトにある「事業資金用 返済シミュレーション」をもとに株式会社SoLabo(ソラボ)作成

据置期間を設定した場合、その期間の返済負担は軽減される半面、返済総額が増えることになります。据置期間中は元金が減らない関係上、最終的な利息総額は増加することになるため、金利による利息負担が気になる人は注意が必要です。

また、据置期間は上限が定められています。据置期間の可否は日本政策金融公庫の担当者の判断次第ですが、新規開業資金の場合は設備資金と運転資金のいずれにおいても据置期間が5年以内となるため、金利による利息負担が気になる人は注意が必要です。

なお、据置期間は返済期間に含まれます。新規開業資金の返済期間は「設備資金20年以内」「運転資金15年以内」ですが、据置期間は5年以内に定められ、その据置期間は返済期間に含まれているため、据置期間の設定を検討したい人は留意しておきましょう。

日本政策金融公庫の据置期間に関する情報が知りたい人は「日本政策金融公庫の据置期間とは?設定するメリットとデメリットを解説」を参考にしてみてください。

日本政策金融公庫の金利と利息に関するQ&A

今回は日本政策金融公庫の金利と利息に関する情報をQ&A形式の一覧表にまとめました。日本政策金融公庫の金利と利息に関する疑問がある人は参考にしてみてください。

【日本政策金融公庫の金利と利息に関するQ&A】

質問 回答
日本政策金融公庫の金利はどのように推移しているのか? 金利の推移や金利の平均は公式サイト上に掲載されておらず、過去の金利が知りたい人は担当者に問い合わせることになる。
日本政策金融公庫の金利は変動金利なのか? 新規開業資金の場合は原則として固定金利となる。そのため、返済期間中は契約時の金利が継続されることになる。
日本政策金融公庫の返済方法は元利均等返済なのか? 新規開業資金の場合は原則として元金均等返済となる。ただし、教育ローン(国の教育ローン)は原則として元利均等返済となる。
日本政策金融公庫の利息は安いのか? 利息の高さや安さを一概に言うことはできない。利息負担が気になる人は他の金融機関の融資制度と比較することも方法のひとつ。
日本政策金融公庫は利息を補填する制度があるのか? コロナ禍においては中小企業基盤整備機構が利息を補填する「特別利子補給制度」が実施されていたが、2022年に終了した。
自治体が日本政策金融公庫の利息を補填する制度はあるのか? 自治体が独自の利子補給制度を実施している場合がある。申請時は交付申請書や利息支払証明書などの書類が必要となる。
支払った利息は経費として計上できるのか? 支払った利息を経費として計上することは原則可能。なお、支払った利息を仕訳する場合の勘定科目は支払利息となる。

日本政策金融公庫の金利は範囲が設定されている関係上、適用される金利は申込者の条件と担当者の判断によるところがあります。返済期間や資金使途などの申込者の条件から担当者が判断することになるため、申込者の希望通りになるとは限りません。

なお、金利と利息に関する疑問がある人は日本政策金融公庫の担当者に相談することも方法のひとつです。金利と利息に関する疑問が解消される可能性もあるため、金利と利息に関する疑問がある人は日本政策金融公庫の担当者に相談することも検討してみましょう。

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まとめ

日本政策金融公庫の創業融資を前提とする場合、まずは新規開業資金を検討することになります。新規開業資金の金利は1.0%~3.0%台となっているため、日本政策金融公庫の創業融資を検討している人は設定されている金利を確認してみましょう。

また、日本政策金融公庫の新規開業資金の場合、返済方法は原則として固定金利かつ元金均等返済です。金利による利息負担が気になる人はその前提を踏まえ、希望融資額から利息総額を計算してみることも方法のひとつです。

なお、金利と利息に関する疑問がある人は日本政策金融公庫の担当者に相談することも方法のひとつです。金利と利息に関する疑問が解消される可能性もあるため、金利と利息に関する疑問がある人は日本政策金融公庫の担当者に相談することも検討してみましょう。

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