日本政策金融公庫で融資を受けることを検討中の人は、金利がどのくらいになるのか気になっている人もいますよね。どのような条件で特別利率が適用になるのか知りたいという人もいるでしょう。
当記事では、日本政策金融公庫から融資を受ける際の金利について解説します。金利を決める要素や、特別利率についても解説するので、日本政策金融公庫の融資を検討している人は参考にしてみましょう。
日本政策金融公庫の金利は金融情勢によって変動する
日本政策金融公庫の金利は金融情勢によって変動します。最新の金利は公式サイトの「主要利率一覧表」で確認する必要があります。
ただし、実際に融資を受ける場合の借入金利が、日本政策金融公庫の公式サイトに記載されている利率とは異なる場合があります。実際の金利を確認したい人は、日本政策金融公庫の最寄りの支店を日本政策金融公庫の公式サイトにある「地図検索」で確認してから、支店の窓口に問い合わせてみましょう。
当サイトでは日本政策金融公庫の融資の無料診断を行っています。今の状況でどのくらい借入できるか、金利はどのくらいで借入できそうかなど、状況や自己資金、事業内容から回答できるので、診断フォームから問い合わせてみましょう。
日本政策金融公庫の金利は1%~3%におさまる傾向がある
日本政策金融公庫で融資を受ける際の金利は1%~3%におさまる傾向があります。日本政策金融公庫の公式サイトにある「国民生活事業(主要利率一覧表)」で公開されている基準利率と特別利率はその範囲におさまることが確認できるためです。
たとえば、日本政策金融公庫の一般貸付で担保を必要としない融資を希望する場合、基準利率は実質年率2.06~2.55%です(2022年1月4日時点)。
なお、日本政策金融公庫の金利は利用する融資制度や担保の有無、資金使途、返済期間などによっても変わる傾向があります。実際の金利がどのくらいになるのかを知りたい人は、日本政策金融公庫の支店窓口で問い合わせてみるのがよいでしょう。
日本政策金融公庫の金利は担保の有無で変わる傾向がある
日本政策金融公庫の金利は担保の有無によって変わる傾向があります。日本政策金融公庫では、債務者が返済できなかった場合に金融機関へ担保として差し出すための不動産や有価証券などを設定することができます。
たとえば、日本政策金融公庫の一般貸付で、担保の提供を希望する場合と希望しない場合の金利(基準利率)は次のように設定されています(2022年1月14日現在)。
担保を不要とする融資 | 担保を提供する融資 | |
基準利率(実質年率,%) | 2.06~2.55 | 1.06~2.15 |
なお、日本政策金融公庫で担保を提供しない融資を希望する場合、原則として「法人の方は無担保・代表者の方のみの保証、個人の方は無担保・無保証人での融資を取扱っている」旨が日本政策金融公庫の公式サイトに記載されています。
ただし、実質的な経営権を有する人には保証を求められる場合があるので、申込者が持っている事業に対する権限によっては代表者保証が必要になる場合もあると覚えておきましょう。
代表者が連帯保証人になることで金利が低減する制度もある
日本政策金融公庫には、代表者が連帯保証人になることで金利が低減する制度もあります。ここでいう代表者には、実質的な経営者や共同経営者も含みます。
たとえば、これから創業する人や事業開始後税務申告を2期終えていない人が利用できる「新創業融資制度」では、代表者が連帯保証人となることを希望する法人の場合、利率が0.1%低減されます。
ただし、代表者が連帯保証人になった場合、万が一破産した場合、代表者個人に返済義務が課せられます。連帯保証人になることを検討している人は予備知識として覚えておきましょう。
特別利率とは条件に応じて適用される金利のこと
日本政策金融公庫の特別利率(通称「特利」)とは、融資の契約を結ぶ際の条件に応じて適用される金利のことです。この条件には担保や代表者の連帯保証の有無、事業主の年齢や経歴、事業内容などが該当します。
日本政策金融公庫で担保を不要とする融資を希望する人を例にとると、基準利率のほかに「特別利率A」「特別利率B」など、12種類の特別利率が設定されています。
特別利率A | 特別利率B | 特別利率C | 特別利率D | 特別利率E | 特別利率J | 特別利率N | 特別利率O |
1.66 ~ 2.15 | 1.41 ~ 1.90 | 1.16 ~ 1.65 | 1.41 ~ 1.70 | 0.66 ~ 1.15 | 1.01 ~ 1.50 | 1.76 ~ 1.95 | 1.16 ~ 1.45 |
なお、どの金利が適用されるかどうかは申込者が選べるわけではありません。融資制度と金利の適用条件はセットになっており、中には特利の適用条件が存在しない融資制度もあります。
日本政策金融公庫の特別利率の適用について知りたい人は「日本政策金融公庫の金利「特利」はどうすれば適用されるのか?」も参考にしてみてください。
女性、若者/シニア起業家支援資金は特別利率A~Cが適用される
日本政策金融公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」は条件によって特別利率A~Cのいずれかの金利が適用されます。この制度を利用できるのは、女性または35歳未満か55歳以上の方で新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人です。
具体的には、次の1~3の要件に該当しない人には特別利率Aが適用になります(土地取得資金は基準利率)。
要件 | 適用される特別利率 |
---|---|
技術・ノウハウ等に新規性がみられる人 | 特別利率A・B・C (土地取得資金は基準利率) |
地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める人 | 特別利率B (土地取得資金は基準利率) |
地方創生推進交付金を活用した起業支援金及び移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める人 | 特別利率C (土地取得資金は基準利率) |
なお、「女性、若者/シニア起業家支援資金」では、融資実行後に一定の要件を達成することで、融資から3年経過後の利率を0.2%引下げる「創業後目標達成型金利」が適用になる場合があります。
女性または35歳未満か55歳以上の方でこれから新たに事業を始める予定の人や事業開始後おおむね7年以内の人で詳しい金利を確認したい人は、日本政策金融公庫の支店窓口に問い合わせてみましょう。
自然災害やコロナのための貸付制度では別の特別利率が適用になる
地震や台風などの自然災害や新型コロナウイルス感染症のための貸付制度には、一般貸付とは別の特別利率が適用になります。
具体的には、2022年1月14日時点では次のような基準利率と特別利率が設定されています。
基準利率 | 特別利率A | 特別利率B | 特別利率C | 特別利率D | 特別利率E | 特別利率J | 特別利率O | 特別利率P | 特別利率Q |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1.21 ~ 1.70 | 0.81 ~ 1.30 | 0.56 ~ 1.05 | 0.31 ~ 0.80 | 0.56 ~ 0.85 | 0.05 ~ 0.30 | 0.16 ~ 0.65 | 0.31 ~ 0.60 | 1.01 ~ 1.30 | 0.81 ~ 1.30 |
新型コロナウイルス感染症特別貸付を利用する場合や地震や豪雨などの自然災害によって、直接または間接的に被害を受けた方が融資を受ける際、このような利率が適用されます。ただし、条件や目的によっては他の融資制度を利用した方が適切な可能性もあるので、選択肢のひとつとして捉えた方がよいでしょう。
まとめ
日本政策金融公庫で融資を受ける際の金利は1%~3%におさまる傾向があります。
融資の契約を結ぶ際の条件(担保や代表者の連帯保証の有無、事業主の年齢や経歴、事業内容など)に応じて特別利率が適用になる場合もありますが、どの金利が適用されるかどうかは事業者側が選べるわけではありません。
なお、日本政策金融公庫の金利は金融情勢によって変動する場合があるので、最新の金利を知りたい人は最寄りの支店に問い合わせてみましょう。