日本政策金融公庫の申込時には、提出書類として借入申込書が必要です。そして、借入申込書には、希望する「据置期間(読み方:すえおききかん)」を記入する欄があります。

当記事では、据置期間とはどのような期間なのかを解説していきます。据置期間を設定する理由や実例も紹介しているため、日本政策金融公庫から融資を受けることを検討中の人は参考にしてみてください。
据置期間とは利息のみ支払う期間のこと
据置期間とは、元金の返済が発生せず、利息のみを支払う期間のことです。日本政策金融公庫の用語集には、「据置期間とは、元金返済が猶予され利息だけを払い込む期間のこと」と明記されています。

据置期間中は元金の返済は据え置きとなるため、利息のみ支払うことになります。
では、実際に据置期間を設けた場合の返済シミュレーションを確認してみましょう。
据置期間が1年間だった場合の返済シミュレーション
日本政策金融公庫から300万円の融資を受け、据置期間が1年間だった場合の返済シミュレーションです。なお、その他の条件は「返済期間6年」「実質年率2.3%」となります。
300万円×実質年率2.3%×30日(1か月の日数)÷365(1年間の日数)=5,671円 |
据置期間が1年であれば、最初の1年間は利息のみの支払いとなるため、毎月の返済は5,671円となります。据置期間の終了後は、1年(返済期間)-1年(据置期間)の5年間のうちに元金を返済していくことになります。
据置期間の終了後は「300万円÷60か月=5万円」となるため、2年目以降の毎月の返済額は「元金5万円+利息」となります。2年目以降は利息の支払いが発生しますが、元金の返済が一定金額なのに対し、利息は返済回数を重ねるたびに減っていく傾向があります。

※シミュレーションの参考:沖縄県商工会連合会 返済シミュレーション
※据置期間終了後の利息の計算は「残債(借入残金)×利率×30日(1か月の日数)÷365(1年間の日数)」となるため、返済回数を重ねるごとに毎月の利息負担は軽減されます。 |
据置期間が1年間の場合、最初の1年間は元金の返済が先延ばしになるため、据置期間中の支払いは金利による利息のみとなります。そして、据置期間終了後は元金の返済が始まります。
コロナ融資を利用した場合の据置期間と適用金利の実例
新型コロナに関する融資制度(名称:新型コロナウイルス感染症特別貸付)を利用し、日本政策金融公庫から事業資金として3,000万円の融資を受けた実例をご紹介します。弊社の株式会社SoLaboに問い合わせがあった人の実例となるため、あくまでも参考程度にお考えください。
なお、貸付条件は「元本は3,000万円」「返済期間は5年10か月」「据置期間は1年」「実質年率は3年間0.46%(4年目以降は1.36%)」でした。基準利率から実質年率-0.9%の金利引き下げの据置が取られたため、はじめの3年間は実質年率0.46%(4年目以降は実質年率1.36%)でした。

据置期間終了後に返済する元金は均等です。利息については日割り計算となるため、月ごとに変動しています。
据置期間がある理由は収益が上がるまでの期間を考慮しているから
据置期間がある理由は、収益が上がるまでの期間を考慮しているからです。事業内容によっても異なりますが、設立1年目から収益を上げられるとは限りません。企業の事業計画によっては、2年目以降の黒字化を計画している場合もあります。
たとえば、小売業の場合、まずは店舗を開業し、仕入れや宣伝をします。その後、お客様が商品を購入し、はじめて売上が発生します。場合によっては、1か月以上入金がないことも考えられます。
また、BtoBのような法人を対象とした事業の場合、請求書のやり取りが完了してからの入金になるため、設立1か月目から売上を現金として手にすることができない場合もあります。
据置期間があれば、事業が軌道に乗ってから借入金を返済できるため、資金繰りの安定につながります。とくに、創業当初は利益が出にくい傾向があるため、日本政策金融公庫から融資を受けることを検討中の人は、希望する据置期間を決めることも検討してみましょう。
なお、日本政策金融公庫から事業資金の融資を受けることを検討中の人は、当社株式会社SoLaboに相談することも検討してみてください。当社は借入申込書や創業計画書など、審査の際に必要となる書類作成の代行や面談対策のサポートを行っています。
また、4,500件以上の融資支援実績に加え、相談料も無料となるため、気になる人はこちらのお問い合わせフォームからご相談ください。
希望する据置期間が設定されるとは限らない
最終的な据置期間を決定するのは、日本政策金融公庫の担当者です。希望する据置期間が設定されるとは限らないため、日本政策金融公庫から融資を受ける際に据置期間を考慮している人は注意が必要です。
たとえば、日本政策金融公庫の新創業融資制度の据置期間は「運転資金は最大1年間」「設備資金は最大2年間」ですが、あくまでも最大となるため、必ずしも希望した据置期間が設定されるとは限りません。企業の状況や担当者の判断によっては、据置期間が3か月~6か月程度になることも考えられます。
なお、新創業融資制度を利用して据置期間を設定する場合、当社株式会社SoLaboにお問い合わせいただいた人は3か月~6か月程度の傾向があります。12か月の据置期間となった人もいますが、稀なケースです。
■関連記事
日本政策金融公庫の新創業融資制度とは?融資を受けるためのポイントを解説
不安な場合は据置期間を長めに設定することも検討する
毎月の借入金の返済に不安がある人は、据置期間を長めにすることも検討してみてください。据置期間を決めるのは日本政策金融公庫の担当者ですが、希望条件を伝えることは可能です。
ただし、据置期間中は利息の支払いのみとなります。元金は減らないため、据置期間が長ければ長いほど、返済期間も長引くことになります。また、返済開始後は据置期間の再設定ができないため、事前に事業計画を立てたうえで、日本政策金融公庫の担当者と話し合いながら据置期間を決めていくことをおすすめします。
まとめ
据置期間とは、利息のみを支払う期間のことです。返済計画にも関わるため、不安や悩みがある人は当社株式会社SoLaboに相談することも検討してみてください。
当社株式会社SoLaboでは、4,500件以上の融資支援実績があります。相談料も無料となるため、日本政策金融公庫から融資を受けることを検討中の人はぜひ一度お問い合わせください。