信用金庫で融資を受ける時の金利はどのくらい?

信用金庫で融資を受けたいと考えたとき、気になるのは金利がどのくらいになるのかです。

そこで今回は、信用金庫で受ける融資の特徴や金利について解説します。

信用金庫の融資の種類

信用金庫からの融資と一口に言っても、信用金庫ごとにさまざまな融資の種類があります。それにより金利は異なるため、まずは融資の種類について解説しましょう。

基本的には「法人・個人事業主向け」と「個人向け」の2種類があり、その中でもいくつかの種類に分類されます。

(1)法人・個人事業主向け融資

法人・個人事業主向け融資には、中小企業のニーズに応じ、長期・短期の資金の融資を行う「一般融資」、自治体や信用保証協会と協力して融資を行う「制度融資」、信用金庫が日本政策記入公庫や事業団体の代理として、政府の指示を受けて融資を行う「代理融資」の3種類があります。

一般的に多く使われるのは「制度融資」です。審査を行う機関が信用保証協会と金融機関の2箇所あるため、融資実行までに時間がかかるデメリットはありますが、1%前後の金利で利用することができます。

「一般融資」は一般というだけあり、「制度融資」に含まれない金融商品の大半がこれに当たる融資です。

その幅は広く、内容は信用金庫ごとに大きく異なるので、近くの信用金庫がどのような内容の融資を行っているかを事前に調べて利用しましょう。

「代理融資」は「代理貸付」とも言い、日本政策金融公庫などから委託を受け、代理窓口として信用金庫が融資を行うものです。

この「代理融資」では、資金も委託金融機関から信用金庫に渡されるため、実際に融資を行うのは委託した金融機関で、信用金庫は窓口として融資を行う役割となります。

そのため、信用金庫から融資を受けるというよりも、委託金融機関の窓口が少ない、または近くにない場合などに信用金庫を窓口として利用することで、委託金融機関の融資を受けやすくすることができるという制度です。

(2)個人向け融資

個人向け融資は、用途に応じて分類される「住宅ローン」「自動車ローン」「教育ローン」「フリーローン」の4種類と、用途に関わらず簡単に利用できる「カードローン」があります。

「住宅ローン」「自動車ローン」「教育ローン」はその名の通り、使途が明確に決まっている個人向け融資で、用途が制限されている分金利も安くなる傾向があります。

「フリーローン」は「住宅ローン」「自動車ローン」「教育ローン」に該当しないローンで、使途が広がりますがその分金利は高くなる傾向があります。

また、見積もりや契約書などの使途や必要金額がわかる書類が要求されることも多くなります。

「カードローン」は契約時に決めた限度額までならATMから必要な分だけ借り入れができるローンです。

非常に簡単に借りられる分信用金庫側の貸し倒れリスクも高いので、金利は高くなる傾向があります。

(3)法人・個人事業主向けは保証協会付融資

信用金庫の法人・個人事業主向けの融資はそのほとんどが信用保証協会による「信用保証」を必要とする保証協会付融資となります。

金利が低い自治体の制度融資を受ける場合も信用保証が必要なので、信用金庫から融資を受ける場合はほとんどのケースで信用保証を受けることになるでしょう。

そもそも、「信用保証」とは融資の際に信用保証協会が保証人となってくれる制度です。

仮に返済ができなくなってしまった場合でも「代位弁済」として信用保証協会が返済を行ってくれるため、信用金庫側の貸し倒れリスクが減り、担保が不要で審査のハードルが下がったり金利も安くなるといった利点があります。

とはいえ、代位弁済はあくまで一時的に信用保証協会が弁済してくれるというだけで、代位返済が行われた場合、事業者は信用保証協会に対して代位弁済してもらった金額を弁済する必要があります。

このとき、借入する人は信用保証協会に対し信用保証を行ってもらう対価として「信用保証料」を支払うことになります。

「信用保証料」とは、信用保証を行う対価として契約時、信用保証協会に一括で支払う料金で、経費などの必要な費用に使用されるお金です。

基本的に信用保証を受ける際には必須となりますが、金利が少し高い代わりに信用保証料を信用金庫が負担する金融商品も存在します。

信用保証料の金額は借入した人が経営する会社の経営状況に応じて以下の9つの区分から適用される信用保証料率をもとに計算されます。

当然ながら経営状況がいいほど高い区分=低い信用保証料率が適用されるため、借り入れのタイミングには注意しておきましょう。

信用保証料率
1 2 3 4 5 6 7 8 9
1.90 1.75 1.55 1.35 1.15 1.00 0.80 0.60 0.45

このように、信用保証は信用金庫側のリスクを減らすもののため、信用保証を必要としないものは別途保証人や担保が必要だったり、金利が高く設定されている場合が多いです。

信用金庫から融資を受ける流れについてはこちら

信用金庫の金利

(1)金利は一定ではない

信用金庫は会員の出資によって成り立つ非営利法人のため、金利は各信用金庫や商品、借入する人の信用度によって大きく異なります。

各信用金庫の基準金利では年利で2~5%前後が多いですが、詳細を開示していない信用金庫も多いため、まずは問い合わせをしてみるのがよいでしょう。

また、今回解説しているのはあくまで基準金利の話で、商品による幅はさらに広く、年利で1%程度の物から10%を超えるものまであるため、経営状況から判断して無理なく返済できるプランに決めることが大事です。

(2)制度融資は金利が非常に安い

信用金庫を利用する上で、同時に視野に入れておきたいのが自治体の制度融資です。

制度融資は通常の金融商品に対して金利が低い傾向があり、自治体にもよりますが1~3%程度の利率に抑えられることが多くなります。

創業時の融資の場合、日本政策金融公庫の新創業融資制度も視野に入りますが、信用金庫と密接な関係を築きたい場合は信用金庫の創業時融資を利用する判断もあるでしょう。

日本政策金融公庫の新創業融資制度についてはこちら

信用金庫の融資制度と金利の一例

今回は興産信用金庫(東京都千代田区)を例に見てみます。

(1)一般融資

商業手形の割引、運転資金などの短期資金、設備資金や企業の合理化・近代化などを対象として融資を行います。

特別な商品ではありませんが、金利はおおむね2%前後と比較的利用しやすい水準に抑えられています。

(2)当座貸越

当信用金庫に預金口座を持っている場合に、その預金を担保として融資を受けることができる制度です。

1度の手続きで、融資限度額内ならいつでも、何回でも取引をすることができます。

預金を担保とするため限度額は預金の金額内に限定されますが、自由度が高いため、契約だけしておいて必要な時に融資を受ける、といった運用が可能です。

契約は1年ごとに更新で、金利は2~5%程度です。

(3)千代田区商工融資あっせん制度

千代田区の行っている制度融資です。千代田区が利子の一部を負担しています。

利用するには千代田区内に本店、または主たる事業所を持ち1年以上事業を営んでおり、事業税、住民税を完納している法人、または個人事業主で、東京信用保証協会の保証対象業種を営んでいることが条件です。

また、資金の使途を見積書や決算書、試算表などで提示する必要があります。

千代田区商工融資あっせん制度の詳細はこちら

(4)アシスト1000

興産信用金庫の営業地区内で2年以上事業を行っていて、信用金庫の審査基準を満たしていた場合に利用できます。

限度額1000万円の運転資金を補助する融資で、保証人は必要ですが無担保で利用することができます。

(5)アシストTOKYO

「新保証付き融資制度」という東京都独自の融資制度です。

興産信用金庫と1年以上継続的に融資の取引があることが必要ですが、原則無担保、3年以内で2.4%以内、3年以上5年以内で2.6%以内という金利で利用できます。

期間が1年以内の手形貸付契約と、5年以内の証書貸付契約の2種類があります。

証書貸付契約の場合は毎月元金を返済しますが、手形貸付契約の場合は利息のみ毎月で、期限一括弁済方式という返済方式です。

興産信用金庫の融資のご案内はこちら

まとめ

信用金庫や審査状況、金融商品次第で利率は増減するため、まずは1度、お近くの信用金庫に相談してみましょう。

どの信用金庫がいいかわからないという場合は、融資審査に詳しい「認定支援機関」に相談してみるのも手です。

創業融資ガイドを運営している株式会社SoLabo(ソラボ)も認定支援機関として、融資に関する無料相談を行っています。

金融機関へ借入の申し込みを行い、融資を受けたいと考えている方は、まずは一度お問い合わせください。

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株式会社SoLabo(ソラボ)は中小企業庁が認める認定支援機関です。

   

これまでの融資支援実績は6,000件以上となりました。

   

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