信用保証協会法の内容と改正について解説

実績のない事業者や借入実績がない事業者が金融機関から融資を受ける場合、信用保証協会の保証を受ける必要があります。この信用保証協会の目的や業務内容を規定しているのが信用保証協会法です。

当記事では、信用保証協会法とはどのような法律なのかを解説します。今後信用保証協会を利用して融資を受けたい人は、予備知識として参考にしてみましょう。

信用保証協会法は信用保証協会の制度を確立するための法律

信用保証協会法は昭和二十八年(1953年)に信用保証協会の制度確立を目的として施工された法律です。

財務省の公式サイトによると、信用保証協会法は「中小企業者等が銀行その他の金融機関から貸付等を受けるについてその貸付金等の債務を保証することを主たる業務とする信用保証協会の制度を確立し、もって中小企業者等に対する金融の円滑化を図ることを目的とし、信用保証協会の業務等を定める法律」と説明されています。

信用保証協会について詳しく知りたい人は「信用保証協会とは?目的や役割をわかりやすく解説」を参考にしてみましょう。

信用保証協会法には信用保証協会の業務内容が記されている

信用保証協会法は信用保証協会の業務内容を定義しています。

信用保証協会法には、法律の本体にあたる「本則」と補足情報が記載された「附則」があり、本則は5つの章で構成されています。そのうち、第二章第四節第二十条に信用保証協会の具体的な業務が規定されています。

【信用保証協会法に記載されている信用保証協会の業務内容】

  • 中小企業者等が銀行その他の金融機関から資金の貸付け又は手形の割引を受けること等により金融機関に対して負担する債務の保証
  • 中小企業者等の債務を銀行その他の金融機関が保証する場合における当該保証債務の保証
  • 銀行その他の金融機関が株式会社日本政策金融公庫の委託を受けて中小企業者等に対する貸付けを行つた場合、当該金融機関が中小企業者等の当該借入れによる債務を保証することとなる場合におけるその保証をしたこととなる債務の保証
  • 中小企業者が発行する社債(当該社債の発行が金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する有価証券の私募によるものに限り、社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第六十六条第一号に規定する短期社債を除く。)のうち銀行その他の金融機関が引き受けるものに係る債務の保証

※参照:信用保証協会法(昭和二十八年法律第百九十六号)|e-GOV法令検索

いずれの条文にも書かれている「債務の保証」とは、お金を借りた人(債務者)が返済できなかった場合に保証人が返済の義務を果たすと保証することをいいます。

なお、信用保証協会から保証を受けるためには、保証審査に通過する必要があります。信用保証協会の審査基準を知りたい人は「信用保証協会の審査は厳しい?審査基準と審査難易度を解説」を参考にしてみましょう。

信用保証協会法は平成30年に一部改正されている

信用保証協会法は平成30年(2018年)に一部改正されています。信用保証協会と金融機関が連携して中小企業への経営支援を強化する方針転換が行われ、信用保証制度が見直されることになったためです。

【信用保証協会法の主な改正点】

  • 信用保証協会と金融機関の連携を図ること
  • 出資ファンドの対象を拡大すること

いずれも、信用保証協会がより一層の金融の円滑化を図るという前提のもと改正されました。信用保証協会を利用する予定の人は、それぞれの項目を予備知識として確認しておきましょう。

信用保証協会と金融機関の連携を図ること

平成30年の信用保証協会法の一部改正により、信用保証協会と金融機関が連携する旨が規定されました。

中小企業庁の公式サイトによれば、信用保証への依存が進むことで、金融機関は事業性の融資や経営支援を実施する動機が失われる可能性があったためです。

【信用保証協会と金融機関の連携等にかかる改正点】

  • 信用保証協会が金融機関の「プロパー融資」の状況や経営支援の方針等を確認しながら保証を実施することにより、「保証付き融資」と「プロパー融資」を適切に組み合わせたリスク分担。
  • 現行のセーフティネット保証制度のうち不況業種に対するもの(5号)については、金融機関がより前面に立って経営改善や事業転換等が促されるよう、その保証割合を100%から80%に引き下げ。

※参照:中小企業信用保険法・信用保証協会法等の一部改正について(概要)

中小企業が信用保証協会の保証に依存する状況を回避するために、信用保証協会と金融機関がお互いにリスクを分担するような対処がとられています。

セーフティネット5号の利用を検討している人は、平成30年4月1日から信用保証協会の保証割合が80%に引き下げられている点に注意しましょう。

出資ファンドの対象を拡大すること

法改正前は事業再生ファンドにのみ出資可能でしたが、法改正後に創業や中小企業の経営改善や支援を目的とするファンドにも出資できるようになりました。成長が期待できるベンチャーや中小企業に投資を行うファンドに出資し、地域創生に貢献する目的です。

たとえば、大阪信用保証協会は銀行や信用金庫と連携して地域創生ファンドに出資しています。

【大阪信用保証協会が金融機関と連携して出資している地域創生ファンド】
大阪信用保証協会×池田泉州銀行 イノベーションファンド25
大阪信用保証協会×大阪信用金庫 おおさか事業承継・創業支援ファンド

※参照:Simpo 2019年度No.3|大阪信用保証協会

信用保証協会が地域創生ファンドへ出資すれば、投資対象企業の成長促進や雇用創出も期待でき、結果として地域活性化につながることになります。

信用保証協会によって出資先のファンドは異なるので、ファンドからの出資を受けたい人は現在事業を行っている地域の信用保証協会に問い合わせてみましょう。

まとめ

信用保証協会法は信用保証協会の制度を確立するために作られた法律です。信用保証協会法第二章第四節第二十条には信用保証協会の業務内容が記されており、信用保証協会が債務の保証を行う機関であることがわかります。

なお、信用保証協会法は平成30年に一部改正され、信用保証協会と金融機関の連携を図る旨や出資ファンドの対象を拡大する旨が規定されました。

とくに、セーフティネット5号については平成30年4月1日から信用保証協会の保証割合が80%に引き下げられているので、業況が悪化している業種の事業者で、セーフティネット5号の利用を検討している人は注意しましょう。

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