デットファイナンスとは?メリットとデメリットを解説

これからベンチャーやスタートアップを起業する人のなかには運転資金や設備資金の調達を検討している人もいますよね。さまざまな資金調達方法があるなかで、デットファイナンスに興味を持った人もいるでしょう。

当記事では、デットファイナンスがどのような資金調達方法なのかを解説します。デットファイナンスのメリットやデメリット、利用できる金融機関も紹介するので、資金調達を検討している人は参考にしてみてください。

デットファイナンスとは負債を増やす資金調達のこと

デットファイナンスとは負債を増やす資金調達方法のことです。デットファイナンスは負債を意味する英語の”debt(デット)”が由来の資金調達方法で、日本では「借入金融」と呼ばれることもあります。

デットファイナンスの一例として、銀行や信用金庫などの金融機関から事業に必要な資金を借り入れる「融資」や、投資家から資金調達を集めるために債権を発行する「社債」などが挙げられます。

【デットファイナンスの種類と概要】

デットファイナンスの種類概要
銀行融資都市銀行や地方銀行、信用金庫などの民間金融機関から事業資金を借り入れる方法。申込者の状況によっては信用保証をつける場合もある。
公的融資日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などの政府系金融機関から事業資金を借り入れる方法。創業者向けの融資制度や女性、若者、シニアの起業家向けの融資制度など新規開業者の利用できる融資制度を設けている
制度融資金融機関、地方自治体、信用保証協会の3つの機関が連携して実施する融資制度の総称。自治体によって利用条件が異なる。
ビジネスローン民間金融機関や信販会社、消費者金融から借り入れる方法。銀行融資や公的融資に比べて審査期間が即日~数日程度と短期間になる。
公募債の発行公募した投資家から資金提供を受ける際に債権を発行し、満期までに利子を支払う方法。返済は満期一括になる傾向がある。利率は発行元の会社によって異なる。
私募債の発行公募以外の方法で集めた50人未満の縁故者や会社関係者に限定して債権を発行する方法。発行金額は1億円までに定められている。
コマーシャルペーパー無担保の約束手形を発行し、証券会社や金融機関を通じて投資家に販売する方法。償還期間(返済期限)は1年未満の短期になる場合が多い。

銀行融資や公的融資は金融機関から事業資金を借り入れる方法です。融資を受ける場合、返済できなかった場合の備えとして、金融機関から不動産や有価証券などの担保を求められる場合があります。融資について詳しく知りたい人は「融資とは?種類と特徴を解説」も参考にしてみてください。

公募債や私募債は投資家から債権を買ってもらう方法です。限定的な範囲の投資家に購入を呼び掛ける私募債と異なり、公募債は不特定多数に向けて購入を呼び掛けます。公募債は有価証券届出書(または有価証券通知書)を提出する必要があるため、私募債よりも手続きが多いです。

事業資金の調達方法を検討している人は、自社の事業形態や成長段階にあわせて資金調達できるようにデットファイナンスの種類を把握しておきましょう。

事業形態や成長段階によって適切なデットファイナンスの方法は異なる

デットファイナンスを利用する際にどの種類の資金調達方法が適しているかは、事業形態や成長段階によって異なります。資金調達方法によっては利用できる事業形態や成長段階が限られているためです。

たとえば、起業前や起業直後の場合には、大人数の投資家を集める必要がある公募債や会社としての信用力を求められるコマーシャルペーパーは不向きです。起業前後の人がデットファイナンスによる資金調達をしたい場合、創業者向けの融資制度を用意している日本政策金融公庫や信用保証付きの銀行融資を利用するのがよいでしょう。

また、個人事業主の場合には公募債や私募債、コマーシャルペーパーは発行できません。そのため、個人事業主がデットファイナンスによる資金調達をしたい場合には、銀行融資や公的融資、ビジネスローンなどの融資が選択肢になります。

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デットファイナンスのメリットは自由な経営が継続できること

デットファイナンスによる資金調達のメリットは、資金調達をした後でも経営者が引き続き自由に経営できることです。金融機関や株主などが経営に対して意見したり、干渉したりすることはないため、経営に関して外部から制限されることはありません。

たとえば、株式の発行により資金を調達する「エクイティファイナンス」の場合には、返済不要で資金を調達できる一方で、出資者が経営に干渉してくる可能性があります。資金調達方法によっては経営に関する意思決定に制限がかかる可能性があるということです。

資金調達した後でも、経営者として事業の方針を自由に決定したいという人はデットファイナンスの利用を検討するのがよいでしょう。エクイティファイナンスについて詳しく知りたい人は「エクイティファイナンスとは?デットファイナンスとの違いを解説」も参考にしてみてください。

デットファイナンスのデメリットは返済義務があること

デットファイナンスのデメリットは返済義務があることです。デットファイナンスでは借り入れたお金を期限内に返済し、借りたお金に対して一定額の利子を支払う必要があります。そのため、借入金の返済と利子の支払いが資金計画上、負担になる可能性があります。

たとえば、日本政策金融公庫から金利(実質年率)2.0%で1000万円を借り入れた場合、1年目の利子の支払いは年間約20万円程度です(元利均等返済の場合)。利子の総額は返済期間によっても異なるため、無理のない範囲の負担で返済できるように金融機関の担当者へ相談する必要があります。

金利(実質年率)が増えれば、その分利子も増えるため、デットファイナンスによる資金調達を検討している人は、利用する資金調達方法の利率を確認しておきましょう。

金融機関からの融資には担保や保証人が不要なケースもある

金融機関からの融資には担保や保証人の設定を必要としないケースもあります。利用する金融機関によっては、担保や保証人がなくても融資を受けられる制度を設けているためです。

たとえば、政府系金融機関である日本政策金融公庫は、新たに事業を始める人や事業開始後税務申告を2期終えていない人が無担保かつ無保証人で利用できる「新創業融資制度」を用意しています。無保証人の場合、万が一倒産した場合でも代表者に責任が及ばないため、法人の代表者が事業をはじめる際の負担が軽減されることになります。

また、金融機関、地方自治体、信用保証協会の3つの機関が連携して実施する「制度融資」にも無担保かつ無保証人で利用できる融資があります。地方自治体によっては利子の補助を実施している場合もあるため、返済の負担を軽減したい人は利用を検討してみるのもよいでしょう。

日本政策金融公庫の新創業融資制度を詳しく知りたい人は「新創業融資制度の特徴とは?新規開業資金との違いを解説」も参考にしてみてください。

デットファイナンスを利用する場合には資金繰り表を作成しておく

デットファイナンスを利用する場合には、資金繰り表を作成しておきましょう。資金調達後に元本の返済や利子の支払いなどの支出が定期的に発生するため、手元にある現金の動きを管理する必要があるためです。

資金繰り表とは一定期間における企業や個人事業主の資金の収入と支出を表にしたものです。資金繰り表から手元にある現金の動きを把握することができるため、資金不足になるタイミングを事前に察知し、資金がショートするのを回避しましょう。

資金繰り表の作成方法を知りたい人は「資金繰り表とは?経営者のための資金繰り表の活用法と作り方」も参考にしてみてください。

まとめ

デットファイナンスとは負債を増やす資金調達方法のことで、銀行融資やビジネスローン、公募債、私募債などの返済義務のある資金調達方法が例として挙げられます。

デットファイナンスによる資金調達後は、元本の返済と利子の支払いという支出が発生するため、タイミングによっては資金繰りに負担がかかる可能性があります。そのため、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける予定の人は、各金融機関の公式サイトで返済シミュレーションをおこない、資金調達前に返済計画を立てておきましょう。

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