開業資金ゼロの人は美容室を開けるのか?

美容室を開いて独立したいと考えている人のなかには、開業資金ゼロでも美容室を開けるのか気になる人もいますよね。

当記事では、開業資金ゼロの人が美容室を開けるのかについて解説していきます。開業資金の平均額や資金調達の方法も紹介しているので、美容室を開きたい人は参考にしてみてください

開業資金ゼロの人は美容室を開けない可能性がある

開業資金ゼロの人は美容室を開けない可能性があります。美容室を開業するためには、店舗取得費用や内装工事費などの設備資金と仕入れ費や人件費などの運転資金が必要だからです。

たとえば、政府関係金融機関である日本政策金融公庫が公開している「創業の手引き+」によると、美容業を開業するためには平均して940万円程度かかることが確認できます。

【美容業の開業費用の内訳】
開業費用内訳 平均金額(合計金額に占める割合)
内外装工事 476万円(50.6%)
機器・什器・備品等 197万円(21%)
テナント賃借費用 104万円(11.1%)
運転資金 150万円(16%)
営業保証金・FC加盟金 13万円(1.4%)
合計 940万円

参考元:日本政策金融公庫「創業の手引き+

美容業のなかでも、美容室や理容室はシャンプー台の配管を通すための内装工事やシャンプー台、鏡、パーマで使用する大型の美容器具など、設備にかかわる開業資金が必要になる傾向があるため、開業資金ゼロの人は美容室を開けない可能性があります。

なお、政府関係金融機関である日本政策金融公庫の「創業の手引き+」によると、美容業を開業する人は開業資金の3割ほどを自己資金から出している傾向があります。美容室を開くための資金がない人は自己資金の準備を検討してみましょう。

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約半数の美容業者が1年以上前から資金の準備をしている

日本政策金融公庫の「創業の手引き+」の調査によれば、美容業をはじめた人の約半数は、開業の1年以上前から資金の準備を始めています。開業資金を計画的に貯めておくことで、融資を受ける場合に、金融機関から計画性を評価される可能性があるためです。

たとえば、日本政策金融公庫の「創業の手引き+」によれば、自己資金の準備を始めた時期については、半数以上の創業者が「開業日の1年以上前」と回答する結果でした。

【自己資金の準備を始めた時期】
開業日からの期間 美容業者の割合
3か月以内 29.3%
3か月超6か月以内 14.1%
6か月超1年以内 22.8%
1年超2年以内 25%
3年超5年以内 3.3%
5年超 1.1%

参考元:日本政策金融公庫「創業の手引き+

また、美容業を開業した人は、開業資金の3分の1を自己資金、残り3分の2を金融機関などから準備する傾向があります。これから開業資金を準備する人は、自己資金以外の資金調達方法を検討するのも選択肢のひとつです。

なお、美容業の創業者の約7割が「開業後に軌道に乗るまで半年以上かかった」と回答しています。開業資金を準備している人は、開業後に運転資金の支払いが滞らないよう、資金繰りを計画しておきましょう。

開業資金の調達方法を検討しておく

開業資金を準備する人は、自己資金以外の資金調達方法を検討しておきましょう。開業時の資金調達方法には、金融機関からの借入や国や自治体の助成金、補助金などがあります。

【開業時の資金調達方法の一例】
資金調達方法の種類
金融機関から融資を受ける 民間銀行や政府関係金融機関、信用金庫から創業融資を受ける
外部機関から支援を受ける 国や公共団体などから補助金、助成金、給付金の支援を受ける
投資家から出資を受ける 個人投資家やクラウドファンディングによる出資を受ける

たとえば、新しく事業をはじめる人は民間銀行や政府関係金融機関、信用金庫などの金融機関から創業資金の融資を受ける選択肢があります。融資を受ける場合は、元金の返済と利息の支払いが発生するため、美容室を開業した後に返済の負担がある点に注意する必要があります。

また、国や公共団体などの外部機関から補助金や助成金、給付金をもらう選択肢もあります。補助金や助成金、給付金の場合は融資のような返済の負担はありませんが、お金が支給されるまでに時間がかかる傾向があるため、資金計画に余裕を見ておく必要があります。

なお、開業資金ゼロの人は、金融機関から融資の審査を受けるための条件を満たさない場合があります。開業資金ゼロでも融資を受けられるのか気になる人は当サイトの無料診断をお試しください。

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開業資金が貯まるまではフリーランスを検討する

開業資金が貯まるまではフリーランスの美容師として働くことを検討しましょう。フリーランスの美容師として働くことで、美容室を開業する前に個人の集客力や収益の管理能力を試せるためです。

【フリーランスの働き方の例】
働き方 内容
面貸し
(ミラーレンタル)
フリーランス美容師が、対価を支払うことで美容室の施術席や設備をレンタルし、個人で集客したお客様にサービスを提供する。
シェアサロン 既存店舗ではなく、スペースの貸し出しをメインとした店舗の施術席や設備をレンタルして、営業をおこなう。
業務委託 店舗のオーナーが集客や管理業務を担当し、業務委託契約をしたフリーランス美容師が施術をおこなう。
雇用契約とは異なり、歩合制で報酬を得る傾向がある。

たとえば、フリーランスの美容師として、面貸しサロンやシェアサロンをレンタルする、美容室と業務委託契約するといった働き方が挙げられます。

なお、フリーランスの美容師は美容室に雇われる場合とは異なり、個人で集客する必要があります。個人で集客した顧客は、開業後も引き続き来店してくれる可能性があるため、開業後の売上の見込みを立てやすくなります。

ただし、フリーランス美容師は店舗から雇用されて働く場合と異なり、個人の集客力が売上を左右するため、決まった収入を得られるわけではない点は留意しておきましょう。

開業資金を抑える方法も調査しておく

開業資金を抑える方法も調査しておきましょう。開業資金を抑えることができれば、開業資金の準備期間を短縮できる可能性があるためです。

【開業資金を抑える方法の一例】

  • フランチャイズ契約する
  • 居抜き物件を借りる
  • 共同経営をする

美容室を開業する目的や状況を鑑みて、開業費用を抑えるための参考にしてみてください。

フランチャイズ契約する

フランチャイズ契約して美容室を開くことで、開業資金を抑えられる可能性があります。フランチャイズの本部によっては、開業を支援している場合もあるためです。

たとえば、本部からの物件の紹介や内外装工事業者の手配、備品の一括発注によるコストカットなどにより開業資金を抑えられる場合があります。

また、フランチャイズ本部が開業後の経理業務や備品管理、人材募集などを代わりに担当してくれる場合もあります。

ただし、ランチャイズで美容室を開業する場合、設備や内装、提供サービスなどを指定されるため、オーナーの独自性を出しにくい傾向があります。フランチャイズへの加盟を検討している人は、提示される契約条件で納得のいく開業ができるか確認しておきましょう。

なお、フランチャイズ契約について気になる人は「開業資金ゼロの人はフランチャイズによる独立は可能なのか?」の記事も参考にしてみてください。

居抜き物件を借りる

美容室の店舗を用意する際、居抜き物件を借りることを検討してみてください。退去前の店舗が利用していた什器や設備などをそのまま引き継ぐので、開業資金を抑えられる可能性があるためです。

たとえば、開きたい美容室のイメージとあう居抜き物件が見つかった場合、もともとの内装や設備を生かすことで、内装工事費や設備資金を抑えられる可能性があります。

ただし、居抜き物件の場合、設備が老朽化している場合や、過去に近隣住民とのトラブルがあった場合もあります。居抜き物件で美容室を開きたい人は、契約前に問題がないかどうかを確認しておくようにしましょう。

共同経営をする

美容室を共同経営する場合、開業資金を共同経営者と負担することができるため、開業資金を抑えることができます。

たとえば、代表者2人で開業資金1000万円の美容室を共同経営する場合、一人当たり500万円の開業資金で美容室を開くことができます。代表者が2人になることで、それぞれの強みを活かしたサービスを提供できたり、経営判断に悩んだ際に相談できたりするなどの利点があります。

一方、共同経営は開業資金を抑えられる可能性がありますが、意思決定者が複数人になるため、経営の方針や収入の比率など経営のルールをあらかじめ取り決めておかないとトラブルにつながる可能性があります。共同経営を検討している人は、開業前に一緒に経営する人と経営上のルールについて話し合うようにしましょう。

まとめ

開業資金がゼロの人は美容室を開業できない可能性があります。美容室の開業には、内装工事費や人件費、美容機器の購入費用などがかかるためです。

美容室を開いた人の約半数は、開業の1年以上前から資金を準備している傾向があるため、開業資金が不足している場合は、開業資金を貯めることを検討してみてください。

また、美容室の開業資金は3分の1を自己資金、残りの3分の2を金融機関等から調達している傾向があります。開業資金を貯める場合は資金調達も検討しておきましょう。

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