競合調査の進め方や注意点とは?差別化とは何のことか?

企業で働いていたら知っておいてほしい競合調査ですが、近年では企業がこの競合調査を行う目的が少しズレてきていたり、力を入れている企業が少ないのです。

企業としては行っているつもりでも、競合調査の本当の目的を知らないまま、やり方を間違ったまま行っている可能性も少なくありません。

また、競合調査と並行してよく見かける「差別化」ですが、この本当の意味もあまり知られていないことが多いのです。

今回は、企業にとって重要な「競合調査」と「差別化」についてお話しします。

競合調査とは

競合調査というのは、簡単に言うと、ライバルとなる会社の調査の事を指します。

ここでの調査というのが、ライバルとなる会社、競合会社が売り出している商品やサービスにおいて、自社が持っていない部分であったり、自社よりも上をいく技術や特徴を見つけることを指します。

企業で働くにあたって、どの会社も競合、いわゆるライバルとなる会社はあるはずです。

競合会社の事を考えない、自社以外に目を向けずに感覚的に突き進む、なんてことは、自らが倒産の道を進んでいる、というくらい恐ろしいことです。

ですが、競合調査の事を頭に入れ、経営を行っている企業というのは意外と少なく、行っているとしても会社全体としてではなく個人に任せる形になっていたり、インターネットや雑誌等から入手した情報を社員全体に共有したりと、本来の競合調査とは違うものになっていることが多いのです。

競合調査において覚えておいてほしい点

Ⅰ.データを集めるだけが調査ではない

競合会社が発信している情報や競合会社の事が書かれている新聞・雑誌等を、社内全員に共有するという事は、世の中でその情報を一般人が目にすることが出来るため、基本的な情報しか載っていないという事です。

それでは、企業で働く人間として意味がなくなってしまいます。

その情報を知ったところで、次に自社が何を行うのか、競合会社が何を行うのか、予測を立てることもできません。

また、その情報を社員に共有したからといって、全員が読んでいるのかというと、読んでいるふりをしている人がほとんどでしょう。

こんな感じでは自社にとって役に立つ情報を入手するのは困難と言えます。

Ⅱ.競合調査は、長期間・断続的に行うこと

短期間・単発で調査を行っても、自社においての課題を見つけ出すことは難しいです。

日々の競合調査が、課題の発見に繋がり、競合会社の特徴・内容・取組み等の様々な点においても知り得ることが出来ます。

また、競合会社の事をよく知ることで発見できた自社の課題についても、何からどのような順番で行っていけばいいか明確にすることができます。

Ⅲ.調査対象は競合会社だけではない

競合調査だからと言って調査の対象は、会社だけではありません。

有名なアメリカの経営学者が考えた5つの競争戦略、【競争相手・新規の参入者・代替品・売る側・買う側】この全てが調査の対象となります。

この5つの他にも景気や消費者の動き・政治の状況、その会社が国内にとどまらず、世界にまで発展している会社ならば、その国々の文化から政治まで、調査をする対象は数多くあります。

だからと言って、これら全てを事細かに調べなければならないのかというと、そうではありません。

この中から、自社が行える範囲での調査を、調査対象の重要性などから優先順位をつけ、行えるものから順番に調査をしていくようにしましょう。

Ⅳ.競合調査の本当の目的

ここまで話してきたように、データ収集だけでは競合調査とは言えず、重要なことは、調査をした結果で、相手が手を打つ前に、先に手を打つことが競合調査の目的とされることが分かりました。

また、ここまでの事を考えられるのは、働き始めの新入社員や、社内の動きをいまいち把握できていない事務員等ではなく、やはり経験豊富な上司・幹部クラス・エリートの人です。

その人たちが先頭に立って競合調査を行っていく必要があると言えるでしょう。

競合調査の進め方

ここまでの事を踏まえて、実際の競合調査の進め方として、以下のようなやり方をご参考に行ってみましょう。

1社を特定し調査を行うのではなく、競合となりうる会社を何社(最低でも3社)あげ、調査を行うようにしましょう。

ざっくりご説明すると、上記のような進め方になります。

次に各進め方でのポイントを以下のようにまとめましたのでポイントを抑えつつ競合調査を行ってください。

(1)比較する項目を選出する

お客様が必要としている商品・サービスを、競合会社を通じて知り得ることが大切です。

それを知ったうえで自社と競合会社の違う点を選出しましょう。

その際に、通販サイトのようなweb上で事業を行っている会社がある場合は、実際に注文を行い、その際の対応の流れ・配送等まで事細かにチェックを行う必要があります。

(2)比較項目をカテゴリ別にまとめる

前段階で分かった自社との違う点を、「集客」「商品・サービス」「顧客対応」のように大きくカテゴリ別に分けてみましょう。

〈カテゴリ別の例〉

集客面・・・「アンケートやリスティングを行っている」

商品・サービス面・・・「商品の内容が分かりやすく掲載されている」

顧客対応面・・・「お客様を常に意識し対応速度が速い」

(3)比較項目ごとに採点する

調査を行った各会社を全てまとめた表を作成し、記号を使って点数評価を付けていきます。

その際の注意点として、全ての項目を足して100点となるように、表の作成を行います。

その表を見た時に、どこの会社が一番優れているのか、また、その中で自社は何社中どの位置にたっているのかを、知ることが出来ます。 

自社の順位から、上を目指すにはどのポイントで改善が必要なのかを把握し、事業を行っていきます。

競合調査においての「差別化」とは?

競合調査において、「差別化」という言葉を耳にすることがあるかと思います。

この「差別化」というのは、競合が決まったやり方で事業を行っているとすると、同じ事業を行う自社が全く同じやり方で経営を行っても、有名ではない限り注目されることは少なく、負けてしまうだけです。

その為、競合がやっていないことを自社が初めて行うことで注目を浴びるようになる、これこそが「差別化」なのです。

競合に負けない為には、お客様からの需要が成長傾向にあるとすると、競合がやっていないことをやる、自社の優れている点を出していくという事が重要なのです。

分かりやすく例を挙げてご説明します。

コンビニ業界

コンビニ業界はセブンイレブン・ローソン・ファミリーマート等、今や身近に感じられるものとなりましたが、売っている物はほとんどがどのコンビニも同じものです。

そんな中で、セブンイレブンが先頭を切って始めたことが「セブンプレミアム」の販売です。

その後、ローソンやファミリーマートでも同様の各社オリジナルの商品を売り出しましたが、セブンイレブンの差別化は現在も顕在していて、その理由として、商品における良さを自社ブランドに固め「他会社のオリジナル商品よりも安い」という事を提供しているためです。

なぜそれを実行することが出来るのかというと、セブンイレブンの強みは「自社の専用工場数や店舗数が多い」「グループ会社での販売」です。

この強みが他社を圧倒していることにより、「差別化」が顕在しています。

美容院業界

通常の美容院の営業時間が19時半までだったとします。

この時間では、仕事をしている人が行くことはなかなか難しいです。

仕事終わりに美容院に行きたい、というお客様からの需要があった場合に、自社が通常の19時半までの営業を行うのではなく、他社とは違い営業時間を22時半までにすることも「差別化」に入ります。

飲食業界

飲食業界では他店舗と調査できる項目が多くあります。

この場合は、「3.競合調査の進め方」を実際に行い、自社と他社の強みとなる点・弱みとなる点を、それぞれ見つけ出すことが重要です。

その中から、お客様の需要がより多い点に重点を置き、改善を行い、自社の優れている点を実施することが出来れば、「差別化」を行ったという事に入ります。

飲食業界での競合調査を行う場合のチェックできる項目は、下記図を参考にしてください。

上記の図の中で注意しなければならないのは、商品情報についてです。

商品情報の調査をする前に、前もって店舗に集めることが出来るお客様の数・範囲がどのくらいなのかを調べておく必要があります。

お客様の需要に対して、実際に行おうとしている戦略が本当に自社の優れている点に繋がるのかを、競合調査で確認する、という風に捉えた方がいいかと思います。

まとめ

企業で働く一人として、知っておいてほしい競合調査について、ご説明しました。

創業したてで競合会社がどんな経営を行っているのか、利益の伸びが少なく頭を抱えている方、会社の将来の発展の為にも競合調査を行うことは非常に大事なことだと言えるでしょう。

また、それを新入社員や部下に対して受け継ぐことも必要なことです。

競合調査をした結果、競合に勝つために資金調達が必要になることもあるでしょう。

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