お子さんのいる家庭の、長期の住宅ローンと大学費用というダブルパンチを救うのは、国の金融機関である日本政策金融公庫の教育ローンです。1年中いつでも申込可能な日本政策金融公庫の教育ローンですが、繰り上げ返済は可能なのでしょうか?
繰り上げ返済は手数料なしで可能
お金を借りる時は審査に通るかということに集中しがちですが、それ以上に返済をしっかりしていくことも重要です。日本政策金融公庫の教育ローンは、やはり国の金融機関が貸しているという安心感から「教育ローンなら日本政策金融公庫かJAバンクだよね」というように世間では定番化しています。
そんな日本政策金融公庫の教育ローンですが、一部返済でも一括返済でも途中返済が可能です。繰り上げ返済時の手数料も不要です。繰り上げ返済することのメリットは、金利分の支払が減額される点です。
具体的に次の項目で繰り上げ返済した場合にどのくらい金利分が減るのか、見ていきましょう。
借入額300万円で返済期間10年の場合
日本政策金融公庫の教育ローンは実質年率1.66%(固定金利)です。例えば、大学の教育費として300万円を返済期間10年で契約したとしましょう。その際の金利支払分は27万1,600円で、毎月の支払額は27,500円です。
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毎月の返済額(10年) | 27,500円 |
1年間の返済額 | 330,000円 |
返済総額 | 3,271,600円 |
保証料総額 | 107,955円 |
※本シミュレーションは日本政策金融公庫の教育一般貸付の返済シミュレーションhttps://www.jfc.go.jp/n/finance/ippan/sim.htmlを参照しています。
繰り上げ返済をすると返済総額が減っていく
日本政策金融公庫の教育ローンの返済方式は元利均等返済です。それを踏まえると、借入額300万円で10年返済の場合、支払い総額は金利1.27%を含み3,271,600円となります。しかし、例えば50万円の繰り上げ返済を2回行うとどのように支払い総額が変化するのかみていきましょう。
【返済期間1年後に50万円繰り上げ返済する場合】
27,500円(毎月の支払額)×12か月(1年)=330,000円
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3,271,600円(返済総額)-330,000円(返済済の支払額)=2,941,600円
↓
繰り上げ返済(50万円)
2,941,600円×(1-0.0176=0.9824)-500,000円=2,389,827円
※繰り上げ返済前は2,441,600円なので、51,773円の利子支払いが減額です!
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2,389827円÷(12か月×残り9年=108)=2,2128円(繰り上げ返済1回目後の毎月の返済額)
※毎月の返済額が27,500円から約5,000円マイナスとなっています
また、繰り上げ返済ではなくボーナス月に増額するという契約を最初からしておくという方法もあります。ボーナス月に増額して返済することで、繰り上げ返済と同等の効果を得られ利息の節約につながります。
繰り上げ返済の手続きはどうすればいいか?
教育ローンを申し込んだ日本政策金融公庫の支店に電話をします。日本政策金融公庫は日本全国、北海道から沖縄まで各都道県に支店があります。
そのため、別の支店に電話をしないように注意しましょう。あなたが教育ローンの契約をしたあとにもらえる毎月の明細書に支店名が記載されています。
その支店に電話をして、繰り上げ返済の連絡をしましょう。タイミングによっては、当月ではなく翌月に手続きが回される場合もあります。
日本政策金融公庫の教育ローンの保証料とは
保証料とはお金を借りる際に必要な連帯保証人の代わりに必要となる手数料です。連帯保証人が用意できる場合はこのお金は支払う必要はありません。連帯保証人になれるのは以下の条件を満たす方です。
【進学者・在学者の4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者を除く)】
高祖父母-曾祖父母-祖父母-父母-本人-子-孫-ひ孫-玄孫(血族)
また、これらの血族から血続きの血族(例、曾祖父母-祖父母間の大叔父、大叔母)とその婚族についても4親等に入ります。
親戚の叔母さんや叔父さんなどが該当しますね。連帯保証人になってくれる方がいれば、その分の保証料は節約することが可能です。
まとめ
日本政策金融公庫の教育ローンで繰り上げ返済はいつでも可能で手数料も無料です。教育ローンの利用を検討されている人は、最寄りの支店に問い合わせてみましょう。
繰り上げ返済することで利子分を圧縮できるので、残りの在学期間や住宅ローンなどとのバランスを見ながら、繰り上げ返済を利用しましょう。