個人事業主が利用できる資金調達方法とは 融資手段も徹底解説

個人事業主が利用できる資金調達方法とは 融資手段も徹底解説

個人事業主として、起業を検討している方にぜひ知って頂きたい資金調達方法をまとめました。

個人事業主の方が利用できる資金調達方法をおすすめ順にご紹介していきます。

個人事業主が利用できる資金調達方法とは 融資手段も徹底解説

個人事業主でも、創業してすぐに融資を受けられます!

2020.07.27

1.個人事業主が資金調達する方法

個人事業主が資金調達する手段として代表的なのは、日本政策金融公庫や信用金庫から融資を受ける、補助金・助成金を受給する、友人・投資家から調達するという手段です。各資金調達方法の特徴は、下表に示す通りです。

資金調達方法主な特徴
日本政策金融公庫
  • 2.0%ほどの年利で数百万円の借入可能
  • 事業実績が無くても利用可
  • 申込から融資まで1、2か月
信用金庫
  • 2.0%ほどの年利で数百万円の借入可能
  • 実績なしなら商工会議所など紹介が必要
  • 申込から融資まで2、3か月
補助金・助成金
  • 要件を満たせば受給できる
  • 補填なので事前に受け取れない
  • 受給までに1年半かかる
友人・投資家
  • 交渉次第で金利や融資速度を調整可
  • 事業を自由にできなくなる可能性あり
ビジネスローン
  • 50万円未満を3日以内で借入できる
  • 年利が15.0%前後で、利息負担が大きい

まとまった資金をなるべく早く、低金利で調達したいなら、まずはじめに日本政策金融公庫の融資を検討するのがおすすめです。

また、申請から資金が手元に来るまでに1年半と時間は掛かりますが、補助金や助成金であれば、融資と違って返済不要で利用できます。要件を満たす場合は、申請を検討してみて下さい。

方法1.日本政策金融公庫からの借入

個人事業主の方が利用できる資金調達方法としてもっともおすすめなのが、日本政策金融公庫からの借入です。

(1)日本政策金融公庫からの借入をおすすめする6つの理由

■理由1:高額融資を受けやすい

日本政策金融公庫は、個人事業主や中小企業をサポートするために政府が100%出資している金融機関です。民間金融機関からの融資を受けにくい事業者でも融資が受けやすく、もちろん、個人事業主の方も借入れることが出来ます。

事業開始から2期以内であれば、最大限度額3,000万円の創業融資を受けられます。

もちろん、3,000万円は限度額であり、実際は準備した自己資金の10倍までが受けられる融資金額です。しかし、計画的に準備してきた人なら、事業実績なしでも数百万円単位で融資を受けられます

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■理由2:金利が低めで融資までの時間が短い

政府系金融機関である日本政策金融公庫は金利が低いという特徴があります。

<創業時(税務申告2回終わるまで)に利用できる『新創業融資制度』>

主要利率(令和3年2月1日現在、年利%)

基準利率特別利率A特別利率B特別利率C特別利率D特別利率E特別利率J特別利率P特別利率Q
2.41~ 2.902.01~ 2.501.76~ 2.251.51~ 2.001.76~ 2.251.01~ 1.501.36~ 1.852.21~ 2.502.01~ 2.50

参照:国民生活事業(主要利率一覧表)

個人事業主が日本政策金融公庫から借入をする際には、基本的には基準金利が適応されます。特別利率の適応は申込者の年齢や性別、事業内容によって決まります。例えば、特別利率Aは女性・35歳以下の若者・55歳以上の方の申し込みに適応されます。そのため、融資を受ける側が自分で特別利率を選ぶことは出来ません

銀行のプロパー融資などより低金利な借入もありますが、銀行融資は事業実績が好調でないと受けるのは厳しいです。そのため、開業まもなくで低金利の融資を受けるなら、日本政策金融公庫の利用をするのが良いでしょう。

また、日本政策金融公庫は、金利が2.0%前後の融資の中では、申込から借入までの期間が1,2か月程度と早めに借入が可能です。

ただし、日本政策金融公庫に個人で申込をすると、準備の手間がかかります。申込するなら、認定支援機関を利用すると、書類作成を代行してもらえるだけでなく、面談サポートも受けられるので、事業に専念しながら融資をスムーズに受けられます

日本政策金融公庫の融資受けられる?
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■理由3:担保が不要

上記で紹介している「新創業融資制度」と「中小企業経営力強化資金」はどちらも、担保不要で融資を受けることが出来ます。

■理由4:保証人なし

『新創業融資制度』『中小企業経営力強化資金』の2つの制度を利用した場合には、保証人も不要です。代表者の保証も不要ですので、お金を借りやすいです。

信用金庫などの金融機関からお金を借りる際には、基本的に保証人は必須となりますので、公庫の方が有利といえるでしょう。

 ■理由5:返済期間が5年以上ある
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日本政策金融公庫の返済は、5年以上から選択することになります。長い期間借りられた方が、1回あたりの返済額が少なくて済みますので、利用しやすいでしょう。

創業時は、運転資金を借りる場合には、5年から最長7年以内に返済、設備資金を借りる場合には、5年から最長10年以内に返済する必要があります。

 ■理由6:他の金融機関からも融資を受けやすくなる
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一度も融資を受けていない方と、公庫からお金を借りて、期日通りにしっかり返済ができている方では、公庫からお金を借りている方の方が、他の金融機関からの評価が高くなります。

そのため、他の金融機関からも融資を受けやすくなります。

(2)日本政策金融公庫で融資を受ける際のデメリット

日本政策金融公庫は低金利で融資条件が良い分、デメリットも存在します。

■デメリット1:申込に必要な書類が多い

日本政策金融公庫から融資を受ける場合、申込時に準備する書類が多いです。

対象者必要書類
全ての方・借入申込書
・直近6か月分の通帳コピー
・身分証明書(運転免許証もしくはパスポート)
・支払い明細書(借入がある方)
・不動産の賃貸借契約書(店舗/事務所・自宅)
・営業許可、資格又は免許を証明するもの
・見積書、工事請負契約書
・固定資産税の領収書及び固定資産税課税明細書(持ち家の方)
・住宅ローンの返済予定表(持ち家の方)
創業予定者

事業開始から1年以内の方

・創業計画書
・水道光熱費等の支払い状況のわかる書類
・直近2年分の確定申告書又は源泉徴収票
事業開始から

1年を経過している方

・企業概要書
・各種税金の領収書
・売上の根拠を示すことが出来る書類
・直近2年分の確定申告書、青色申告決算書もしくは収支内訳書

融資が確定した後に印鑑証明書も必要となります。借入申込書や創業計画書、企業概要書など、記入や作成が必要となる書類があるため、書類準備に時間がかかります。

■デメリット2:個人で申し込むと審査が厳しい

日本政策金融公庫から融資を受ける場合、所定の審査に通過する必要があります。

創業時、創業直後の融資審査で重視される項目の1つが「自己資金」です。自己資金が重視されるのは、返済実績のない申込者の評価基準に自己資金以外を設定しにくいからです。

個人で申し込みをする場合は新創業融資制度を利用して融資を受けることになりますが、新創業融資制度は「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」という要件があります。

そのため、自己資金がゼロでは融資を受けることは非常に難しいです。自己資金を全く用意していないのであれば、まずは目安として自己資金100万円を目標にコツコツ貯蓄する計画を立てましょう。

(3)認定支援機関を経由すると融資をスムーズに受けられる

日本政策金融公庫に申込する際には、国から「経営に関するアドバイスができる」と認定された認定支援機関を経由するとスムーズに融資を受けられます。

その利用メリットは次の3点です。

  • 書類の作成の時間コスト削減
  • 専門家が支援しているので信頼が向上
  • 個人で申し込むより金利を下げられる可能性あり

個人事業主の方は特に、稼働時間を書類作成など公庫の申込準備に充てるのは、事業の機会損失をしているとも言えます。認定支援機関を利用すれば、書類作成を代行しますので、事業に専念できるメリットが大きいと思います。

当サイトを運営するSoLaboも、融資のサポート実績が3,700件を超える認定支援機関です。日本政策金融公庫の融資に関して質問や不安がある人は、まずはお気軽に当社にご相談ください。

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方法2.信用金庫からの借入

個人事業の方が利用できる資金調達方法に信用金庫からの借入があります。

日本政策金融公庫と信用金庫で比べてしまうと、日本政策金融公庫の方が借りやすく金利も安いため、日本政策金融公庫の方がおすすめではありますが、日本政策金融公庫では融資を受けることができなかった方でも信用金庫ではお金を借りられたというケースもあります。

信用金庫からの借入は、公庫に比べ、金利が少し高く、借りるまでに時間がかかります。

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方法3.制度融資を利用する

制度融資とは、地方自治体と民間金融機関と信用保証協会が連携して実行される融資です。

各都道府県にある信用保証協会による保証を受ける事で、信用力が担保され、金融機関から融資を受けやすくなるメリットがあります。

一方、3機関にコンタクトをとる必要があるため、通常の金融機関からの融資に比べて審査完了までに時間がかかる点に注意が必要です。

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方法4.補助金、助成金を利用した資金調達

補助金、助成金は、先にお金をもらえるのではなく、お金を支払った後に、その分が入金される仕組みの資金調達方法です。

融資のように元本の返済・利息の支払いが発生しない点がメリットですが、入金までの時間が比較的長いため、それまでの資金繰りが滞らないかどうか、チェックが重要です。

助成金は、要件を満たした場合には、必ず受け取ることが出来ます。補助金は、要件を満たした方で、かつ、審査を通過した方が、受け取ることができます。

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方法5.投資家・VCから出資を受ける

投資家やベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるという資金調達方法です。

出資とは、投資家が資金提供者として名乗りをあげ、株式と引き換えに資金を出すことです。

なお、ベンチャーキャピタル(VC)は、複数の投資家や事業会社等からの出資金を元にベンチャー企業に投資し、出資先企業の株式公開(IPO)により利益を得ることを目的としています。

出資を受けるメリットは、融資で発生するような元本の支払い・利子の返済が生じない点です。
さらに、投資家やベンチャーキャピタルは、経営や人脈等、出資先企業の成長をサポートするだけのノウハウがあるため、成長を加速することもできます。

但し、注意しなければならないのは、出資を受ける事で、出資者から経営に対する口出しを受けることになり、経営の自由度が狭まってしまう可能性があり得る点です。

出資を受ける場合は、その方針や契約内容をしっかり確認したうえで臨みましょう。

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方法6.ビジネスローンを利用した資金調達方法

ビジネスローンは、融資実行までのスピード感に特化した資金調達方法です。銀行や消費者金融など、様々な金融機関の商品があります。ビジネスローンの融資額は基本的には50万円以下で、年率15.0%前後という条件での借り入れになるのが一般的です。

ビジネスローンは長くても3日程度で融資を受けられるので、急な資金のショートを解消するために利用されることが多いです。ただし、高金利のため利息負担は大きく、継続的に利用すると資金繰りを返って悪化させる恐れがあります。

また、ビジネスローンの借入残高があると、日本政策金融公庫や銀行のプロパー融資など、低金利の大口融資を受けにくくなるデメリットもあります。

そのため、事業をする上でビジネスローンはなるべく利用しない方が良いです。すぐに完済できるアテがあり、緊急で資金繰りをしなければならない時のみ、利用を検討してください。

♦参考:金利による利息負担の差

日本政策金融公庫や信用金庫の金利2.0%で融資を受けた場合と、ビジネスローンや消費者金融の金利15.0%で融資を受けた場合、それぞれ5年間で返済した場合の利息負担をまとめました。

借入額金利2.0%の利息金利15.0%の利息利息差
50万円25,833円213,698円187,865円
100万円51,666円427,396円375,730円
200万円103,332円854,792円751,460円
300万円154,998円1,282,188円1,127,190円
500万円258,330円2,136,980円1,878,650円
800万円413,328円3,419,168円3,005,840円

ビジネスローンや消費者金融を利用する場合と日本政策金融公庫を利用する場合では、100万円の借入で37万円ほど利息負担が変わります

ビジネスローンは長くても3日程度で融資を受けられるので、急な資金のショートを解消するために利用されることが多いですが、利息の支払いを抑えるなら金利の低い日本政策金融公庫からの融資を受けることが良いでしょう。

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2.個人事業主が金融機関から融資を受ける条件

冒頭でも触れたように、個人事業主でも融資を受ける事は可能です。そのためには、2つの条件を必ず満たすことが必要です。

条件①開業届の提出

開業届とは、個人事業主が税務署に開業したことを知らせるために作成する書類です。

所得税法により、個人事業主として開業する際には事業を営む場所の管轄の法務局に開業届を提出することが義務付けられていますので、必ず提出しましょう。

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条件②納税・確定申告の実施

融資を受けるにあたっては、あなたの事業がしっかり利益を出しており、確実に納税しているかもチェックされます。

そのため個人事業主が銀行から融資を受ける際、「確定申告書」も必ず提出を求められます。

銀行から融資を受けるのであれば、原則、確定申告書2期分(2年分)を提出すると覚えておきましょう。

3.新型コロナの無利子・無担保融資も利用可能

 新型コロナウイルス感染症特別貸付

日本政策金融公庫による無担保かつ実質無利子の融資が「新型コロナウイルス感染症特別貸付」です。

「実質無利子」とは、本制度とあわせて「特別利子補給制度」を利用することで初めて返済した利子が補填されることを意味しています。

借入資金は設備資金もしくは運転資金として利用可能で、個人事業主・フリーランスの方も利用できます。

新型コロナウイルス感染症の影響で、一時的に業績が悪化し、次の条件に当てはまる方が利用可能です。

新型コロナウイルス 感染症の影響を受けて一時的な業況悪化を来し、次のいずれかの要件に該当する方であって、中長期的に業況が回復し発展が見込まれる方

(1)最近1ヵ月間等の売上高または過去6ヵ月の平均

売上高が、前3年のいずれかの年の同期と比較して、5%以上減少

(2)業歴が3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月間等の売上高または過去6ヵ月の平均売上高が、次のいずれか(※)と比較して、5%以上減少

①過去3ヵ月(最近1ヵ月含む。)の平均売上高

②令和元年 12 月の売上高

③令和元年 10~12 月の平均売上高

(※)最近 14 日間以上1ヵ月間未満の任意の期間における売上高と比較する場合は、上記①~③の売上高を日割り計算し、当該期間に対応する日数を乗じて算出した売上高

参照:新型コロナウイルス感染症特別貸付の概要|日本政策金融公庫

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民間金融機関による実質無利子・無担保融資

政府系金融機関である日本政策金融公庫以外の民間金融機関でも、実質無利子・無担保の融資が開始されました(令和2年5月1日~)。

また、東京都の場合は融資額1億円までは実質無利子化となっているため、東京都内で事業を営んでいる方はぜひ下記サイトもご参照ください。

中小企業向け融資 無利子の新制度に移行(第286報)|東京都

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まとめ

個人事業主の方ももちろん融資を受けることは可能です。

特に、日本政策金融公庫の創業融資は低金利・無担保・無保証での借入が可能なため、資金面で事業に与える負荷が小さいというメリットがあります。

個人事業主の方で、資金調達を検討しているのであれば、政府が100%出資して運営している日本政策金融公庫から検討を始めてみるとよいでしょう。

日本政策金融公庫での融資を検討している方は、一度融資を専門とする認定支援機関に相談するのがおすすめです。

当サイトを運営する株式会社SoLaboは、融資のサポート実績が3,700件を超える認定支援機関です。日本政策金融公庫の融資に関して質問や不安がある人は、まずはお気軽に当社にご相談ください。

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
融資支援業務に力を注ぎ、現在では400件以上の融資支援を行っている。

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