黒字経営を行うためのチェックポイント

これから創業する方だけでなく既に会社を経営している事業主の方も「会社を継続して経営していきたい」という想いは同じでしょう。
会社経営を継続して行うために必要な大きな要素の一つに「黒字経営」であることが挙げられます。いくつかのポイントをおさえておくことで、黒字経営を継続して行い、既に黒字の企業は黒字部分を増やす事ための対策になるでしょう。

1.黒字経営とは

人件費や在庫、売掛金の管理等をしっかり行い手元に残る資金を考えた上で資金繰りがプラスになっている状態のことを「黒字経営」といいます。単に会社の利益のみが黒字の場合は、会社を継続して経営していくための黒字とは言えません。利益が黒字でも倒産している会社は存在し、反対に利益が赤字なのに長年継続して経営している会社もあります。利益が黒字で倒産してしまう会社の大半は「資金繰りがうまくいかず」倒産してしまうのです。

会社に必要な資金の融資を受けたいとお考えの場合も、会社の資金繰りがうまくいっておらず赤字の企業は銀行などの金融機関から融資を断られる可能性があります。資金繰りがうまくいっている「黒字経営」を行うことで、融資を受ける場合等の資金調達が可能になり会社の発展・成長につなげることが出来るでしょう。

では「黒字経営」をおこなうために大切なポイントを確認していきましょう。

2.黒字経営のためのポイントを知ろう

(1)予算の管理

経営を行う上で必要な資金調達などを適切に実施するための「経営管理」のうちの一つである「予算管理」を行いましょう。

人件費や原価率の上限など黒字経営を行うために必要な予算を設定することが「予算管理」ですが、予算管理を行うことで予算をまかなうために必要な売上や必要経費を把握することができ、同時に売上目標の設定にもなるでしょう。

予算管理を行う場合のポイントは、人件費に過剰な予算を使わないために、従業員一人一人の売上目標を設定し達成率に応じて賞与を与えるなどの方法で売上高より人件費を抑えることです。

(2)商品ごとの売上げを管理

設定した売上目標の達成のために必要不可欠なものが「売上管理」です。

売上管理とは商品やサービスごとの売上を記録し、各々が産み出す利益を知るためのものです。

毎日の売上を記録し管理することで会社が生み出す利益の流れを見ることができ、黒字経営に必要な商品と必要でない商品を知ることができるでしょう。

売上管理を行う際のポイントは、毎日記録し管理している売上データをただ記録するだけでなく、設定した売上目標を達成するためにどの商品が必要なのかを把握し活用していくことです。

(3)コストを削減する

会社が販売している商品やサービスの原価の削減に取組みます。利益をだすためには売上を増やす、または原価を下げることが重要な要素になります。

商品を仕入れる場合、利用する業者から見積もりを出してもらうでしょう。コストを削減する(原価削減)ためのポイントは仕入を行う前の見積もりをいくつか複数の業者に依頼し、価格を比較した上で仕入を行うことです。

(4)在庫の管理をおこなう

商品在庫の管理を行いましょう。在庫がなければ商品を提供することができず経営は成り立ちません。しかし在庫が過剰にあると、管理費もかかり、保有する在庫分の負債がある状態となるため経営圧迫の原因となります。

在庫管理を行う際のポイントは、定期的な棚卸しを行うなどして在庫管理を行い、過剰に保有していると判断できる在庫がある場合には売却するなどして現金化し会社経営の資金にあてましょう。

(5)一般管理費の見直しを行う

会社全体として業務に必要である一般管理費の見直しを行いましょう。一般管理費には広告宣伝費、会議費、旅費、リース料などが含まれます。毎月どの項目にどれほどの費用がかかっているのかをチェックし、かかった費用に応じた利益(費用対効果)を生み出していない項目の費用削減を行います。

一般管理費のなかでも広告宣伝費は重点的・定期的に見直す必要があるでしょう。

現在出稿している広告の効果がどれほどあるのかを知り、効果が芳しくない広告にかかっている費用は削減することも検討しましょう。会社経営に集客のための広告宣伝は必要なケースもありますが、無駄な費用をかけてしまっている可能性もあります。広告の効果をきちんと分析しましょう。

一般管理費の毎月の推移を管理・分析することでコスト削減につながります。

(6)人件費の見直しを行う

会社経営を行う際に最も大きな負担となるのが人件費と言われています。

負担を減らすために従業員数を減らして人件費削減を行えば良いとお考えではないですか?人件費削減のために従業員数を減らした事によって売上が下がってしまう可能性もあるのです。売上が下がってしまっては元も子もありません。

黒字経営のために人件費の見直しを行う場合には、従業員一人一人の売上目標を設定し目標達成の度合いに応じて報酬を支払うようにしましょう。

見直しを行う際、他よりも売上が高い部門やサービスに、多くの従業員を従事させ、会社経営がうまくいかなくなってしまった際には利益のない部門・サービスなどを無くしてしまうという決断も必要です。

(7)土地代や賃料の見直しを行う

会社や工場土地代・賃料を最初に契約した金額のまま支払い続けていませんか?周辺の建物の賃料と比較し不相応だと判断された場合や、建物の老朽化等により賃金が下がる可能性があると判断された場合など、適正な理由がある場合には合法的に賃料減額の請求を行うことができます。

地代・賃料は毎年または毎月、定期的に支払う必要があるものなので見直しをおこない減額できた場合には削減できた金額を会社経営の資金として使用することができます。

土地代見直しの際には専門的な知識が必要な場合もあるため、専門家に依頼することも検討してみましょう。

(8)所有している不動産で資金繰りを行う

会社が所有しているビル等で営業を行っている場合、セール&リースバック(単にリースバックともいう)を行うことで現金を手に入れることができます。セール&リースバックとは、所有している不動産をリース会社に売却し現金化し、売却した不動産をリース会社から賃貸で借りるという仕組みです。

単に不動産を売却する場合、現金を手に入れることは可能ですが、同時に会社の事務所等の引っ越しも必要になります。しかしセール&リースバックを行うことで不動産を売却し現金化した場合でも、同じ物件を賃貸として借りることができ引っ越しを行う必要がありません。資金繰りを行いたい、負債を返済したいなど一時的に現金が必要な場合に有効な手段です。

(9)売掛金の管理

商品を先に納品し、あとで代金を回収する掛取引によって生じた売掛金の管理を行います。会社の利益が黒字にも関わらず倒産してしまう理由の一つに未回収の売掛金が増えすぎてしまった、というものがあります。取引先からの売掛金回収をきちんと行うためにも回収条件を定期的に見直し、社内全体での売掛金への意識を無くさないために売掛金会議を行うなどの必要があるでしょう。また回収条件を自社の有利な条件に改定し、資金増加させる方法もあります。

しかし売掛金には回収期限があるため、期限内に計画的に回収することが大切です。

 (10)買掛金の管理

取引の際に発生した未払金である買掛金の管理を行います。取引先から仕入れた商品等の代金の未払いである買掛金は、言わば取引先への債務です。利益が黒字の場合でも、手元に現金がなく買掛金を支払うことができなければ会社は負債を抱え倒産してしまいます。売掛金同様、支払条件を確認し改定を行いながら会社の買掛金管理に努める必要があります。

 (11)定期預金の見直しを行う

会社が定期預金をおこなっている場合、定期預金を解約し資金を調達する方法があります。会社の黒字経営を行うため必要な資金繰りを行うために、定期預金を解約して手にした現金で返済することで新たな資金調達がしやすくなります。

(12)保険などの投資資産の見直しを行う

会社の「黒字経営」を行うために資金繰りがうまくいっていることは必須条件です。万が一会社の資金繰りがうまくいかなくなってしまった場合には積立の保険を解約し現金化する方法や、有価証券やゴルフ会員権などを売却し現金化する方法があります。あくまで会社の事業に必要でない資産を売却し現金化することで、資金繰りに活用することができます。

(13)借入金の返済を遅らせる

会社の資金繰りがうまくいかず、万策尽きた場合の対処法として、借入金の返済日を遅らせる方法(リスケジュール)があります。金融庁の審査を経て、今後借入金返済が可能であると判断された会社に限り返済日を変更し遅らせることができます。

しかし資金調達に行き詰った最終手段ともいえるでしょう。返済日を遅らせる前に何かしらの資金調達法がないか今一度考えてみてはいかがでしょうか。

(14)税金の支払い猶予を利用する

会社を経営していると様々な税金を支払う必要がでてきます。また税金を支払うことで黒字経営になる可能性もあります。税金には分割支払いや納税猶予制度などがあり、それぞれの条件を満たす場合に支払いを分割したり遅らせたりすることが可能です。どうしても資金繰りがうまくいかずに税金の支払いが滞りそうな場合には管轄の税務署へ相談することをオススメします。

まとめ

今回は会社の「黒字経営」を行うために必要なポイントをいくつかご紹介しました。「黒字経営」を目指すためには、会社経営に必要不可欠な資金繰りが上手くいっていることが前提です。資金繰りが上手に行われることで会社の売上増大にもつながります。今回ご紹介したポイントを実践し、「黒字経営」の倒産しない会社経営を目指しましょう。

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