株式会社とは?特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説

現在日本で一番採用されている会社形態は「株式会社」です。しかし、株式会社がどういう形態で、どんな特徴、メリット・デメリットを持っているのか、詳しくは分からないこともあるでしょう。
今回は株式会社とは何か、その特徴とメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

株式会社とは

株式会社とは株式で資金調達をしている会社

株式会社とは、株主に株式を買ってもらうことで資金調達を行い、事業運営を行っている会社をいいます。
株式会社の経営権を所有するのは、社長ではなく、株主です。株式会社の社長は、株主(オーナー)から選ばれた経営者に過ぎません。これを「所有と経営の分離」といいます。

ただし、社長と株主(オーナー)が同一のケースもあります。社長が株式の過半数以上を所有しているときは、社長が会社のオーナーとなります。社長とオーナーが同一の株式会社は「オーナー企業」と呼ばれます。

会社には多額の資金が必要になる場合があります。株式会社では事業資金が必要なとき、出資者に「株式」を発行し資金を募ります。

株式会社の表記の違い:前株と後株

「株式会社〇〇」と「〇〇株式会社」という株式会社の表記の違いには呼び方があります。社名の前に株式会社がくるのが「前株(まえかぶ)」、社名の後ろに株式会社がくるのが「後株(あとかぶ)」です。
法律上、前株でも後株でもどちらでも問題ありませんが、それぞれにちょっとした傾向があります。

前株は「株式で運営している会社」ということを先にアピールするので、企業イメージが好印象になりやすいとされ、比較的新しい会社は前株を選ぶ傾向にあるようです。

一方、昔からある老舗の会社は後株にする傾向があります。当時のブームを反映しているのかもしれませんが、後株の会社は古くからある老舗の会社だと認識されやすいようです。

新しく株式会社を作ったら前株と後株、どちらがおすすめと言えるかは、会社名によります。社名を声に出したときの収まりや文字にした時の見栄えなどをヒントに決めましょう。

株式とは:関連語をわかりやすく解説

株式(株券)とは会社が資金を集めるためのチケットのこと

株式とは、株券とも呼ばれ、会社が「会社のオーナー権利」・「利益配分の権利」・「会社解散時に分配した資産を受け取る権利」の提供を条件に、資金を求める際に発行するものです。
株式は何回でも発行することができます。会社の資金繰りが厳しい時に発行するとこで「増資」をすることもできます。

株主とは:関連語をわかりやすく解説

株主は株式を買った会社の第二の経営者

株主とは、株式会社が発行する株式を購入し、会社に出資する人々のことを指します。
「株主になる」ということは、「会社を資金面から支える第二の経営者になる」ということです。株主は株主総会に参加することができ、社長をはじめとした経営陣に対し、意見や要望を述べることができます。
株主が株式を購入する理由は様々です。「会社のビジョンに共感・応援したい」、「会社が大きく成長する予感を感じ、配当金などで儲けられそう」などの理由が代表的です。

株式会社の基本の仕組み

株式会社は株主に利益を配分する

株式会社には、株主に対し、利益を配分する責任が生じます。この利益配分は会社の利益水準を総合的に判断し、株主が保有する株式に比例して分配されます
ただし、株主は利益配分を受ける一方、会社の負債を背負うということを忘れてはいけません。会社が破綻した場合、株式は紙切れ同然になります。つまり、株主は会社に提供した資金の額だけ損失を受ける(有限責任)のです。

株主総会を開いて株主に対して説明する義務がある

株主総会とは、会社の経営に関する重要な意思決定を行うもの(最高意思決定機関)です。
取締役会の選任、会社の今後についての、企業の製品・サービスなどのプレゼンテーションの場としても活用されます。

株式を過半数所持すると経営権を握ることになる

過半数の株式を持つものが、株式会社の経営権を持ちます。株式会社は株式を発行して資金調達しますが、株主の株式の比率に注意しないと、株主総会を開いても思うように意思決定できないケースが出てきます。
創業当初でオーナー企業として運営されている方は、株主総会で問題なく物事を決められるよう、株式の過半数(2/3あると好ましい)を下回らないように気をつける必要があります。

株式会社の特徴:メリット・デメリット

株式会社の特徴としてメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット①:資本金1円から設立できる

2006年の会社法の改正に伴い、現在では株式会社は究極的には資本金1円から設立できるようになりました。一般的に資本金は会社の信用力を表す場合もあるので、資本金を1円で会社設立することはまれです。しかし、改正前と比較すると書類上は創業しやすくなったのは間違いありません。

メリット②:株式会社になることで節税対策になる

個人事業主は、株式会社になること(法人成り)で税金対策になることがあります。
個人事業主と株式会社では計上できる経費科目が違います。個人事業主は株式会社よりも必要経費として認められる幅が狭いです。
使ったお金を経費として計上できると利益が下がります。利益が下がると、利益にかかる税金も下がります。

また、利益にかかる税率も個人事業主と株式会社では違います。
詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。

このように株式会社になることで、経費や税率の面で節税対策ができるケースがあります。

メリット③:経営者の会社の私物化を防ぎ、経営が安定する

すでにお話しした通り、オーナー起業以外の株式会社は、経営と資本が分離しています。経営と資本が分離するため、株主を説得しながら事業運営をするため、経営者のワンマンになりにくく、安定した運営ができます。

私物化を防ぐ株式会社の仕組み

物化を防ぐ株式会社の仕組みは、次の通りです。

  • 株主たちが選出した「取締役」が「取締役会」の決断をもとに会社の経営を務める
    「取締役会」という言葉は耳なじみがあるかと思いますが、これは取締役たちが会社の経営方針を話し合い、決定する場のことです。代表取締役とは、取締役会で選出された人のことを指し、一般従業員の指揮・監督を行います。
  • 「監査役」によって取締役がきちんと職務を果たしているかチェックされる
    株主たちに選出された監査役は、取締役がきちんと職務を果たしているかどうかをチェックします。もし不正があれば監査役から株主たちに報告を行い、当該取締役に対しては不正行為の停止を命じます。

デメリット①:手続き費用がかかり、設立までに時間がかかる

株式会社の手続き費用は他の会社形態と比べると高く、設立までに時間がかかると言われます。
株式会社の登記申請をする際に必要な費用は25万円と言われています。
例えば合同会社なら6万円程度なので、株式会社の手続き費用は高いと言えるでしょう。

「設立が完了した」と言えるのは登記申請が完了してからです。登記申請には様々な手続きが必要で、一般には1週間から2週間前後かかると言われます。
事前準備を入念にすれば手続きはスムーズに行えます。少しでも早く株式会社を設立したいのであれば、必要書類などの準備を早めにしましょう。

デメリット②:年に一回、決算報告の義務がある

決算報告とは、自社と関わりのある会社のみならず、様々に自社の情報を公開することです。
株式会社には年に一回、決算報告をする義務があります。
年に1回、自社のビジネスを見直す機会でもあります。経営状態が芳しくない株式会社は、決算報告を公開することで信用力が下がる恐れがあるため、デメリットとなるケースもあります。

デメリット③:役員に任期があり都度、申告の必要がある

取締役などの役員には任期があり、都度の申告が必要です。この任期には原則2年ですが、場合によっては10年まで延長することができます。
株式会社は任期が終わりを迎える都度、新たな役員を選任し、それを法務局に申告しなければいけないため、手間がかかります。

万一申告しなかったり、任期越えをしてしまったりすると、会社法に違反したことになってしまいます。場合によって100万円以下の罰金を受ける可能性もあります。申告漏れの場合は気が付いたときに申告し、任期越えは直ちに改選し、2週間以内に申告しましょう。

株式会社の設立手順

株式会社の設立手順は大きく3つです。

定款の作成・認証をする

まずは定款を作成し、認証を受けましょう。定款とは、商号や目的、本店所在地、資本金の集め方や機関設計など会社の基本的な事項を書面にまとめたものになります。
公証人役場で定款の正当性を保証する認証を受けると、定款が公的に認められたことになります。

登記書類の作成・申請をする

定款の作成と認証が完了したら次は登記書類の作成し、法務局に申請を行います。
ただし、申請をする前に発起人の口座に資本金を入金しなくてはいけません。残高で資本金がある場合は一度引き出し、再度入金しましょう。

開業の届出をする

法務局に登記申請をした時点で会社設立となりますが、会社設立後に税務署にも開業の届出が必要です。
法人設立届出書や青色申告の承認申請書の届出などを、本店所在地がある地域の税務署に提出しましょう。

まとめ

今回は株式会社とは何か、その特徴とメリット・デメリットについてわかりやすく解説しました。

株式会社とは、株式を株主に買ってもらうことで資金調達を行い、事業運営を行っている会社で、経営と資本が分離しているのが特徴です。

株式会社を設立する予定の人は、株式会社の仕組みをきちんと理解し、無駄のないビジネスにつなげましょう。

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