起業時に適した資金調達方法の選び方を解説

これから起業を予定している人のなかには、起業資金を調達したいと考えている人もいますよね。起業に必要な資金が足りない場合にどのような資金調達の方法があるか気になる人もいるでしょう。

当記事では、起業時に資金調達する方法を解説します。それぞれの資金調達方法のメリットとデメリットも紹介するので、起業資金を調達したい人は参考にしてください。

どの資金調達方法を選ぶかは自己資金の有無で決める

起業時にどの資金調達方法を選べばよいかは状況によって異なりますが、自己資金の有無で決めるのも判断基準のひとつです。自己資金とは、自分で所有しているお金のことを指します。預金や貯金、保有資産を売却してできた資金、退職金などが自己資金に該当します。

自己資金が一定額ある人は、銀行や信用金庫などの金融機関からの融資やノンバンクからの借入を検討し、自己資金がない場合は出資を受けることを検討してみましょう。

【起業時の資金調達方法】

資金調達方法の種類特徴自己資金の必要性
借入をおこなう銀行や信用金庫などの金融機関やノンバンクから事業資金を借り入れる方法。返済と利子の支払いが必要原則として有
※状況によって自己資金なしで借り入れできる場合もある
出資を受けるベンチャーキャピタルや投資家から出資を受ける方法。返済は不要だが経営に口出しされる可能性がある

起業資金の融資を受ける際に必要な自己資金は申込者の状況によって異なりますが、起業資金総額の3分の1程度の金額が目安になります。起業資金総額の3分の1の金額を用意するのが難しい場合には、最低でも100万円を目安に用意する必要があります。

出資を受ける場合には自己資金は必要ありませんが、出資を受けるためには将来的な事業の成長性が見込める必要があります。投資家は出資先の企業が上場した際に得られる株式の売買差益を目的に出資しているため、成長性の乏しい事業には出資を判断しません。そのため、起業を考えている人は事業が成長するかどうかも視野に入れる必要があります。

なお、当サイトでは、いくらの資金調達ができるのか、起業前の準備から無料で診断ができます。状況に合わせて上記の資金調達方法を総合的に判断して診断しますので、起業時にどの資金調達方法を利用すればいいかお悩みの場合は無料診断を試してみてください。

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借入による資金調達方法

起業時の資金調達方法の選択肢のひとつが金融機関やノンバンクからの借入です。借入をした場合には、金利(実質年率)に応じた借入金の返済と利子の支払いが必要になります。

【資金調達方法別の金利(目安)】

借入による資金調達方法の種類目安の金利(実質年率)
日本政策金融公庫の創業融資1.0%から3.0%
民間金融機関の保証付融資1.0%から3.0%
ビジネスローン1.0%から14.0%

起業時に利用しやすい借入方法として「日本政策金融公庫の創業融資」「民間金融機関の保証付融資」「ビジネスローン」が挙げられます。それぞれの資金調達方法のメリットとデメリットをみていきましょう。

日本政策金融公庫の創業融資

起業時に借入をおこなう選択肢として、日本政策金融公庫の創業融資が挙げられます。創業融資は政府系金融機関である日本政策金融公庫は新しく創業する人を支援する目的でおこなっている融資です。そのため、事業実績がない起業段階の人でも申し込みできます。

【日本政策金融公庫の創業融資のメリットとデメリット】

メリットデメリット
  • 無担保・無保証で融資を受けられる
  • 自己資金要件を満たしている場合には自己資金がなくても融資を受けられる
  • 申し込みから入金までに1か月から1か月半かかる

日本政策金融公庫の創業融資を受けるには、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を用意している必要があります。たとえば、創業資金総額が1000万円の場合には、100万円以上の自己資金を準備しておくことが求められます。

ただし、創業資金総額の10分の1以上の自己資金が用意できない人でも、日本政策金融公庫の公式サイトにある「自己資金の要件を満たすものとする要件」で確認できるいずれかの要件に該当すれば、創業融資を利用できます。

起業時に融資を受けたい人の場合、起業前の経験や実績も重視されます。たとえば、起業予定の業種で6年以上の勤務歴があるなど、業界での就業年数も要件に含まれているため、企業で長期勤続している人も創業融資の対象になります。

起業時に日本政策金融公庫の創業融資を利用したい人は「起業前後に創業融資の審査を受ける上での注意点を解説」も参考にしてみてください。

民間金融機関の保証付融資

起業時に借入をおこなう選択肢として、民間金融機関の保証付融資が挙げられます。起業時は実績が乏しいため、銀行や信用金庫などの民間金融機関から直接融資を受けるのが難しい段階です。そこで、信用保証協会に公的な保証人として債務の保証をしてもらい、民間金融機関からの融資を受けやすくするのが保証付融資です。

【民間金融機関の保証付融資のメリットとデメリット】

メリットデメリット
  • 信用保証協会が公的な保証人となるため起業時でも融資を受けやすくなる
  • 無担保で融資を受けられる
  • 民間金融機関と信用保証協会で審査をおこなうため申し込みから着金までに1か月から2か月程度かかる
  • 信用保証協会へ手数料として信用保証料を支払う必要がある

民間金融機関の保証付融資は起業時でも融資が受けやすいメリットがある一方、民間金融機関と信用保証協会の2機関で審査を実施するため、申し込みから着金までに1か月から2か月程度かかる点に注意が必要です。保証付融資を利用する人は資金が必要なタイミングに間に合うかどうかを確認するようにしましょう。

また、信用保証協会から保証を受ける際は、無償ではなく対価として信用保証料を支払う必要があります。信用保証料は借入金額や保証期間などによって変動しますが、1,000万円の融資を受ける場合を例にとると、保証期間12か月、信用保証料率1.35%、満期一括返済の条件なら、信用保証料は135,000円かかります。

信用保証協会の利用の流れを知りたい人は「信用保証協会の審査の流れを解説」も参考にしてみてください。

ビジネスローン

起業時に借入をおこなう選択肢として、ビジネスローンが挙げられます。ビジネスローンは銀行や信用金庫などの民間金融機関や消費者金融業者や信販会社などのノンバンクが貸し付けをおこなう事業性の融資のことです。

【ビジネスローンのメリットとデメリット】

メリットデメリット
  • 審査期間が金融機関の融資よりも短いため緊急性の高い資金調達に対応できる
  • 担保や保証人が不要
  • 金利が金融機関の融資よりも高く、1.0%から14.0%台と金利幅が広い

ビジネスローンは審査にかかる期間が即日から4日程度と金融機関から融資を受ける場合よりも短いため、急な出費が生じた際などの緊急性の高い資金調達に対応しやすい資金調達方法です。

一方で、ビジネスローンは金利が1.0%から14.0%と幅が広く、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける場合と比較して高金利で設定されていることがほとんどです。

高金利でビジネスローンを利用した場合、その後の返済負担が大きくなり、資金繰りが悪化する可能性があります。ビジネスローンの利用を検討している人は、資金繰りが圧迫されないかどうかを事前に確認するために返済のシミュレーションをしておきましょう。

出資による資金調達方法

起業時の資金調達方法の選択肢のひとつが出資を受けることです。ベンチャーキャピタルや投資家から出資を受けることで、返済不要な事業資金を調達できます。

【出資のメリットとデメリット】

メリットデメリット
  • お金を返済する必要がない
  • 投資家やベンチャーキャピタルからアドバイスを受けられる
  • 出資者から経営に関して口出しされ、自由な経営が難しくなる可能性がある
  • 出資者から事業の成長スピードを求められるためプレッシャーがかかる

ベンチャーキャピタルや投資家から出資を受けたお金は、借入と違って返済の必要がないため、起業後の元本の返済や利子の支払いといった負担がかからない点がメリットです。そのうえ、投資家やベンチャーキャピタルから事業を成長させるための経営ノウハウを共有してもらえたり、人脈を共有してもらえたりするメリットもあります。

一方で、出資を受けることでベンチャーキャピタルや投資家などの出資者から経営に干渉される可能性があります。そのため、起業して自分の思い通りに自由な経営がしたいと考えていた人にとっては自由度が低くなるデメリットがあります。

また、投資家は投資先の企業が上場(IPO)やM&Aを果たした際に得られる株式の売買差益(キャピタルゲイン)を目的に出資しています。出資を受けた場合は成長のスピード感を求められるため、経営者には精神的な負荷がかかる点に注意が必要です。

起業時に出資を受けたい人は、出資を受けた後でも自分自身が希望する形で経営が続けられるかどうかをベンチャーキャピタルや投資家とよく話し合い、経営者として納得できる出資契約を結びましょう。

借入や出資以外の資金調達方法としてクラウドファンディングもある

借入や出資以外の起業時の資金調達方法としてクラウドファンディングという選択肢もあります。クラウドファンディングは、起案したプロジェクトに対してインターネット上で支援者を募ることで資金を集めるサービスです。

現在はさまざまな会社がクラウドファンディングをおこなうためのWebサイトをサービスとして展開しています。クラウドファンディングには種類がありますが、支援してもらった金額に応じて支援者に返礼品などを返す購入型が主流になっています。

【クラウドファンディングのメリットとデメリット】

メリットデメリット
  • 会社や商品のプロモーションとして活用できる
  • 起案者は金銭的負担なしで支援を受けられる
  • プロジェクトの広報やPRにリソースが必要になる
  • アイデアを盗まれる可能性がある

クラウドファンディングは借入とは異なり、調達したお金は返済不要の事業資金として使うことが可能です。お金を出した支援者側がプロジェクトに対して干渉することもないため、出資のように経営者の自由度が狭くなるおそれもありません。

商品やサービスの開発や店舗の開店などのプロジェクト単位で募集するため、会社や商品を認知してもらう宣伝効果も期待できるメリットもあります。

ただし、宣伝や広報活動をおこなうためには、Webサイトの作成やSNSを通じた告知、メディアへの露出などさまざまな媒体への発信が必要になり、ある程度の時間と人材のリソースが必要です。

クラウドファンディングを利用する場合には起業に向けた準備とは別に時間や人材のリソースがとられるため、クラウドファンディングをしたい人は費用対効果を念頭に置きながら検討しましょう。

クラウドファンディングのやり方を知りたい人は「クラウドファンディングのやり方は?参加方法と条件を解説」も参考にしてみてください。

起業する前に資金計画を立てておく

起業を考えている人は起業前に資金計画を立てておきましょう。起業資金がいくら必要で、どのように調達してくるのかをまとめたものが資金計画です。

たとえば、起業時に銀行や信用金庫などの金融機関からはじめて融資を受ける場合には事業の詳細を説明する「事業計画書(創業計画書)」を提出します。事業計画書に資金計画がなく「借りられるだけ借りたい」という内容では、金融機関から計画性が無いと判断されるおそれがあります。

資金計画を立てておくことで、事業開始後の資金の流れまで視野に入れて準備していることを金融機関にアピールできるでしょう。

【資金計画の一例】

日本政策金融公庫の「創業計画書」書式を参考に作成(https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html)

資金計画を立てる際は、左列に「必要な資金」の項目、右列に「資金の調達方法」をそれぞれ記入していきます。「必要な資金」の項目には、起業するために必要な設備や備品などの設備資金と定常的に支払いが発生する電気代や水道代、人件費などの運転資金の金額を記載します。

「資金の調達方法」の項目には、起業資金をどのような内訳で調達するのかとそれぞれの金額を記載します。「必要な資金」の合計額と「資金の調達方法」の合計額が合致していれば、資金計画の目途が立っていることがわかります。一方、合計額にズレが生じている場合には、足りない項目を補填する方法や不要な項目の節約を検討しましょう。

起業資金がいくら必要になるのかの目安を知りたい人は「起業資金はいくら必要?平均値から目安となる金額を解説」も参考にしてみてください。

起業時の資金調達方法として補助金や助成金は適さない

資金を調達する方法として、地方自治体の補助金や助成金も挙げられますが、起業時の資金調達方法としては補助金や助成金は適していません。補助金や助成金は申し込みから実際の入金までに半年から1年程度かかるため、起業するタイミングには間に合わない可能性があるためです。

たとえば、一部の地方自治体では、創業時に必要な資金の一部を補助する「創業補助金」や「創業助成金」の制度を設けています。これらの制度を利用して補助を受けた資金は返済不要のため返済の負担がかからないメリットがある一方で、後払いなので急ぎの用途には利用不可能というデメリットがありますです。

また、補助金や助成金を利用する際は申込書類の作成や補助金交付後の報告書作成など、交付を受けるための準備が必要なため、書類作成などの事務作業に人手がかかります。

起業時の資金調達方法として補助金や助成金を検討している人は、資金繰りのスケジュール感や起業準備の状況を考慮した上で利用するかどうかの判断をするのがよいでしょう。

まとめ

起業時の資金調達方法を選ぶための判断基準になるのが自己資金の有無です。自己資金がある場合は融資を検討し、無い場合は出資を受けることも視野にいれておきましょう。

日本政策金融公庫の創業融資は、企業での6年以上の勤務歴があるなどの一定の要件を満たしている人は自己資金がなくても融資を受けられる可能性があります。起業して間もなく実績がない人でも過去の経験が評価される場合もあるため、日本政策金融公庫の創業融資を利用したい人は「自己資金の要件を満たすものとする要件」を確認しておきましょう。

なお、融資を受ける際の自己資金として金融機関から認められるお金の種類を知りたい人は「融資を受ける際の自己資金とは?」も参考にしてみてください。

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